Ray Kurzweil
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この場に立てるのは光栄です テクノロジーのもたらす希望や危険について いろいろ語られてきました 私はその両面に 関心があります もし地球に届く 太陽光の0.03%を エネルギーに 変えられたなら 予想される2030年における 需要をすべて賄えます 現在それができないのは ソーラーパネルが重く 高価で非効率だからです ナノテクによるデザインなら 少なくとも理論上は 軽量性 経済性 効率性を 実現できる見込みがあり すべてのエネルギー需要を 再生可能なもので賄えます ナノテク燃料電池は エネルギーをどこでも 利用できるようにします 鍵となるトレンドは 分散化です 集中した原発や 液化天然ガス・タンカーから 自然にやさしく 効率が良く 高性能で 破綻の危険のない 分散したリソースへと 向かうのです

先の講演でボノが 雄弁に語ったように 長年の病気や貧困の問題に 対処できるツールを 我々は初めて 手にしたのです 世界の多くの地域で そういう方向に向かっています 1990年には 東アジアや太平洋地域に 貧困層が5億人いましたが 現在は2億人以下です 世界銀行の予測によると 2011年には2千万人以下になり 95%の減少です ヒッピー発祥の地 ヘイト・アシュベリーと シリコンバレーをつなげた ボノのコメントは愉快でした マサチューセッツの ハイテクコミュニティの出身者として 私たちも60年代には ヒッピーでしたが 私たちがたむろしていたのは ハーバードスクウェアでした 病気や貧困は克服できる可能性が 十分にあるということを 今日はお話ししますが それには意志が必要です

ケビン・ケリーが 加速する テクノロジー進化の話をしましたが これは私が30年来 関心を抱いてきた テーマでもあります プロジェクトが完了するときに その技術は意味を持つ必要があります 新しい技術が もたらされるとき 世界は必然的に 違う場所になります 多くの発明が失敗するのは 研究開発部門が 実現し損ねるためではありません ビジネスプランを 見ると分かりますが 多くの場合 作ろうとするものを作れる条件が 揃っていれば 成功していたはずなのです そういったプロジェクトの9割は タイミングの悪さのために失敗します 必要となる要素が 揃っていないのです

私はテクノロジーのトレンドの 熱心な研究者となり 時間軸上でテクノロジーの 現れる時期を追い その数学的モデルを 作り始め それがやがて独り歩き するようになりました 10人の仲間と一緒に 様々な分野の技術について 重要な指標を集め モデルを構築しました 未来の予測は不可能だと よく言います 3年後にGoogleの株価は 上がっているか 下がっているか 言うのは難しいです WiMAX CDMA G3のどれが 3年後主流になっているか 言い当てるのは難しいです 一方で 2010年に MIPS単価はいくらになるかとか 2012年にDNA塩基配列 解読コストはいくらになるかとか 2014年にワイヤレス通信のメガバイト あたりのコストはいくらになるかとか そういったことなら かなり正確に予想できます

計算コスト 性能 通信速度などを 支配する ごくなめらかな 指数曲線があるのです いくつか例をお見せしますが テクノロジーが 指数的に発展する 理論的な理由があるのです 多くの人は 未来を予想するとき 一次関数的に考えます 今日のツールや 今日の進展のスピードが そのまま続くものと考え 指数的な発展を 考慮しないのです

ゲノムプロジェクトは 90年代には疑問を持たれていました 世界最高の博士課程研究者と 最高の機材を揃えながら 1万分の1しか進まず どうやって15年で 完了できるんだと 10年経っても 懐疑派は根強く 「期間の3分の2が 過ぎたのに ゲノム全体の ほんのわずかしか 解析できていない」 と難じていました しかしこれは 指数的成長の特徴で ひとたび軌道に乗り始めると 爆発的に進むのです プロジェクトの大部分は 最後の2、3年で片付きました HIVのゲノム解析には 15年かかりましたが SARSは31日です だから我々はこういった問題を 解決する力を増しているのです

