エドワード・スノーデン
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(クリス・アンダーソン) 市民の権利 — インターネットの未来 このTEDのステージに 一連の暴露報道の背後にいる人物を 迎えましょう エドワード・スノーデンです

(拍手)

彼はここから遠く離れた ロシアのとある場所にいて ノートPCで このロボットを 操作しています 彼はこのロボットの目を通して 見ています エドワード TEDへようこそ 実際のところ そちらからは何が見えていますか?

(エドワード・スノーデン) みんなが見えますよ すごいもんだ (笑)

(クリス) いくつか聞きたいことがあります あなたは この何ヶ月か — いろんな呼び方を されてきました 内部告発者 裏切り者 ヒーロー ご自身では 自分を どう言い表しますか?

(エドワード) この議論に 加わる人はみんな 私自身のことや 私の人格 私をどう位置づけるかといったことで 頭を悩ませているみたいですが そんなことで 悩むべきでは ありません 私が何者かは 問題ではないのです 私が世界で最悪の人間 だというなら 単に嫌ってもらえばいい 本当に重要なのは 私が提起した問題の方です 今 本当に重要なのは 私達がどんな政府 — どんなインターネット — どんな形の 人と社会の関係を 求めるのかということです それが私の望んでいる 議論の方向で 時とともに そういう議論が 増えてきています 自分を説明するとしたら 私は「ヒーロー」とか 「愛国者」とか「裏切り者」 といった言葉は使いません 私はみんなと同じ 1人のアメリカ人であり 市民です

(クリス) 話の全容を ご存じない方のために 説明しますが — (拍手) 1年前の今頃 あなたはハワイで NSAの仕事をしていました システム管理者として システムにアクセスできたあなたは 選りすぐった ジャーナリスト何人かに ある種の極秘文書を 提供し始め それが — 6月の暴露報道へと つながりました そうしようと思った 動機は何だったんですか? (エドワード) そうですね ハワイで働いていた時や それ以前に何年か 情報機関で働いていた時に 心乱されるようなものを いろいろ目にしました 情報機関では 必要なこと — みんなのためになるような 良い事もたくさんしています しかし行き過ぎた ところもあって すべきでないことが行われ 重要な決定が秘密裏に なされています 人々の知らないところで 社会の同意を得ることもなく 行われ 我々の代表である 議員ですら そういったプログラムについて 知らされていないのです 私がこの問題に 深く悩むようになって 考えたのは リスクを最小限に留めながら 公益を最大にできる 最も責任ある行動を取るには どうすればよいか ということでした いろいろな方法を 考えました 議会で公表しようかとも 考えましたが 私のような一個人 情報機関で働く 契約スタッフに対する 法的な保護というのは 存在せず 情報と一緒に葬り去られ 誰にも知られずに終わるという 懸念がありました しかし我々には 報道の自由を保障する 憲法修正第1条があります これは政府への批判報道や 異議を唱えることを 可能にするためですが 同時に 政府と手を携え 国の安全を脅かすことなく 重要な問題を 公に知らせる方法について 対話や議論をすることも 可能にしています だからジャーナリストと協力して すべての情報を アメリカ国民に 返してしまう方が どう公開するか 自分で決めるよりも 良いと判断したのです 政府で時間を費やして しっかりした議論を してきたことが すべての人の 役に立っていると思います また恐れられていたリスク — 政府が誇張してきたリスクが 現実のものになることも ありませんでした 具体的な害が 生じたという証拠は 1つもありません ですから私は 自分のした決断に 満足しています

(クリス) ではあなたが 暴露した情報を いくつか皆さんに お見せしたいと思います スライドを出してもらえますか? そちらから見えるか 分かりませんが スライドが出ています PRISMプログラムの スライドです ここから何が 明らかになったのか あなたから説明して いただけますか?

