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Translated by Sawa Horibe
Reviewed by Takahiro Shimpo

0:11 皆さんは普段自分が 1日にいくつの選択をしているか知っていますか? 普段自分が1週間にいくつの 選択をするか知っていますか? 最近2千人以上の アメリカ人を対象に 調査を行ったのですが 典型的なアメリカ人が 通常1日に下す決断の数は平均約70でした CEOを対象にした調査も最近行われました CEOたちに1週間密着した調査です 研究者らはCEOが従事した様々な職務を すべて記録し これらに関連した決断に 費やした時間を記録しました そして普通CEOは1週間に大体139個の職務に 従事していることが分かりました 当然それぞれの職務は多くの細かい選択肢で成り立っています CEOの意思決定の50%は 9分以内に行われていました CEOが1時間以上費やしたのは 意思決定のうちの僅か約12%でした 自分自身の選択はどうでしょう? 皆さんは自分の選択のいくつが 9分内のもので いくつが 1時間以上のものか知っていますか? 自分がこれらの選択肢の対処を どれ程うまく行っていると思いますか?

1:22 私が今日話したいのは 現代の選択に関する一番大きな問題である 過剰な選択肢の問題です この問題といくつか役に立ちそうな 解決策について話したいと思います さてこの問題について話しながら 皆さんにいくつか質問しますが 皆さんの回答を知りたいので 私が質問をしたら 私は盲目ですので カロリーを消費したい人だけ手を挙げてください (笑) それ以外の場合 私が質問をして 回答が「はい」の場合 拍手をしてください では今日の最初の質問です: 過剰な選択肢の問題の話を始めていいですか? (拍手) ありがとう

2:07 スタンフォードの大学院生だった頃 あるとても高級な食料品店によく行っていました 少なくとも当時は本当に高級な Draeger'sという店でした さてこの店に行くのはまるで遊園地に行くようでした この店には250種類のマスタードや酢があり 500種類以上の 果物や野菜 さらに 20種類以上のミネラルウォーターがありました これは人々がまだ実際に水道水を飲んでいた頃のことです 私はこの店に行くのが大好きでした でもふと思いました なぜ私は何も買わないんだろう? この店のオリーブオイルのコーナーです 鍵の掛かったケースに入った 樹齢千年のオリーブの木から 採れたオリーブオイルも含め75種類以上ありました

2:51 そこである日 店長に会って尋ねました こんな沢山の選択肢を提供する方法で売れるんですか? すると店長は カメラを持って毎日やって来る 大勢の観光客を指差しました 私たちはちょっとした実験をすることに決めました 実験に選んだのはジャムです これがジャムのコーナーです 348種類のジャムがありました 小さな試食ブースを 店の入り口のすぐ近くに設置しました そこで6種類または24種類の 様々な味のジャムを出し 2つのことを観察しました まずどちらの設定の方が 多くの人々が立ち止まってジャムを試食するかです 24種類ある場合は約60%の人が試食し 6種類の時の40%より 多いと分かりました 次に観察したのは どちらの設定の方が ジャムを購入する傾向が高いかです すると数値は反対となりました 24種類の時に試食した人のうち 実際にジャムを購入したのはたったの3%でした 6種類の時に立ち止まった人々の間では なんと30%が実際に ジャムを購入していました ここで少し計算してみると 人々は6種類見た時の方が24種類見た時より 少なくとも6倍ジャムを購入する 傾向が高いことになります

4:05 ジャムを買わない選択は 少なくともお腹の脂肪を考えると たぶん良いことでしょうが このような過剰な選択肢の問題は 極めて重要な決断にも影響を及ぼすと判明しました 自分にとって不利であっても 選択することを放棄してしまうのです ということで近頃の話題として貯蓄があります グル・ヒューバーマン エミール・カメニカ ウェイ・ジャングと共に 退職貯蓄に関する決断について行った 調査についてお話します 約650個の退職貯蓄制度における 百万人近くのアメリカ人を対象としました すべてアメリカ国内です 私たちが調べたのは 401(k)という 退職貯蓄制度にて 利用できる投資信託の数が 人々の将来の為に貯金する傾向に 影響するかです そして実際に 相関関係があることが分かりました 657個のプランがあったのですが 人々が利用できるファンドの数は 2つのものから59個のものまでありました そして明らかになったのは ファンドの選択肢が多ければ多いほど 実際に加入率が低下するということでした