いくつかの例で この現象がいかにあまねく 存在しているか示します パラダイムシフトの頻度 新しいアイデアが取り入れられる頻度は 我々のモデルによれば 10年ごとに2倍になっています グラフはみんな対数グラフで 一段上がるごとに 10倍とか100倍になります 最初の仮想現実技術 である 電話の普及には 半世紀かかりました 携帯電話は8年です 様々な通信技術を 対数グラフ上に プロットすると テレビ ラジオ 電話は 普及に何十年も かかりましたが 最近の技術の PCや ウェブや携帯電話は 10年未満です これは興味深いチャートです 生物にせよ技術にせよ 進化的プロセスが加速する 基本的な理由を 示しています インタラクションを 通じて能力を生み出し その能力を使って 次の段階へと進むのです

生物進化の最初の ステップである DNAの進化— 最初はRNAですが それには数十億年 かかりました しかしこの情報処理の バックボーンを使って 次の段階へと進み カンブリア爆発で あらゆる動物の 体のデザインが発展するのには 1千万年しか かかっていません 200倍のスピードです そして その体のデザインを使い より高度な認知機能を 進化させ 生物進化は 加速し続けたのです これは進化的過程に 本質的な性質です ホモ・サピエンスはテクノロジーを 生み出す初めての種で 認知能力と 対置した親指を 併せ持っています ちなみにチンパンジーの親指は あまり対置していません 人類は握る力と 繊細な動作制御力で 環境を操ることが できたのです そしてメンタルモデルを使って 実際に世界を変え テクノロジーを 生み出しました

人類の種の進化には 数十万年かかりましたが インタラクションを通じ 進化は このテクノロジーを 生み出す種を使って 次なる段階へと進みました それがテクノロジー進化の 第一歩となります 最初のステップには 何万年もかかりました 石器 火 車輪 加速し続けます 常に前の世代の 技術を使って 次の世代の技術を 生み出すのです 活版印刷の普及には 1世紀かかりました 最初のコンピュータは紙とペンで設計されましたが 今はコンピュータを使っています プロセスはたえず 加速し続けています

これを均等目盛のグラフで見たら あらゆることが急に起きたように見えます ある観察者たちは 「カーツワイルは直線に乗る点を選んで グラフに置いただけだ」 と言います それで私は重要な思想家による 15のリストを引っ張り出しました ブリタニカ百科事典 自然史博物館 カール・セーガンのコスミック・カレンダー 別に彼らは私の論点を支持 しようとしたわけではありません 単に参考資料として 作られたものです これは生物進化や技術進化の上で 何が重要な出来事と 彼らが捉えているかを 表していると思います すると それがまた直線上に乗るのです 線に少し幅がありますが それは重要な時点ついて 意見の違いがあるためです 農業はいつ始まったのか カンブリア爆発には どれくらいかかったのか しかし非常に明確な トレンドがあります 進化過程が基本的 本質的に加速していることです 情報技術では 容量 通信速度 性能価格比が 毎年倍増しています 明らかに急速な 指数的成長です 個人的な体験で言うと 私がMITにいたとき コンピュータは このホール ほどの大きさで 計算能力は 今の携帯電話 より劣っていました ムーアの法則は この指数的成長と よく同一視されていますが 実はたくさんある中の 一例に過ぎません これは技術の進化過程に 本質的な性質なのです

49の有名なコンピュータを 対数グラフ上にプロットしました ちなみに対数グラフ上の直線は 指数的成長を表します これも指数的になっています 1900年に計算の性能価格比は 3年で2倍になっていました それが2年で2倍になり 今では1年で2倍になっています この指数的成長は5つの パラダイムにまたがっています 集積回路上のトランジスタが 縮小していくムーアの法則は その最後の部分にあたります 電子機械式計算機があり ドイツのエニグマ暗号を 解読したリレー式の コンピュータがあり アイゼンハワーの当選を予測した 50年代の真空管コンピュータがあり 最初の宇宙飛行に使われた 個々の トランジスタを用いるコンピュータがあり それからムーアの法則がきます 1つのパラダイムの 勢いが衰えるごとに 別のパラダイムが現れて 指数的成長を支え続けたのです 真空管をどんどん小さく していくと壁に突き当たります 真空を保って それ以上小さくできません そこへ まったく 異なるパラダイムの トランジスタが現れます 実のところ 1つのパラダイムの 限界が見え始めると 次のパラダイムを生み出す 研究の圧力が生じるのです ムーアの法則の限界はだいぶ 以前から予想されていました 最初の予想では2002年でしたが 今は2022年だと言われています 2010年代に現れる トランジスタは 原子数個分という幅になり それ以上縮小できなくなります ムーアの法則の限界ですが それが計算能力の指数的成長の 終わりを意味するわけ ではありません 今のチップは平面的ですが 我々が住んでいる世界は3次元です まだ第3の次元を 使うことができます この数年で その3次元化において 大きな進展がありました 自己組織化分子回路です ムーアの法則が息絶える前に 実用化されるでしょう スーパーコンピュータも同様です Intelチップの処理能力もそう トランジスタの平均価格は 1968年には 1個が1ドルでした 2002年には同じ値段で 1千万個買えます