(エドワード) いろいろ混乱が あるようなので PRISMを 理解してもらうため まず PRISMが何でないかを 語るのが良いと思います アメリカでしきりに議論されたのは メタデータについてでした あれはメタデータに過ぎないという 説明が繰り返され 愛国者法215条が 法的根拠とされました この法律で可能になるのは 令状なしの通信傍受や 全国規模での通話記録の監視 といったことです 誰が誰と通話したか いつ通話したかといった 通話記録や 誰がどこへ行ったか そういったものが メタデータです しかしPRISMは 内容に関するものです このプログラムを通じて 政府はアメリカ企業に対し NSAに代わって 汚い仕事をするよう 無理強いすることができます 企業の中には Yahoo のように 抵抗したところもありますが 裁判では ことごとく負けています 公開裁判では なかったからです 審理はすべて 秘密法廷でなされました PRISMについて私が とても懸念を 感じるところですが 政府によると 15人の連邦判事が それらのプログラムを審査して 合法だと判断したそうです しかしここで彼らが 語っていないのは それが非公開法廷において 非公開の判事によって 非公開の法律解釈に基づいて 行われているということです 過去33年間に3万4千件の 令状申請がありましたが 却下された政府による申請は 33年間で たった11件しかないんです 自由でオープンな インターネットにおける アメリカ企業の役割について そんな人たちに決めて欲しいとは 思わないでしょう (クリス) 今出ているスライドには どのインターネット企業が いつこのプログラムに参加し データ収集が始まったのかという 日付が書かれています 企業側はみんなNSAとの 協力を否定していますが NSAはどのようにして データを集めていたのでしょう? (エドワード) NSAのスライドには 「直接アクセス」と書かれています 私のようなNSAの分析官 — ハワイから 中国のハッカーなどを標的に 情報分析する人間にとって 「直接アクセス」が意味しているのは データを相手のサーバーから 直接取るということです これは別に 企業の代表者が 煙草の煙が立ち込めた部屋で NSAとよろしくやって データをどう引き渡すか 密談しているという ことではありません それぞれの企業は 異なる対応をしていて 責任の重い企業もあれば 幾分軽い企業もありますが 肝心なのは 情報がどんな経路で 渡ったかということで言うと いずれも企業から直接 来ているということです ネットワークから 傍受されたのではありません ただ 念頭におくべきなのは — 企業が抵抗を試み 政府に対して要求し ちゃんと裁判所を通そう — なんらかの法的な チェックがなされ しかるべき根拠に基づいて ユーザーデータの引き渡しが 行われるようにしよう と言っても無駄だということです 去年のワシントンポスト紙の 報道にあるように — これは PRISMの件ほど 大きく取り上げられていませんが NSAは なんと — GoogleやYahooの データセンター間の通信に 入り込んでいたんです 企業がたとえ 強制され 法に従う形で NSAに協力したところで NSAがそれで満足することは ありません ですから企業は ユーザーの利益を代表し ユーザーの権利を代弁すべく できる限りの努力を する必要があると思います この1年で PRISMのスライドに 出ていた企業が その点で大きく 前進しました その努力を続けてほしい と思います

(クリス) 企業が他にすべきことは 何でしょう?

(エドワード) アメリカの インターネット企業が今 世界のユーザーの権利を守るために 弁護士への相談なしにできる 最も効果的なことは SSLを有効にして すべてのウェブアクセスを 暗号化することです これがなぜ重要かというと あなたがAmazonのウェブサイトで 『1984年』を検索したとすると その記録はNSAだけでなく ロシアの諜報機関であれ 中国の機関であれ フランスの機関であれ ドイツの機関であれ アンドラの機関であれ 見ることが可能だからです 暗号化されていないので みんな見ることができます Amazonは世界の図書館ですが ページは通常 暗号化されてないだけでなく 本を探す時に 暗号化するという選択肢が そもそも存在しないのです これはAmazonに限らず 変えるべきことです Amazonの名を挙げたのは 格好の例だからに過ぎません すべての企業は ユーザーが ウェブを見る時に 何も選択しなかった場合の 既定の動作として 暗号化を有効にすべきです そうすれば世界中の人々の プライバシーと権利が より強く守られるようになります

(クリス) エドワード こちらに来てもらえますか 次のスライドを見てみましょう (拍手) これは「バウンドレス・インフォーマント」 というプログラムですが 説明してもらえますか?

