Neil Pasricha
3,301,842 views • 17:33

では「Awesome (最高)」な物語を この話は約40年前 僕の父と母がカナダに来た時に始まります 母はケニアのナイロビを去り 父はインドのアムリトサル郊外の小さな村を去り 60年代後半にカナダにやって来ました そして トロントから東に約1時間の貧相な郊外住宅地に腰をすえ 新たな人生を始めました 生まれて初めて歯医者に行き 初めてハンバーガーを食べ 初めて子供をもうけました 姉と僕は ここで育ち 平穏で幸せな子供時代を送りました 仲のいい家族 良い友達 静かな近所に恵まれ 両親が子供の頃には 当たり前でなかった多くのことを 当たり前と思って育ってきました 家の中では 電気がいつも使えるとか 通りの向かいに学校があるとか 道の先に病院があって 裏庭では アイスキャンディーが食べられることです 僕らは成長し大人になりました 高校に行って 卒業し 一人暮らしを始め 就職し 彼女を見つけて落ち着きました 下手なシットコムかキャット・スティーヴンスの歌のようだとは分かってます

(笑い)

でも順風満帆の人生でした 人生バラ色だったのです 2006年は素晴らしい年でした オンタリオのワイン生産地域で 7月の真っ青な空の下 150人の家族と友達に囲まれて結婚式を挙げました 2007年も素晴らしい年でした 学校を卒業し 2人の親友と車で旅行しました これは僕と僕の友達のクリスの写真です 太平洋海岸で撮りました 車の窓からアザラシが見えたので 車を停めて素早く写真を撮ったのですが 僕らの頭がデカ過ぎました (笑い) そういうわけで実際に写ってないですが アザラシはすごかったです 本当です

(笑い)

2008年と2009年は少し厳しい年でした 僕だけでなく沢山の人達にとっても 大変な年だったと思います まずニュースで気が滅入りました 今でも暗いニュースがあり 以前もそうでしたが 新聞を広げたりテレビをつけると 氷帽が溶けていることや 世界あちこちで戦争していることや 地震やハリケーン そして経済が傾いて破壊寸前なニュースで 実際に経済は結局破壊し 多くの人が家を失ったり 職を失ったり 老後の貯蓄や 生活の糧を失いました 2008年と2009年は僕にとって別の理由でも辛い年でした 当時プライベートな問題を多く抱えていました 夫婦の仲がうまくいっておらず どんどん関係が冷めてきていました ある日妻が仕事から帰ってきて 涙を流しながら思い切って 正直な気持ちを打ち明けてくれました 「貴方のことをもう愛してないの」と 人生でこんな悲しいことを聞くのはほとんどなく 実際それまでの人生で一番心に刺さる言葉でした でも1ヶ月もしないうちに もっと悲痛なことを知らされました

さっき写真で見せた僕の友達のクリスは 精神的な病気にかなりの間苦しんでいました 皆さんの中でも 身近に精神病の人がいた人は どれほど大変か分かると思います 僕は日曜日の夜10時半に クリスと電話で話しました その晩に観たテレビ番組の話でした そして月曜日の朝 クリスがいなくなったと知りました やり切れないことに クリスは自殺したのです このように本当に辛い時期でした

そして僕の周りに暗雲が垂れ込む中 明るいことを考えるのが この上なくとても難しく思えました どうにかして前向きに物事を考える方法を 見つけなくては駄目だと自分に言い聞かせました そこである晩仕事から帰ってきて コンピューターを立ち上げて 小さなウェブサイトを作りました 1000awesomethings.comというサイトです 普段話したりはしないけれど 誰もがうれしく思う シンプルで普遍的な 小さなことに目を向けようとしたのです 頼まなくても無料でおかわりを出してくれる ウエイターやウエイトレスとか 結婚式のビュッフェ式ディナーで 一番に呼ばれるテーブルだったとか 乾燥機から暖かい下着を出して着けるとか スーパーで新しいレジが開いて もともと列の最後尾にいたのに さっと入って一番乗りになれたとか

(笑い)

