ビル・グロス
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今日皆さんにお伝えしたいのは 自分でも驚かされた発見です とりわけ何が事業を成功させるのか 新規事業の成功に 最も影響する要因についてです

新しい企業組織は 世の中を良くするための 理想的な形だと思います 人を集め 適正な株式のインセンティブを与え 新規事業を組織すれば 今まで出来なかった方法で 人類の可能性を開拓できます 信じられない偉業が達成できるのです

では新しい企業組織が そこまで素晴らしいならば なぜその多くが失敗するのか? それが私が知りたかったことです 事業の新規立ち上げにとって 最も重要なのは何かを 見つけたかったのです

私は失敗の理由を 体系的に探したいと思いました 多くの企業を長年観察した経験からの 直感や間違った思い込みを 避けたかったのです

私が起業の重要項目を知りたかった理由は 私は12歳から起業を行ってきたからです 中学校のバス停でキャンディ売りをし 高校ではソーラーエネルギーの装置を作り 大学では拡声器を作りました 大学を卒業したとき 私はソフトウェアの会社を始めました そして20年前にアイデアラボを始め この20年間で100以上の会社を立ち上げ 多くの成功と大きな失敗を経験しました 私たちは失敗から多くを学びました

そのため 私はどのようなファクターが 会社の成功や失敗に最も影響を及ぼすか 見通そうとしました 私は5つのファクターに注目しました 第1に アイディアです 以前はアイディアが全てだと思っていました 私が自分の会社を アイデアラボと命名したのは アイディアが浮かんだ時の 「やったー」という瞬間への信奉からです でも時が経つにつれ 考えるようになったのは チーム、運営、適応性が アイディアよりも重要かもしれない ということです

まさかTEDのステージでマイク・タイソンを 引用することになろうとは でも彼によると 「顔面にパンチを食らうまでは 誰もが計画を持っている」(笑) ビジネスにも全く同じことが 言えると思います チームの実行力は 顧客から顔面パンチを食らうことに対する 適応能力に負うところが大きい 顧客はこの上ない現実ですからね ですから私は一番大切な要素は チームかもしれないと 思うようになったんです

次に私はビジネスモデルに 注目し始めました その会社には顧客から収益を得るための 明快な手段があるか? 成功にとって最も重要なのは 何かということについての 私の思考の中でトップの座を 占め始めました

次は資金調達(財源)です 企業は時として 潤沢な資金を 受けることがあります もしかしたら これが一番大切かも?

最後はもちろんタイミングです 時代を先取りすぎていて 世の中が準備できていないかも? 例えば時代より少し先におり 世の中を教育する必要があるのでは? 最適な時期? あるいは遅すぎて すでに競合企業が多すぎる?

そこでこの5つのファクターを基準に 多数の企業を 丁寧に分析しました 私はアイディアラボの 企業100社全部と それ以外の100社を吟味し 科学的結論を導こうとしました

最初にアイディアラボの企業の トップ5の企業― Citysearch、 CarsDirect、GoTo、 NetZero、Tickets.comーは 全て10億ドル規模の成功を収めています 下位5社― Z.com、Insider Pages、MyLife Desktop Factory、 Peoplelinkー は我々の大きな期待に反して 成功しませんでした

そこで 全ての属性をランク付けするため これらの企業の5つの要素について 採点してみました そしてAirbnb、Instagram、Uber、 Youtube、LinkedInなど アイディアラボ以外の 大成功企業についてもやりました

そして失敗例は Webvan、Kozmo、Pets.com Flooz 及びFriendsterでした 下位グループの企業には 資本が潤沢で ビジネスモデルが あるものもありましたが 失敗に終わっています そこで私は どの要因が これらの企業全ての成功や失敗に 最も大きく影響を及ぼすかを 見極めようとしました そしてその結論には大変驚かされました

最高位にタイミングが来たのです タイミングは成功と失敗の 違いの42%を説明します 2番目はチームと運営でした そしてアイディア アイディアの差別化や アイディアのユニークさは フタを開けると3位でした

これは最終的な結果ではありませんし アイディアが重要でないとは 申し上げません でも アイディアが一番ではないことに 私はとても驚きました 抜群なタイミングは アイディアより重要なのです

下位の2つがビジネスモデルと 資金調達であることは納得できました ビジネスモデルの重要性が低い理由は ビジネスモデルなしで起業して あとで 顧客の要求に応じて 付け加えれば良いからだと思います 同様に資金調達も 初めは資金が不足していても 事業に弾みがつけば ―とくに現代では― 非常に容易に 潤沢な資金を得られるからです

では ここで個々の事例を 説明させてください Airbnbなどは みなさんご存知の 爆発的な成功例です この企業は賢い投資家が 見過ごしたことで有名です なぜなら投資家は 「誰も自宅の空部屋を他人に貸さない」 と考えたからです もちろんあとで 間違いとわかりました でも 成功した理由の1つは ビジネスモデルやアイディアや運営が 優れていたからではなく タイミングです

この企業が創業したのは 不況のどん底の時期で 副収入を必要とした人が 「誰も他人に自宅の空部屋を貸さない」 という壁を乗り越えられたのかも しれません

Uberも同じです Uberの起業は 企業が素晴らしく ビジネスモデルが素晴らしく 経営も素晴らしいですが ドライバーをビジネスに取り込む この上ないタイミングで起業したからです ドライバーが副収入を求めたことが とても重要なのです

初期の成功例 Citysearchの創業は ウェブページの需要が出始めた時期でした 1998年に我々がTEDで紹介した GoTo.com は 当時 企業が低コストで利用できる 交通手段を探していました 最高のアイディアだと思いましたが 実際にはタイミングが もっと重要だったようです 次に失敗例もご紹介します オンラインの娯楽企業 Z.comを起こしたとき 私たちは興奮しました 資金が潤沢で ビジネスモデルも素晴らしく 超有名ハリウッドタレントとも 契約済みでしたが 1999-2000年のブロードバンド普及率は 低すぎました ビデオをオンラインで 視聴することは困難で 自分のブラウザで データの圧縮・解凍が必要でした 結局 Z.comは2003年に倒産しました

ところが わずか2年後 Adobe Flashにより データ圧縮・解凍の問題が解決し 米国でブロードバンドの普及率が 50%を超えたとき YouTubeの機が熟しました 良いアイディアに加え 最高のタイミングでした 実は YouTubeは発足時に ビジネスモデルがありませんでした ものになるかすら 分かりませんでした でも本当に最高のタイミングでした

要するに私の結論は 運営は絶対重要で アイディアも重要ですが タイミングはもっと重要なのです そしてタイミングを見極める 最高の方法は 皆さんが世に出す製品を 顧客が使う準備ができているか 真に見極めること そして どんな結果がでても 否定的にならずに 真摯に受け止めること 自分の好きなものがあれば 世に出したいと思うでしょうから でもタイミングという要素に対して 真摯にならねばなりません

先に申し上げた通り 新規事業により 世の中は変化し より良い場所になれる思います 今日お話しした小さな知恵で みなさんの事業の成功率が 少しでも上昇し 普通では生まれなかった 素晴らしいものが 世の中に出る一助になればと思います

ご静聴ありがとうございました

(拍手)