(エドワード) これに関しては NSAは — うまく名前を付けたものだと思います 「際限なき情報提供者」 という意味です バウンドレス・インフォーマントは NSAが議会に 隠していたプログラムです NSAは以前 議会の聴聞会で 質問を受けました アメリカ人による通信で 傍受しているものが どれくらいあるのか 大まかな数字を出せるか と聞かれたんですが NSAは「不可能」だと答えました そんな数値は記録していないし することもできない — 世界中で傍受している 通信の数を 調べようとすると プライバシーを 侵害しかねないため 答えられないと 回答したんです そう思ってくれるのは ありがたいんですが 実際には このスライドを見ると NSAは その能力を すでに持っているだけでなく 実施もしているのが分かります NSAには 通信の 受信側 発信側 どちらも追跡できる 内部データ形式があり アメリカから 発せられた通信を見て アメリカから 発せられた通信を見て 現在どれだけの通信を 押さえているか 議会に対して即座に 答えられるのです バウンドレス・インフォーマントを 見ると分かることですが アメリカ国内で傍受されている — アメリカ人による通信の数は ロシア国内で傍受される ロシア人の通信より多いのです それが諜報機関の 目指すべきことなのか はなはだ疑問を感じます

(クリス) あなたのデータを元にした ワシントンポスト紙の記事で 「NSAのプラバシー規則違反は 年に数千件」 「NSAのプラバシー規則違反は 年に数千件」 というのがあります これについて聞かせてください

(エドワード) 去年NSAの 議会証言がありましたが 私のようにNSAにいて 内部資料を見ており 何が書かれているか 知っている者からすると 驚くべき内容でした NSA局員が宣誓した上で 逸脱した使用や内規違反など なかったと証言したんですから — この記事が出るのが分かっていたので 呆れました これに関して殊に興味深いのは NSAは年に 何千回も自らの規則を 破っていただけでなく その2,776 件の違反の中には 1度に3千人以上が 影響を受けたものさえ あったということです 別のケースでは ワシントンDCの全通話が 誤って傍受される ということもありました さほど注目されていませんが この資料で驚くのは 2,776件もの乱用があっただけでなく 上院情報特別委員会の 委員長ダイアン・ファインスタインは ワシントンポスト紙から コメントを求められるまで この資料の存在について 知らなかったということです それで彼女はNSAに 資料を要求して 受け取ったわけですが それ以前には見たことも なかったのです これはアメリカにおける 諜報機関の 監督状況を物語っています 上院情報特別委員会の委員長が 年に何千回も規則が 破られていることを 全く知らなかったのですから

(クリス) この議論に対しては こんな反応があります 「どうして そんな監視を 気にする必要があるのか? 悪いことをしていなければ 何も心配することはない」 というものです このような見方のどこが 問題なのでしょう?

(エドワード) 第一に 権利を放棄している ということです 「その権利が 必要になることは ないだろうし 信用してるから 別にいらないよ 連中は正しいことを やるだろうから 別に問題ない」というわけです 権利が大切なのは いつ必要になるか 分からないからです さらに この権利は アメリカだけでなく 西欧社会や 世界の民主主義社会における 文化的アイデンティティの 一部をなすものです 我々は家族に電話を 掛けることが できるべきであり 好きな人にメールを 送れるべきであり ネットで本を 買えるべきであり 電車で旅行できるべきであり 航空チケットを 買えるべきなのです しかも そういった行動が 何年も経ってから どこかの国の機関の目に留まって どう思われるだろうかとか 自分の行動が誤解され 意図を詮索されやしないかと 心配しなくていい というのが重要です 我々にはプライバシーの 権利があるのです しかるべき理由や 個々の容疑に基づいた令状を 求めるべきです 誰であれ どこの政府であれ 人々の通信すべてを 人目の届かないところで 監督も付けずに ゆだねてしまうというのは あまりに危険であり 見過ごせません

(クリス) あなたのしたことに 怒っている人たちもいます 最近ディック・チェイニーが 言っていたんですが ジュリアン・アサンジは 蚤に食われた程度だが エドワード・スノーデンは 犬の頭を食いちぎるライオンだと チェイニーはあなたが アメリカ史上最悪の裏切り行為を 働いたと考えています そういう人たちには どう答えますか?