このような指数的成長の 一貫性は 驚くほどです 限定的な実験の結果と 思うかもしれませんが これは世界全体のカオス的な 振る舞いの結果なのです ダンピングを非難し合う国家 IPO 会社の倒産 マーケティングキャンペーン とても不規則なプロセスなのに その結果は 極めて なだらかになるのです 気体中の個々の分子が どう振る舞うか 予測することはできませんが それでも気体全体 としての性質は 熱力学によって極めて 正確に予測できます ここでも同じことが言えます 特定のプロジェクトの予測はできませんが 世界中のカオス的で 予測不能な競争の結果としての 技術の進化過程は 予測可能なのです そういったトレンドについて かなり先まで予測できます ガートルード・スタインの 「薔薇は薔薇」の様に トランジスタはトランジスタ とは言えません 小さくすることで安価にでき 電子の移動距離も小さくなり 速くなります トランジスタのスピードは 指数的に上がり 1トランジスタ1サイクル あたりのコストは 1.1年で半分という ペースで下がっています その他のイノベーションや プロセッサデザインの改良も加わって 性能価格比は 毎年2倍になっています

これは基本的にデフレです 50%のデフレです コンピュータに限りません DNA解析でもそうだし 脳スキャンや ウェブもそうです 計りうるどのような面でも— 情報関係の測度は たくさんありますが 性能 普及率 そういったものはどれも 12、13、15ヶ月ごとに 2倍になります 性能価格比については 40%から50%のデフレ率です 経済学者はそれを 懸念し始めています 大恐慌ではデフレになりましたが それは貨幣供給の減少 消費者マインドの低下など まったく異なる現象です こちらは 生産性向上で 起きていることです しかし経済学者は言います 「ずっとそれに付いていける方法はない 50%のデフレでは 人は30、40% 量を増やすかもしれないが それでも付いていくことはできない」 しかし我々が実際に 目にしているのは 付いていく以上のことです 過去50年に渡り 情報技術は 28%の複利成長率を 保ってきました 10年前に1万ドルで iPodを作りはしません 新しいアプリケーションは 価格効率がそれを実現可能にするとき マーケットに現れるのです これは広く見られる現象です 磁気記憶装置の場合 ムーアの法則ではなく 記録密度の高度化で 異なる技術者 異なる企業によるものながら 同じ指数的プロセスになります

重要な革命は 人間が自身の 体の仕組みを 情報の言葉で 理解できるようになったことです 我々の体を動かしている ソフトウェアを 理解できるようになったのです 随分違った時代に 進化したものなので 私たちはそのプログラムを 変えたいと思っています ファット・インスリン・ レセプター遺伝子という 小さなソフトウェアが するのは 基本的に 「次の猟期の不猟に備え 出来る限り カロリーを保持せよ」と言うことです これは何万年も昔には 有用でしたが 我々は このプログラムを オフにしたいと思っています マウスでの動物実験では 大量に食べてもスリムなままで スリムであることの 健康上の利点も持っています 糖尿病になりません 心臓病になりません 20%長生きします カロリー制限なしで カロリー制限の利点を 手にしています 4社か5社の製薬会社が このことに気付き 市場的に有望な薬だと 見ています 我々の体の生化学に 影響する 3万の遺伝子のうちの たった1つの例です

