Robin Chase
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今日は二つお話しすることがあります 一つは 市場本位の価格設定で需要にこたえながら ワイヤレス技術を利用して 運輸セクターで 二酸化炭素排出量を劇的に減らす方法です もう一つは 適切なワイヤレス技術が 非常に大きなチャンスをもたらすこと つまり 経済成長を牽引する新しい原動力を生み出すと同時に 他セクターの二酸化炭素排出量を激減させる方法です

とても怖いのです 10年や15年で二酸化炭素排出量を8割減らさなければ 破壊的な影響を避けられません そう言わなければならない現実に愕然とします 破壊的な影響とは何か? 気温が摂氏3度上昇して それにより地球上の生物の半分が絶滅することです 映画ではありません これは現実です 本当に不安です というもの 車の話題になると 私も多少 知ってはいますが メディアや 政治家や この会場にいる皆さんも みんな "低燃費車に乗ろう"と考えるからです 今日から始めたとして 残された10年では 低燃費車で化石燃料の需要が4パーセント減るでしょうが それでは足りないのです

でも明るい話があります 劇的な変化を起こす方法をいくつか紹介しましょう 私は7年前にZipcarを設立しました いわゆるカーシェアリングの会社です 密集都市地域に配備した車を 会員に マイカー代わりに 時間単位や一日単位で借す事業です Zipcarの利用者になるとはどういうことでしょう? 必要な時にだけ利用し お金を払うということです そして使わない時間に対しては 一切お金を払わない さらに 用途にぴったりあう車を選べるということです この方はMia号という小型車MINIを1日利用しました 取引先へ行く時はBMWに乗れます サーフィンなら 大きなエレメントにも乗れます

さらに 車を所有するという観点からも最善の選択です 世界の7都市で さまざまな車種を 自由に利用できるうえに メンテナンスの必要はゼロ 修理は不要 何の道具も必要ありません あり得ないと思われていた理想の車みたいなものです いいとこばかりで悪いところは一切ない

ではZipcarは社会にどんな影響を与えたのでしょうか? Zipcarでは現在 10万人の会員が 3千か所に配備された3千台の車を利用しています 都会の人は1年で 平均1万2千マイル運転しますが Zipcar利用者は500マイル それで満足なのでしょうか? 会社の規模は 設立当時の2倍以上に成長しました Zipcarは世間に受け入れられていますし 愛されてもいます 年間1万2千マイルから500マイルにできた理由 それは 1時間8ドルから10ドル 1日65ドルという価格にあります アイスクリームを買いに行くのに 8ドル出して買いに行くべきか 我慢するか それより何か他の用事のついでに買ったほうがいい このように人は価格に敏感に反応します

さらに Zipcarの実現にはテクノロジーが不可欠でした 30秒間で予約し 駐車場へ行き 利用する そういった手軽さが必要でした サービス提供者の観点では 手続コストがかかり過ぎれば 時間単位では提供できませんから ワイヤレス技術なしで このコンセプトは実現できません

もう一つの例としてGoLocoという会社についてお話します 3週間後に始動する予定です Zipcarで実現したことを ライドシェアリング(相乗り)の分野でも実現したいと思います アメリカ全土に共通して言えることですが 走行車両の75パーセントは搭乗者が一人です ところが 通勤時は 12パーセントが相乗りです ソーシャル ネットワーキング サービスやオンライン決算システムを利用して 相乗りに対する認識を変えられれば もっと効率的に車を利用することできると思います

未来について考えてみると 相乗りというのが 人とふれあう良い機会だと認識されるようになるはずです 皆さん どうやって来られました? 他の参加者と一緒? 素晴らしい 一人で運転したいなんて思いませんよね? 買い物は? ご近所さんと一緒のほうが楽しいですよね ライドシェアリングは移動の概念を大きく変えて 移動性の自由度を高めます 今日 どこへ 誰と一緒に行けるかな といったことを 感じられるようになります

社会的なプラス面もあります 搭乗者が1名の車は 75パーセントと言いましたね これを50パーセントまで抑えることができて 駐車場の需要や 渋滞や 二酸化炭素排出量が減ります これを実現するには ワイヤレス技術が欠かせません 相乗りが注目されるのは 今の運転コストが高いからです 一般のアメリカ人は収入の19パーセントを車に使います このコストを下げたいのに 下げる方法はありません

最後は ロンドンで導入され注目された渋滞課金制度です 渋滞区域を走る車に課金する制度です この制度がロンドンで導入さた翌日には 渋滞が25パーセント軽減されました そしてその後も4年間 この効果が持続しました この結果に人々はどう反応したでしょうか? ロンドンのリヴィングストン市長を再選に導きました このように 価格は 意思決定を大きく左右し 結果 運転を控えるようになるのです 走行距離は 1970年の3倍 1982年の2倍になって 交通システムが麻痺するようになりましたが 適正価格に設定すれば 改善を図ることができます

渋滞課金制度は世界の主要都市で検討されていますが 実現にはワイヤレス技術が必要です ロンドン一帯に料金所を設置して ゲートを開け閉めしたりはしないのです 渋滞課金制度は 道路課金制度を支える技術と それに対する人々の心理を試すものです いずれ道路課金しか手がなくなります というのも 今は 道路の維持や補修を ガソリン税でまかなっていますが 燃費が良くなれば ガソリン税の税収が減ってしまうからです だから 走行距離に応じて課金する必要があるのです 渋滞課金で試して 同じテクノロジーを道路課金でも利用することになります