(エドワード) ディック・チェイニーは 大げさですよね (笑) (拍手) いつもながら (笑) ジュリアン・アサンジが 最大級の暴露をしたときに ディック・チェイニーは アサンジのせいで 世界中の政府が崩壊し 空は燃え上がり 海は沸き返る — と言っていたのに 今や蚤に食われた程度だと 言うんですから この手の 政府関係者が語る — 「国家の安全に関わる」という 誇張された話は 疑ってかかる必要があります 百歩譲って 彼らが本気で そう信じているのだとしても 彼らは国家の安全について 狭い見方をしています ディック・チェイニーのような 特権を持つ人たちによって 国が安全になりはしません 公益と国益は 必ずしも一致しないのです 別に脅威のない場所へ 敵でもない人々と 戦争をしに行っても 我々が安全になるわけでは ありません それはイラクであれ インターネットであれ 同じことです インターネットは 敵ではありません 経済は敵ではありません アメリカ企業 中国企業 その他の企業は みな我々の 社会の一部なのです 繋がり合った 世界の一部です みんなを繋ぎ合わせている 友好の絆があります 我々が守るだろうと 世界中の人々が期待している — 道徳規範やセキュリティや 行動様式を破ることで 我々自身が その絆を壊すとしたら いったいどうなるでしょう?

(クリス) あなたは170万件の文書を “盗んだ”とされていますが これまでジャーナリストの 手に渡ったのは 数百件に過ぎないようです まだまだ暴露は続く ということでしょうか?

(エドワード) 間違いなく続くでしょう 最も重要なもののいくつかが 今後 公開されるのは 確かです

(クリス) こっちへ来てもらえますか この件について 伺いたいので 見てください この場には技術畑の人も たくさんいますが このニュースは そういう人の多くにとって ここ数ヶ月で耳にした 最も衝撃的な話でしょう 「ブルラン」という プログラムのことです 説明していただけますか?

(エドワード) ブルランもまた NSAの率直な命名に 感心させられますが 南北戦争における戦闘から 名前が取られています 同様に「エッジヒル」は 英国の 内戦から名が取られています こういった名前を付けた理由は 自らのインフラをターゲットとする ものだからでしょう このプログラムを通じて NSAは 協力している企業を 意図的に欺いていました これは安全な標準です — これは安全な標準です — おたくのシステムが 安全になるよう お手伝いをしましょうと 言いながら 実際には企業に まずいアドバイスを与え サービスの安全性を 低下させていたのです NSAは自分達が使うための バックドアを仕込みましたが 時間と資金を使って 見つけ出せる者であれば 誰でもそれを利用して 通信に割って入る ことができます これは非常に危険なことで たった1つのセキュリティ標準 — 例えばブルランが 特に標的にしていた SSLのような標準の信頼性が 失われるだけで 我々の住む世界全体の 安全性が下がるのです 銀行に アクセスするにも オンラインショップを 使うにも 通信を監視し 妨害する人々の 心配をしなければ ならなくなります

(クリス) バックドアを 仕込むという決断は同時に アメリカを外からの サイバー攻撃に さらすことになり得る ということですか?