人類が進化した時代には このカンファレンスの参加者のような 年代の人が 長生きするのは 種の利益になりませんでした 限られたリソースは 子どもや 子どもの世話を する人たちに 割り当てた方が 良いからです だから30よりも 長生きするというようなことは 自然選択されなかったのですが バイオテクノロジー革命によって 我々はそのソフトウェアを操作し 変更する方法を学んだのです たとえば遺伝子の発現抑止を RNA干渉によって行えます 染色体のしかるべき場所に 遺伝物質を置くという 課題を解決する 新しく期待される 遺伝子治療法があります 人体への最初の適用も 行われようとしています 致命的な肺高血圧症の 遺伝子治療です 単なる デザイナー・ベビーでなく デザイナー・ベビーブーマーが 現れることになるでしょう このテクノロジーもまた加速しており DNA解読のコストは 1990年には1つの塩基対 当たり10ドルだったのが 2000年には1セントになり 今では0.1セント以下です 遺伝子情報の量は 基本的になめらかな 指数曲線で成長していて 毎年2倍に増え ヒトゲノム計画の 完遂を可能にしました

別の大きな革命として 通信技術の革命があります 性能価格比 通信速度 様々な尺度による通信能力 有線 無線ともに 指数的に増大しています インターネットは 様々な指標で 1年で2倍という 成長を続けています これはホスト数で見たものです

縮小化技術の進展も 有線無線を問わず 指数的です これはエリック・ドレクスラーの 本にあるデザインですが スーパーコンピュータ・ シミュレーションによって 実現性が示されています 実際に分子スケールの ロボットを 作っている 科学者たちがいます 驚くほど人間に似た 歩みをする 分子から作られた ロボットがあります 様々なことをする小さなマシンが 実験的に作られています もっとも興味深い応用は 人体の中に入って 治療や診断を行う ということでしょう 見た目ほど未来的な 話でもありません すでに動物実験が 行われています

1型糖尿病治療をする ナノテク装置があります 血球の大きさで それを 何万個も体内に入れます 彼らはネズミを使いましたが 制御しながらインスリンを出し 実際に1型糖尿病を治しました 今見て頂いているのは ロボット赤血球です 人間は生物学的に 非常に良くできているにしても 最適ではありません 基本的な仕組みを理解したなら— 生物学のリバースエンジニアリングも 加速しており このようなものを 何千倍も 高性能に作れるようになります ロブ・フレータスがデザインした 「レスピロサイト」です 赤血球の10%を このロボットで置き換えれば オリンピック・スプリントを 休みなしで 15分続けられるようになります プールの底に4時間 座り続けることもできます 「ねぇ プールの中にいるからね」というのが まったく新しい意味合いを持つようになります オリンピック選考がどうなるのか 興味深いところです おそらくそういったものは 禁止されるでしょうが そうするとオリンピック選手を越える 高校生がザラに出てくることでしょう フレータスはロボット白血球も デザインしています 2020年頃と想定されていますが これは見た目ほど未来的 というわけでもありません 血球サイズのデバイスに関する大きな カンファレンスは既に4つあります 動物では多くの実験が 既に行われ 人体への臨床試験も 1件 予定されています 実用化可能な 技術なのです

計算能力の指数的発展に 話を戻しましょう 千ドル分の計算能力は現在 昆虫の脳とマウスの脳の間です 2020年代には能力の点で 人間の知力を越えます あくまでハードウェア的に ということですが ソフトウェアはどうやって 手に入れるのでしょう? 人間の脳の中身を見られる ことが分かりました 驚くことでもないでしょうが 脳スキャンの時間的・空間的解像度も 毎年2倍になっています 新世代のスキャン装置では 個々の神経繊維間の 処理や信号を リアルタイムで 見られるようになっています そこで疑問は データが得られたとして 我々にそれを理解できるのか ということです ダグラス・ホフスタッターが 言っています 「人間の知性は 知性を理解できるほど 優れたものでないかもしれない 人間がそれより優れているなら その脳はさらに複雑であり 追いつくことができない かもしれない」 しかしそれは理解できる ということが分かりました