なぜ運転しすぎるのでしょう? コストが低すぎるから 過剰に運転するのです もっと市場の動きを取り入れるべきです そうすれば それに応じて走行距離や 移動手段や 家や 職場を選ぶようになります ワイヤレス技術こそこのリアルタイムの決断を可能にするのです

今日二つ目にお話ししたいことは この渋滞課金をいつ始めるかということです 道路課金は近い将来導入されるでしょう 具体的にいつか? あと10年とか15年でしょうか? あるいは 2年以内についに導入されるかもしれません? というのも 道路課金により生活が急変するからです

さて どんなワイヤレス技術を利用しましょうか? 私が抱いている大きなビジョンをお話ししましょう あるツールを使えば 情報格差を乗り越え 緊急事態に対処し 交通をスムーズにし 経済成長を促す原動力を生み 各分野で 二酸化炭素の排出量を 劇的に削減できます 映画「卒業」のこんな場面をご存知でしょうか? 皆さんは あの立派な青年で 私が あの有能なビジネスマンだとしましょう "一つ言っておきたい 一つだけだ" "何ですか?" "よく聞きなさい" "はい" "これからはアドホック ピアツーピア形式による自律型ワイヤレスネットワークの時代だ" (笑い) メッシュネットワークともいい 全装置がネットワークを組んでエリアを拡大します 耳にしたことはあると思いますが

いくつか例をあげてみましょう この後 アラン ケイ氏の講演がありますが あのラップトップは 子供たちが使用する際は 教室にいる他の生徒全員とつながるようになっています 学校や 村の中にいるすべての生徒ともつながります この通信システムのコストは? 月額ゼロです 別の事例ですが ニューオーリンズでは メッシュ接続可能なビデオカメラで フレンチクオーターで起こる犯罪を監視していました ハリケーン カトリーナが襲った時 唯一機能していた通信システムはメッシュネットワークで ボランティアが現地でたくさんの装置を追加しました それから12ヶ月間 ニューオーリンズで利用できるワイヤレス通信はメッシュネットワークだけでした

次は イギリスのポーツマス市の事例です バス300台がメッシュ接続されていて 高機能案内装置に 話しかけたり眺めたりすれば 乗りたいバスの現在地を正確に知ることができます バスが近づいてきたら案内装置でチケットも購入できます やはり全てがメッシュ接続なので月額の通信費はゼロです つまりメッシュネットワークの利点は 低コストの装置が利用でき 通信費がゼロで エリア拡大が容易であることです カトリーナの時のように 次々と追加できますし 削減もできます 何台か残っていれば通信は可能なのです 分散型システムには冗長性があり 耐障害性に優れます

では致命的な短所はあるのでしょうか? 実現を求めてロビー活動をする人が誰もいませんし 地域に導入しようとする地方自治体もないことです 通信コストはゼロなのにやらないのです 点在するメッシュネットワークを例示してきましたが ネットワークは規模が大きくなければ面白くありません

どうすれば巨大なネットワークを構築できるでしょうか? また映画「卒業」のひとコマです 皆さんは立派な青年で 私はセクシーな女性の役です こんなセリフがありましたね "どこでやったんですか?" "彼の車の中よ" ですから このアイディア... (笑い) メッシュネットワークの装置を設置するとしたら 私ならどこにすると思いますか? アメリカ全土の全ての車の中です 全土を覆う無料のワイヤレス通信システムができます 是非考えてみてください

なぜ実現できるか? それは渋滞課金が導入され 道路課金制度が導入され ガソリン税から道路課金に替わるからです こういったことが実現していきます どんなワイヤレス技術を利用するか? 最適なものを使いましょう ではいつ実現させましょうか? 10年や15年も待つべきではないでしょう これから準備し始めたほうがよいでしょう

州間ワイヤレスメッシュシステムを構築したいのです オープン標準を採用し 誰でもアクセスできるようにします 今 運輸セクターでこのワイヤレス装置を導入しています 皆さんが利用するFastPassやEasyLaneは 閉鎖型ネットワークで利用される単一目的の装置です つまり 道路制御 道路課金では 送受信するデーター量はわずかですから 通信容量がかなり余っているのです だから 低コストで全土にワイヤレス網を構築できるのです 耐障害性に優れた通信システムを実現できます あらゆるセクターで効率を高める 新ツールが実現します 情報を どこからどこへ送っても コストがほぼゼロなら 何が起こるでしょうか そのツールを使えば 経済成長の原動力を生み出せます 情報も 情報へのアクセスも無料であるべきです そして二酸化炭素の排出に対して課金すべきです

これは高速道路網よりも強力なツールになりますし 経済的にも 電化と同じくらい重要で 世界を変える力があると思います 私に選択肢があるとしたら オープン標準に加えオープンソースのネットワークを選びます オープンソースということは やり方によっては 短期間で世界各国で利用できるようすることも可能です 話を少し戻します ラゴスを走る全てのバスがメッシュネットワークに繋がっていると想像してみてください 今朝ラリー ブリリアント氏によるTEDTalk Prizeの講演に行きました 彼は素晴らしいネットワークを活用していますが こういったネットワークに接続できて 目的を実現できるオープンソースのメッシュ通信装置が あればいいと思いませんか これは実現可能です もし通信ネットワークのごく一部を 無料にすることができれば そこから膨大な収益を生みだすことが可能です そのためにはオープンソースでなければだめなんです

悪夢のような現状をどうにかしましょう 至急ガソリン税を導入し アメリカ全土にワイヤレスメッシュを利用した道路課金システムを導入し メッシュはオープンソース オープン標準として メッシュネットワークを利用しましょう ありがとうございました (拍手)