5:16 ですから両極端を見ると 2つのファンドがあるプランでは 理想よりも下回るとはいえ 加入率は大体75%辺りです 60近くの選択があるプランになると 加入率は 約60%まで低下します また 加入することにしても 多くの選択肢があるときは 良くない結果となることが判明しました 実際に加入することを決めた人々の間でも 利用できる選択肢が多いほど 完全に株式や 株式ファンドを避ける傾向が高くなります 利用できる選択肢が多いほど マネーマーケットアカウントに 全額入れる可能性が高いのです これらの極端な決断は どちらも 将来の金銭的安定を考えると 人に勧めるような決断ではありません

6:09 私たちは過去10年間に渡って 人々により多くの選択肢を提供することで 起こる悪影響を主に3つ見てきました 自分に不利になるにもかかわらず 先延ばしにして選択を遅らせる傾向が高くなること 金銭面や医療面において 良くない選択をする傾向が高くなること 客観的に見て良いのに あまり満足できない選択をする傾向が高くなること これに関する主な理由は マヨネーズ マスタード 酢 ジャムなどの巨大な陳列棚を 眺めるのが楽しくても 実際に比較対照の分析をして その見事なディスプレイから選択をすることができないからです そこで今日皆さんに提案したいのは 4つの簡単なテクニックです どれも私たちが様々な調査研究において 何らかの形でテストしたものです 皆さんの仕事でも 簡単に応用できます

7:02 1つ目:カットすること 耳にしたことがあるでしょうが 「過ぎたるは及ばざるが如し」は かつてないほど真実です 「カットしてください」と言うといつも憤慨されます 棚割りが減ることばかり 心配していますが 実際によく見られる傾向にあるのは 無意味に重複した選択を カットしてなくす覚悟があれば 売上高が増加し コストが低下することです 選択の体験が向上するのです P&Gがh&sヘアケア製品を 26種類から15種類に減らしたとき 売上高が10%増加しました 死に筋の猫トイレ製品10種類を Golden Cat社が取り除いたとき 利益が 87%増加しました 売上高の増加とコストの低下の 両方の効果です 今日の典型的食料品店は 45,000種の製品を販売しています Walmartだと販売品目数は100,000です でも9番目に大きな小売業者 世界で9番目に大きな 小売業者であるAldiですが Aldiの販売品目数はたったの1,400です トマトソースの缶詰は1種です

8:11 さて金融貯蓄の世界はと言うと 最善の選択肢の管理法について最近出た 最も良い例の一つだと思うのは デビッド・レイブソンがデザインに大きく関与した ハーバード大学のプログラムです 今ではハーバード大学の職員は全員 ライフサイクル・ファンドに 自動加入するしくみになっています 実際にファンドを選択したい人には 膨大な数ではなく 20個の選択肢が提示されます 「どうカットすればいいか分からない どれも重要な選択肢だ」と 人々はよく言いますが 私が最初にするのは社員に尋ねることです 「これらの選択肢はどう違うの?」 自分の社員が区別できないものを 消費者が区別できるはずがありません

8:52 さて今日の午後このセッションを始める前に 私はゲイリーと話したのですが 会場の皆さんに 全経費込みの 世界一美しい道への旅行に 無料でご招待してもいいと言ってくれました これがその道の説明です 皆さん読んでください 少し待ちますので読んでみて ゲイリーの申し出を受けたい場合 拍手をしてください (少々の拍手) では彼の申し出を受けたい人はいますか? これだけ? 分かりました もう少し詳細をお見せしましょう​​ (笑) ひっかけだと分かっていたんでしょう? (クラクション) これを見てこの旅行に行きたい人は? (拍手) (笑) 逆に拍手が増えたのかしら?