(エドワード) その通りです 9・11以降 — 我々が目にしてきた 危険な遺産とも言える 問題があります NSAは伝統的に2つの役割を 担ってきました 攻撃的な活動 ハッキングの役割を 担う一方で 防御的な役割も担っていて 伝統的に攻撃より防御に 重きが置かれていました アメリカの秘密は 他国の秘密よりも価値が高い という認識からです アメリカが中国企業を ハッキングして 機密情報を盗む あるいは ベルリンの政府機関を ハッキングして 機密情報を盗むよりも 中国がアメリカの秘密を 盗めないようにすることの方が アメリカにとって 大事なことなんです 通信の安全性を 下げることで NSAは世界を 危険にさらすだけでなく アメリカの根幹を 危機にさらしています なぜならアメリカ経済にとって 知的財産は 基盤をなすものだからです 安全性を損なって それを危険にさらすなら 後で高いツケを 払うことになるでしょう

(クリス) しかしそれは テロ対策の一環として そうする価値があると 計算してのことでしょう それだけの対価を 払う価値があると

(エドワード) これらのプログラムが 実際 テロの阻止に 役立ったか検討すれば いかに根拠を欠いているかが 分かるでしょう 私の言葉を 信じる必要はありません この件を審理する 初めての公開法廷が 連邦裁判所で開かれましたが これらのプログラムは オーウェル的で 憲法違反の疑いが強いと 判断しています これらのことについて 報告を受ける立場にあり また その必要を感じた議会は 改正のための 法案を作っています 機密扱いの証拠を審査した 政府の2つの独立委員会が これらのプログラムは アメリカに差し迫った テロ攻撃を 1つとして阻止していないと 結論づけています これは本当に テロ阻止のためなのでしょうか? そもそも これらのプログラムに 価値はあるのか? 私は価値がないと思っていますし アメリカの司法 立法 行政も そう考えています

(クリス) これには テロとの戦いよりも 深い動機がある ということでしょうか?

(エドワード) ごめんなさい 聞こえなかった

(クリス) これには テロとの戦いよりも 深い動機があると お考えでしょうか?

(エドワード) ええ 我々 情報機関の人間に言わせると テロというのは いつも 口実として 使われてきたんです 人々はテロに対しては 感情的に反応して 普通なら認めない程の 強権やプログラムも 認めようという 気になるのです ブルランやエッジヒルのような 強力な力を NSAは1990年代にも 手に入れようと したことがあって 議会で要求するよう FBIに求めました FBIは議会に行って 要求しましたが 議会や国民は拒否しました 経済をリスクにさらす程の 価値はない — 得られるものに対し 社会的損失が 大きすぎるためです しかし9・11以降 テロ対策を口実に これらのプログラムを 秘密裏に 議会や国民の 了承を得ることなく やり始めたのです 陰で企みごとを しているような政府こそ 我々が身を守らねば ならない相手なのです 我々の安全を損なうだけで 価値あるものは 提供しないのですから

(クリス) ちょっと近くに 来てもらえますか 個人的な質問をしたいので あなたはロシアに 亡命中の身ですが その状況に 恐怖を感じる人も 多いことでしょう ウィキリークスに米軍機密を漏らした ブラッドリー・マニングが 今どのような扱いを 受けているかは ご存じですね BuzzFeedの記事によると 情報機関には あなたに 死んで欲しいと思っている 人間もいるようです それをどう思いますか? どう恐怖に対処して いるのでしょう?

(エドワード) 私の死を 望む政府があっても 何も不思議はありません 繰り返し言ってきたことですが 毎朝 床に就く時に 私が考えるのは アメリカ国民のために 自分には何ができるかということです 政府を傷つけようという 気はありません 政府を助けたいと 思っているのです しかし政府が 正しい手続きを一切無視し 裁判なしに 有罪宣告をしようとしている以上 私たちは社会一丸となって対抗し 「こんなの正しくない」と 言わなければなりません 反対派を脅すべきではないし ジャーナリズムを 犯罪扱いすべきでもありません そのようなことを 終わらせられるのであれば 私は喜んで危険を冒します

