イブ・ロッシー
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(音楽)

ジェットマン — イブ・ロッシー

グランドキャニオン

テストの多くは ロッシーが翼を付けた 状態で行われる 彼の体を入れてはじめて 機体が完成した形になるからである

風洞テスト

この翼には操縦桿も フラップも方向舵もない ロッシーは自分の体を使って 翼の舵を取る

頭を右左に 傾けて旋回します 手や脚を 使うこともあります 彼自身が いわば 飛行機の胴体なんです すごく独特なものです

高度を上げるときには 背をそらす 下降するときには 肩を前にかがめる

スイスアルプス

ジブラルタル海峡横断

英仏海峡横断

出ました イブ・ロッシーです 翼が開いています 最初の難関が 翼の展開です 下降していきます さあ飛行に移れるか

安定したようです 上昇を始めています

お話の90度旋回ですね 海峡越えに向かいます イブ・ロッシー もう引き返すことはできません 英仏海峡の上を飛行中です さあ皆さん 歴史的飛行の始まりです

地面が近づいて来ました 引き綱を引いて 減速しつつ きれいに着地しよう というところです

着地です イブ・ロッシーが 英国の地に降り立ちました

その彼が来ています イブ・ロッシーです (拍手) 装備一式も 持ってきてもらいました

ようこそおいでくださいました まったく目を見張るばかりです 今の映像は この3年間の 様々な挑戦の記録ですが 他にも まだまだあります もう人間も鳥のように 飛べるわけですね 飛ぶのは どんな感じなんでしょう?

そりゃ楽しいですよ (笑) 私に翼はありませんが 時々鳥になったように 感じることがあります 何か現実離れした感じです 普通はまわりに大きな 飛行機の機体が あるわけですが この小さな翼を 身に着けていると 本当に鳥になった気分がします

どのようにして ジェットマンになったんですか?

20年くらい前に スカイダイビングを始めました 飛行機から飛び出すときは ほとんど何も身に着けていません こんな姿勢を取ります 特にトラッキング姿勢を取ると 飛んでいるように 感じられます 空を飛ぶ夢に 一番近い形だと思います 周りに機械はありません あるのは自分だけです ごく短時間で 進む方向は 1つしかありませんけど それで思ったのは この自由の感覚を保ったまま 方向を変え もっと長く 飛べたらということです

知りたいんですが 最高速度はいくらですか?

旋回する直前で 時速300キロくらい だから時速190マイルほどですね

背負っているのは 結構重いんでしょうか?

燃料が満タンの 飛び出す時点で 55キロくらいの重さを 背負っています

操縦はしていないんですよね? 操縦桿もハンドルもなしに 体だけを使い 翼が体の一部で 体が翼の一部という・・・

それがやりたいことです 操縦桿なんか付けたら ただの飛行機に なってしまいます 私は動きの自由さを 保ちたいんです 子どもが飛行機ごっこするように こんな風に下降し 上昇し 旋回したいんです 素の飛行です 操縦するのではなく 自分が飛ぶんです

このためにどんな訓練を しているんでしょう?

体調を維持するように 心がけていますが 特別なトレーニングは 何もしていません ただ新しいことをして 機敏さを保つようには しています たとえば去年の冬は カイトサーフィンを始めました 新しいことに対しては 適応が必要になります 私はパイロットとして システムのコントロールに関しては 相当経験があります しかしこれの場合は 柔軟さ 軽い身のこなし 素早い適応力が 必要になります

客席からの質問なんですが どうやって息を しているんでしょう? 高速で飛んで 高度3,000メートルまで行くわけですが

3,000メートルというのは 酸素に関しては 問題ありません 速度についても オートバイは 同じくらいの スピードを出せます フルフェイスヘルメットを かぶっていれば 問題なく呼吸できます

装備について 説明していただけますか? エンジンが4つありますね

翼幅2メートルで 非常にしっかりしています 小さなエンジンが4つ それぞれ22kgfの推力がある ケロシン燃料 ジェットエンジンです ハーネスにパラシュート 計器は高度計と 時計だけです 燃料が持つのは8分ほどで 切れる前に 知っておきたいので (笑) これで全部です パラシュートは 2つ付けています 何かのトラブルで 最初のが開かなくとも 2つめのパラシュートで 助かる可能性があります あとこれは命綱です 安全という点で すごく大切なものです この15年間で 20回ほど 使う機会がありました このタイプの翼ではなく 最初の頃の話です きりもみしたり 制御不能になったときに 翼を切り離せるように なっています

2009年のジブラルタル海峡 横断を見ましたけど 制御不能になって 雲の中に突っ込み 海に落ちましたね あの時は翼を 捨てたわけですね?