9:52 はい ありがとう さて実際には 客観的に見て前者の方が後者より 多くの情報を提供していました でもあえて言いますが 後者の方が現実味があるように感じたのではないかと思います 写真がリアル感を 出したからです つまりこれが過剰な選択肢の問題に 対応する2つ目の方法で 具体化することです 人々が選択肢の違いを 理解するためには それぞれの選択肢に伴う 影響が理解できなくてはなりません さらにこの影響を実感として 具体的に感じる必要があります なぜキャッシュカードやクレジットカードを使うと 人々は平均15~30%多くお金を 使ってしまうのでしょう? 本物のお金に思えないからです より具体的な体験というのは 実際に人々に貯蓄をさせるうえで 非常に良いツールであることが 判明しました

10:49 私がシュロモ・ベナルチと アレッサンドロ・プレヴィテロと 一緒に行った研究では INGで働く社員を対象としました ちょうど社員たちは 401(k)プランの加入登録中でした その加入登録のセッションは それまでと全く同じ形式でしたが 1つの小さな変更を加えました 私たちが追加した1つの小さな変更は 自分がもっと貯金したら 生活面でどのような良いことが起きるか 考えて下さいと求めることでした たったこれだけで 加入が20%増加し 人々が貯金したり 預金口座に入れてもいいと考える金額が 4%増加しました

11:36 3つ目の方法は分類です 選択肢が増えるよりカテゴリが増えた方が 対応しやすくなります 例えば私たちが行った 雑誌コーナーの調査があります 北東回廊付近にある ウェグマンズ食料品店の 雑誌コーナーには 331~664種類の 雑誌があると判明したのですが ちょっと聞いてください 600種類の雑誌を 10個のカテゴリに分けて見せるのと 400種類の雑誌を 20個のカテゴリに分けて見せるのでは 400種類の方が 600種類の時より 選択肢が多くて買い物しやすいと 人は思うのです カテゴリのおかげで区別しやすいからです

12:24 これは2種類のジュエリーのディスプレイです 1つは「ジャズ」もう1つは「スイング」と呼ばれます 左側のディスプレイがスイングで 右側がジャズだと思う人は 拍手してください (少々の拍手) 何人かいますね では左がジャズで右がスイングだと 思う人は拍手してください こちらの方が少し多いですね 正解は2番目でした 左がジャズで右がスイングです でもこれははっきり言って 極めて無意味な分類法です (笑) カテゴリには選択肢提供者でなく 選択者にとっての意味がなくてはなりません この問題は 金融ファンドの長いリストにも見られます 誰のための情報なんでしょう?

13:14 4つ目の方法は複雑さに慣れさせること 人は結構自分で思うより 多くの情報を処理できるものです 少しやり易くすればいいだけです 難度を徐々に上げなくてはなりません どういうことか例を出します 非常に複雑な決断を見てみましょう 車の購入です これはドイツの自動車メーカーです 完全なカスタム仕様車を作ることができます 完全に自分の車をデザインするには 60個の決断が必要です いろいろな決断があり それに伴う選択肢の数は様々です 車体の色には 56個の選択肢があります エンジンとシフトレバーの選択肢は4つです さてこれから私がするのは これらの決断の表示順序を変えることです 顧客の半分には 選択肢の多い方から: 56色の車体から4種のレバーの順で検討してもらいます 残りの半分には 選択肢の少ない方から: 4種のレバーから56色の車体の順で検討してもらいます

14:13 私が注目するのは 顧客がどのくらい積極的かです 標準設定ばかりクリックしている場合は 選択肢に圧倒されている証拠です 顧客の関心が薄れているわけです 結果として分かるのは 多数から少数の選択肢の順序だと 人々は標準設定ばかりクリックします 面倒になっているのです 小数から多数の選択肢の順序だと 頑張って選択します 同じ情報で選択肢の数も同じです 変えたのは 情報が表示される 順番だけです 簡単なことから始めてもらうと 選択の仕方を学びます シフトレバーの選択が 自分の内装の好みに関係なくても 選択の仕方に慣れさせ 更に 自分が仕様を決める大きな製品だとわくわくさせます つまりやる気が出て 積極的にやろうとするわけです

15:06 では要点をまとめましょう 過剰な選択肢の問題を軽減する 4つの方法について話しました カット:無意味な選択肢を取り除くこと 具体化:現実感を持たせること 分類:選択肢を減らしてカテゴリを増やす方が人は対応し易いこと そして難易度に慣れさせること 今日皆さんに説明したこれらの方法は 選択肢をうまく管理できるようにするためのものです 自分自身に応用してもいいですし 皆さんがサービスする顧客にも使えます 選択肢を最大限に活用するのに 重要なのは 選択の仕方を選択することだと思うからです 選択の仕方にこだわれば こだわるほど選択をうまく できるようになると思うからです

15:51 どうもありがとうございました

15:53 (拍手)