(クリス) ここで 会場の皆さんの意見を 聞きたいと思います エドワード・スノーデンに対する 評価は 人によって大きく異なるからです 2つの意見があります 彼の行動は まったく無責任なもので アメリカを危険に さらしているという見方と 彼の行動は勇敢で 長い目で見ればアメリカや 世界全体のためになることだ という見方です この2つのうち どちらかを選んでください 最初の方 無責任な行動だと思う人は どれくらい いるでしょうか? 何人か手が 挙がっていますね 当人を前に 手を挙げるのは 難しいかと思いますが 何人かいます

(エドワード) ちゃんと見えてますよ (笑)

(クリス) 2番目の方 勇敢な行動だと思う人は? (拍手) (歓声) 手を挙げなかった人も たくさんいますが まだ決めかねているのでしょう あなたを巡る議論は 従来の政策論議みたいに きれいに二分できるものでは ないからです 右派か左派かということでも 政府支持か自由主義か という話でもありません これは ある部分では 世代の問題なのかもしれません あなたはインターネットとともに 育ってきた世代ですね そういう世代の人は インターネットを 損なうものに対しては ほとんど本能的な 怒りを感じるように 見受けられますが?

(エドワード) まったくその通りです これは右か左かという 問題ではありません 我々が持つ 基本的な自由の問題です 「我々」というのは アメリカに限らず 世界中の人ということです これは党派的な問題では ありません この自由は誰もが 信じるものであり それを守るのは我々 ― 自由でオープンな インターネットを 享受している みんなの責任です この自由を次の世代も 享受できるようにするのは 我々の責任です 私たちが手をこまねいて 立ち上がらず インターネットの 安全を守るために 必要なことをしないなら 自分たちだけでなく すべての人が 自由を失うことになり それは私たちだけでなく 世界にとってとんでもない 損失となるでしょう

(クリス) あなたと似た主張を 最近WWWの創始者の 口から聞きました 会場にいらっしゃると思いますが ティム・バーナーズ=リーです ステージに上がって 意見を聞かせていただけませんか? ティムのマイクはある? (拍手) ティム ようこそ ちなみにあなたは どちらの意見ですか? 裏切り者かヒーローか? 私には予想がついてますが

(ティム) その質問については 詳細な回答をしていますが どちらか1つと言うことなら ヒーローですね

(クリス) エドワード ティムの提案した インターネットを取り戻すための 大憲章については 読んでいると思いますが 有効だと思いますか?

(エドワード) もちろんです 私の世代はインターネットのことを 考えながら 育ってきただけでなく インターネットの中で 育ったのです このように直接的に それを守る立場になって それを体現する シンボルになろうとは 思ってもいませんでしたが 思ってもいませんでしたが 詩的にすら感じられるのは インターネットの子供の1人が 政治的意見の表明によって 本当にインターネットと 近しき者になったということです インターネットの大憲章こそ まさに我々が 必要としているものだと思います 我々は自らの価値観を 文書の中だけでなく インターネットの仕組の中に 刻み込む必要があります それこそ私が望むことであり この バンクーバーの TED会場にいる人だけでなく 世界中の人に 加わってほしいと願っています

(クリス) 彼に何か 質問はありますか?

(ティム) 2つあります 一般的なものと—

(クリス) エドワード 聞こえていますか?

(エドワード) ええ 聞こえています (クリス) ああ 映像が戻りましたね

(ティム) 盗聴者が何か 悪さしてるのかもしれないね (笑)

(エドワード) NSAの介入ですね!

(ティム) ウェブの25年の 歴史を振り返って 我々の望む インターネットについての 議論から 我々が得ることのできる — 最良のものは 何だと思いますか?