このブロックダイアグラムは 人間の聴覚皮質のモデル・ シミュレーションですが 非常にうまく機能し 音響心理学の実験では 人間の聴覚にごく近い 結果が得られます これは別の小脳の シミュレーションです 脳のニューロンの半数以上は 小脳にあります これもまた人間のスキル形成に よく似た働きをします まだ初期段階ですが 脳についての情報量の 指数的増加や 脳スキャン解像度の 指数的向上によって 2020年代には 人間の脳の リバースエンジニアリングが できるようになるでしょう 脳に数百あるうちの 15の領域について 既にかなり良いモデルと シミュレーションができています

これらすべてが 経済の指数的成長を 推し進めることになります 過去50年で時間当たりの 労働生産性は 30ドルから150ドルに 上がりました E-コマースは指数的に成長し 今や兆ドル規模です 浮き沈みがあるだろうと 思うかもしれませんが それは金融市場に限った現象です ウォールストリートはこれが革命的技術だと 気付き 実際そうだったのですが 6ヶ月たってもビジネスモデルの 革命が起きていないので あれは間違いだったんだと 判断したのです それで今の状況があります

これは私たちが関わっている 技術をまとめ上げた ものですが やがて携帯電話では 当たり前の機能になるでしょう 1つの言語から 別の言語へ 翻訳できます

2つシナリオを紹介して 終わりにします 2010年までに コンピュータは姿を消すでしょう 小さくなり 洋服や環境の中に 埋め込まれるようになります 画像は網膜に 直接描き込まれ 完全没入型の 仮想現実や 拡張現実が提供され 仮想的な人格を通して やりとりするようになります

2029年になると このトレンドが円熟を迎え 幾世代にも渡る技術の進歩を ありがたく思うことでしょう 高速化が進んで 性能価格比 能力 通信速度は 2の25乗倍 驚異的なものになります 今日の百万倍も強力になります 人の脳のリバース エンジニアリングが完了し 千ドルのコンピュータが 基本的な能力という点で 人の脳をはるかに 凌駕するようになります コンピュータは 人間のパターン認識能力と 既に優れている分析力や 何十億という事実を 正確に記憶する能力を 組み合わせるようになります マシンは知識を 速やかに共有できます これは知的マシンによる侵略 のような話ではありません 我々自身テクノロジーと 融合するようになるでしょう

ナノ・ボットは最初 医療分野で使われる ようになるでしょう 次いで環境の清浄化 強力な燃料電池 広く分散配備されたソーラー パネルといった環境への利用 さらには人間の脳の中にも 取り入れられ 神経と交信します それを可能する基本的な方式は 既に実現されています たとえば 神経系に組み込む 完全没入型 仮想現実では ナノ・ボットが感覚器官からくる シグナルを遮断し 仮想環境にいたら 受け取るであろう シグナルを代わりに 送ります すると仮想環境の中にいる ように感じられます 他の人たちと一緒に そこへ行くこともでき すべての感覚を伴う あらゆる体験ができます 「体験プロジェクタ」と私は呼んでいますが 感情をともなう 神経内の感覚的体験全体をインターネットに アップできるようになります それに接続して 他人になるのが どういうものか体験できます しかし最も重要なのは テクノロジーとの融合によって 人間の知性が格段に 拡張されるだろうことです これはある部分では すでに行われています 私たちは日常的に テクノロジー無しでは 為しえなかった知的偉業を 成し遂げています 人間の寿命ものびています 1800年には37歳でした バイオテクノロジーや ナノテクノロジーの革命により 寿命もまた 今後 急速にのびるでしょう

私のメッセージは テクノロジーの進歩は 一定速度ではなく 指数的だということです 科学者を含め 多くの人が 一定速度のモデルを前提として 「自己複製ナノテクマシンや 人工知能ができるのは 何百年も先だ」と考えます 指数的成長の力を考えるなら そういったものは ずっと早く 手に入ることが分かります 情報技術はますます 音楽 製造から生物学 エネルギー 物質に至るまで 我々の生活全体を 取り込んでいます

2020年代には 情報と安価な原料と ナノテクを使って 必要なほとんどあらゆるものを 作れるようになっているでしょう 非常に強力な技術です 可能性も危険も 大きくなります 適切な問題に適用する意志を 持つ必要があります

ありがとうございました

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