そしてだんだん時と共に 気持ちが晴れていきました 毎日5万のブログが 立ち上げられています つまり僕のブログは5万の中の1つでしかなかったのです 読んでくれているのは僕の母だけでした と言ってもアクセス量は 母が父に転送した時点で ぐんと上がって倍になったのですが (笑い) それから10あまりのヒットがあり 僕は大喜びでした そしてそれが何十になり 何百になり 何千になり 何百万になり有頂天になりました どんどん大きくなっていったのです そしてある日電話があり 電話の向こうの人が 「世界最優秀ブログ賞に選ばれました」と言ったのです これは何かの詐欺だと思いました (笑い) (拍手) アフリカのどの国に送金しろって? (笑い) でも結果的には 飛行機に乗って サラ・シルバーマンやジミー・ファロン マーサ・スチュワートとレッドカーペットを歩くことになりました そしてステージでべストブログ部門でウェビー賞を受け取りました その驚きと感動が 薄れたのは トロントに戻って メールを見た時でした ブログを本にしたいと言う申し出が 10人の出著作権エージェントからあったのです そして翌年になり 「The Book of Awesome」はこれで連続20週間 No.1ベストセラーとなっています

(拍手)

でも今日は3つのことをしたいと思って来ました 「Awsome」な話をして 「Awsome」の3つの要素を共有して 最後に思考の糧を提示したいと思います では3つの要素について話しましょう ここ数年の間 僕にはゆっくり 物事を考える時間がありませんでした でも最近落ち着いて 「ここ数年の間で ウェブサイトや僕自身を 成長させてくれたものはなんだろう?」 と考える機会がありました そして個人的にこれを 3つの要素としてまとめました 「物事に対する姿勢 」「気付く心」 そして「自分に忠実であること」です 1つずつ簡単に話したいと思います

まず「物事に対する姿勢」 人は誰も困難の壁に直面したり 逆境に遭遇したりするものです 誰も未来を予測できませんが 1つ分かっているのは 計画通りに物事は進まないことです 絶好調の時もあれば 卒業証書を受け取る笑顔や 結婚式での父娘のダンスや 分娩室で元気に泣く赤ちゃんなどの 記念すべき日や晴れ姿もあります でもそんな幸せなことの合間に いくつか壁や障害があるかもしれません 話すにはつらく悲しいことですが 夫が去るかもしれないし 彼女が浮気するかもしれない 頭痛はただの頭痛ではないかもしれないし 愛犬が通りで車にはねられるかもしれない 考えたくないけれど 子供が不良にそそのかされたり 事件に巻き込まれることもあり得る お母さんがガンになる可能性もあるし お父さんが陰険になる可能性もある そして人生ときには 深みにはまることもあり 心に穴が開いて断腸の思いをすることも でも悪いニュースに突然見舞われたり 痛みがいっぱいに広がったとき 常に2つの選択支があるのだと 皆さんが思えることを願います 1つは振り回されたまま どうしようもないと悲観することで もう1つは嘆いた後 冷静に戻った目を 未来に向けることです 前向きな姿勢とは後者を選ぶことです どんなに困難でも どんなに苦しくても 気持ちを切り替え前進し 未来へと 少しずつ足を踏み出す選択をすることです

2つ目の要素は「気付く心」です 僕は3歳児と遊ぶのが大好きです 子供から見た世界は素晴らしいです 彼らにとっては初めて見る世界だからです 歩道を横切る虫をじっと飽きずに見つめる様子 グローブを手に 目を丸くした子供が 口を開けて初めての野球試合を凝視し 球を打つバットの音やピーナッツの歯ごたえ ホットドックの匂いなどを存分楽しむ様子は 本当に微笑ましく 裏庭で何時間もかけてたんぽぽを摘んで 素敵な感謝祭の食卓の飾りを 作る様子にも魅せられます 世界の受け止め方がとてもいい これは子供は世界を初めて 見ているからです 感受性を持つのは 3歳児の自分を受け入れることです 誰もが一度は3歳児であったわけです その3歳の男の子や女の子の心は まだ皆さんの中にあります 探せばあるはずです 物事に気付くには 自分にも見るものすべてが 目新しかったことがあったのだと ただ思い出せばいいのです 仕事から帰宅する道のりで初めて 青信号ばかりだった日があったはずです 初めてパン屋さんの横を通って その焼きたてパンの匂いを嗅いだ日や 古い上着のポケットから20ドル札が出てきて 「お金見つけた」と言った瞬間があったはずです