(エドワード) 我々が どこまで やれるかということになると それを制限するものはただ 我々が何をかけられるか ということだと思います これまで我々が享受してきた インターネットは アメリカだけでなく 世界中の人々が 必要とするものです 技術を専門とする人たちだけでなく あなたが仰るように 普通のユーザー すなわち ネットや ソーシャルメディアを通じて 貢献する人々 天気予報をチェックしたり 生活の一部として ネットに頼る人々と協力し みんなを取りこむことで インターネットを 守るのです 我々は今までの インターネットを取り戻すだけでなく より良いインターネット より良い今を手に入れるのです それは望んでいたよりも良い というだけでなく 想像し得た何よりも 素晴らしい未来を築く 基礎となるでしょう

(クリス) TEDが生まれたのは 30年前の1984年です それ以来TEDで為されてきた 議論の多くは オーウェルは間違っていた というものでした ビッグブラザーが 我々を監視するのではなく ウェブの力と透明性を手に 我々がビッグブラザーを 監視するのだ と エドワードの暴露は その楽観的な見方の 心臓を貫く杭でしたが あなたはまだ手はあると 考えているのですよね? そしてティム あなたも

(エドワード) そうです 議論しなければならないのは ビッグブラザーが 大きな力を持ちつつあるという点です 最近イェール大学の 法律関係の記事に載った — バンクストン・ ソルタニの原理によると 政府による監視活動のコストが 1桁下がる時 人々のプライバシーに対する期待は 破られるということです だから その都度 プライバシーの権利を見直し バランスをとる 必要があります ところが政府の持つ 監視能力が 桁違いに強くなっている にもかかわらず そのプライバシーの 見直しが行われていないため 現在の問題があるわけです しかし希望はあります なぜなら個人の力もまた テクノロジーの力で 強くなっているからです 私がその生きた証拠です 一個人が世界で最も力を持った 政府や情報機関を相手に 差しで勝負して 勝つことができるのですから この事実に 私たちは希望を見出し 技術を持つ専門家だけでなく 世界中の普通の市民が その力を手にできるようにする 必要があります ジャーナリズムは 犯罪ではありません コミュニケーションは 犯罪ではありません 我々は日常の行動を 監視されるべきではないのです

(クリス) どう握手したものかと 思いますが

(クリス) ここを手としましょうか (ティム) そのうち握手もできるようになりますよ

(エドワード) 光栄です お二人の素晴らしい笑顔が見えます 私も同じように 見えているといいのですが

(クリス) ティム どうもありがとう

(拍手) 先日ニューヨークタイムズ紙が あなたへの恩赦を求めましたが アメリカに戻れるチャンスがあれば 戻りたいと思いますか?

(エドワード) もちろんです 私の活動の 基礎にあるのは 公共の利益と アメリカや世界の 報道の根底にある 基本原則です もし報道機関が これを支持すると言うなら — そうなる必要がありますが — 議論の力となるでしょう しかしそれは結論ではなく 最終的には 社会が決めることです 一方で政府は 何らかの取引が したいようです アメリカに戻りたければ 協力したジャーナリストを 売れと言うのです はっきりさせておきますが 私は自分の安全のために やったのではなく 正しいことだから やったのです 公共の利益を目指す活動を 個人的な利益のために やめることはありません

(拍手)

(クリス) その日を前に インターネットと テクノロジーのおかげで このような形で 北アメリカに 戻って来られましたね 合衆国でなくカナダですが ちょっと教えてください どんな気分ですか?

(エドワード) カナダは思っていたのと だいぶ違いますね ずっとあったかい (笑)

(クリス) TEDのミッションは 「価値あるアイデアを広める」ことです もし1つのアイデアに まとめるとしたら あなたが今 現在 — 広める価値があると考える アイデアは何ですか?

(エドワード) 去年は民主主義が 閉じた部屋の中で死ぬ可能性に みんなが気づいた年でしたが 一方で 個人としての我々も 閉じた部屋の中で 生まれるものです 良い政府を持つために プライバシーを あきらめる必要はないのです 安全のために 自由をあきらめる — 必要はないのです みんなで取り組むことで オープンな政府と プライバシーのある生活の 両方を手に入れられると 思います それを実現するために 世界中のみんなと 協力していきたいと思います

どうもありがとうございました

(クリス) エドワード ありがとう

(拍手)