雲の中で立て直そうとしました すっかり方向を見失い もう一度 上昇しようとして 大丈夫だと思っていたんですが たぶんこんな感じに なっていたんだと思います

想像しただけで すごく危なそうですね

気分は良かったんですが 高度が正しくなくて 次の瞬間目にしたのは 一面の青でした 海です 音声式の高度計が 付いているんですが 高度が最低で こんな角度で 急降下していたので 切り離しました それからパラシュートを開きました

翼自体に 自分用の2つとは別に パラシュートがあるわけですね

そうです 翼にパラシュートが 付いている理由は 2つあります 回収して修理するためと 誰かの頭の上に 落ちないようにするためです

なるほど こちらに戻りましょうか 危険なのは確かですね このようなことをして 亡くなる人もいます でもあなたは無謀な人には見えません 航空会社のパイロットでもあり むしろチェックリストを用意して 基準に則ってやる方でしょう

これに関しては チェックリストは何もありません

会社には言わないでおきましょう

実際2つの世界は 違うんです 民間航空機の技術は 確立されていて 100年の経験の 蓄積があります だからすごく綿密に やることができるのです しかしこれの場合は 新しいことに 適応する必要があり 即興をやることになります 2つのアプローチは 本当に違っています 一方は非常によく分かっていて 原則があります たとえば エアバスにはエンジンが 2つありますが 片方だけでも 飛べるようになっています いつでもプランBがあるんです 戦闘機だと射出座席があります これが私の射出座席です 私はプロのパイロットとしての アプローチを取りながら 母なる自然への 畏敬の念を抱いた パイオニアでもあるのです

素晴らしい言葉ですね エンジンが1つ止まったときは どうするんですか?

回転し始めるので 安定させます 高度にもよりますが 2つか3つのエンジンで 飛び続けます そうできるときには— 説明するのが難しいですが どこにいるかに応じて 2つのエンジンで飛び続け 着地に適した場所を探し パラシュートを開きます

飛ぶ時は最初 飛行機かヘリからダイビングし エンジンを加速して 空中のどこかで 飛び始めるんですよね そして着地は 英仏海峡の映像で見たように パラシュートを使うわけですが そうすると グランドキャニオンを飛んだ時は どこに着地したんでしょう? 崖の上ですか? 下ですか?

底に降りました それからヘリの脚に乗って 戻ってきました 上の方は石ころが多く サボテンだらけでしたから・・・

(それで聞いたんです)

それに気流がすごく妙でした 上昇気流があって 高度差もすごくあります だから底に降りる方が ずっと安全だったんです

聞いているみんなが 思っていることだと思いますが あなたと一緒に飛べる 2人乗りのは いつできるんでしょう?

それにはいつも こう答えています タンデムになって飛ぶ鳥を 見たことありますか?

申し分ない答えですね (拍手) では最後の質問です 次は何でしょう? ジェットマンの次の挑戦は?

まず若い人に 教えたいですね そして一緒に 編隊飛行をしてみたいです それからカタパルトを使って 崖から飛び出す というのも考えています

飛行機から 飛び降りるのではなく?

ええ 最終的には 勢いを付けて 離陸できるようになりたいです 段階的にやっています クレージーに見える かもしれませんが 違います 今でもやろうと思えばできます 危険すぎるというだけです (笑) 技術の進歩によって もっと安全に やれるようになるでしょう そして誰でも飛べるように なることを願っています

ありがとうございました イブ・ロッシーでした

(拍手)