最後の要素は「自分に忠実であること」です これについては短い話をさせてください 1932年まで一気に遡ります ジョージア州のあるピーナッツ農場に ルーズベルト・グリアという名前の男の子が生まれました 彼はロージー・グリアとも呼ばれていて 成長してからは 300ポンドで6フィート5の NFLラインバッカーになりました 写真の背番号76がグリアです このメンバーは「恐怖の4人組」と呼ばれた 1960年代のL.A. ラムズの選手達で 対戦したくないと恐れられていました 屈強のフットボール選手である彼らは好きで フィールドで頭をぶつけ合ったり 肩関節の捻挫をしていたわけです でもロージー・グリアには もう1つの趣味がありました 偽りのない心の奥底で 彼は刺繍も好きだったのです 編み物も好きでした 心が落ち着いてリラックスできる 飛行機が怖いのも忘れられて 女の子とも知り合える 彼はそう言っていました 好きが高じてNFLから引退したあとに 刺繍クラブに行くようになったほどです それだけでなく本まで出版しました 「ロージー・グリアの男性向け刺繍」 (笑い) (拍手) この表紙がすごいんです よく見ると自分の顔の刺繍をしてるんです

(笑い)

この話で僕がいいなと思うのは ロージー・グリアが 本当に偽りのない人だということです 自分に忠実であるというのはこのことです 堂々とあるがままの自分でいることです 自分に忠実になると 心に従うこととなり 自分が好きで楽しめる 場所や状況や会話などを 見つけることになるのだと思います 会話するのが楽しい相手を見つけ 行きたいと思っていた場所に行くのです そして自分の気持ちに従うことで 充実感を味わうことになるのです これらが3つの要素です

最後に一番最初の 僕の両親がカナダに来た話に戻ります 20代の中ごろに未知の国に来るのが どんなことなのかは僕には分かりません 自分で経験したことがないからです でも意欲的な姿勢が必要だっただろうと思います 自分の周りのことに敏感に反応し 新しい世界で目にし始める 小さな発見を楽しまなくてはならなかったでしょう そして直面する物事を乗り越える為 本当に偽りのない ありのままの自分でいる必要があったと思います

ここで僕のTEDトークを 10秒ほど中断させてください 人生こんなことができる機会は滅多にない上 僕の両親は前列に座っているので よければ立ってもらいたいと思います 2人にありがとうを言いたかったんです

(拍手)

僕が子供の頃 父はカナダに来たばかりの頃の 話をするのが好きでした 面白い話で 何が起こったかと言うと トロント空港に到着した父を 非営利団体が迎えてくれたのです たぶんこの会場の誰かの団体だと思いますが (笑い) この団体はカナダに来た新しい移民者のため 盛大な歓迎ランチを準備していました そして父によると 飛行機を降りてこのランチに行くと ものすごい量の料理が並んでいて パンがあり 小さなディルピクルスがあり オリーブやパールオニオンがありました サンドイッチ用のターキーや ハムやローストビーフがきれいに巻かれて 小さなチーズのキューブと並んでいました ツナサラダのサンドイッチ 卵サラダのサンドイッチ サーモンサラダのサンドイッチもありました ラザニアがあり いくつかの蒸し焼きがあり ブラウニーやバタータルトもあり たくさんの種類のパイがありました そして父がこの話をするとき言うのは 「なんせパン以外は見たことないものばかりで」 (笑い) 「どれが肉入りでどれが肉無しか分からず オリーブにパイという組み合わせで食べたんだよ」 (笑い) 「ここではこんな沢山の物があるのかと信じられなかったよ」

(笑い)

僕が5歳の頃 父はよく 食料品の買出しに僕を連れて行きました そして驚きの目で 果物や野菜についているシールを眺め 「ほら メキシコから来たマンゴがあるなんて信じられるか?」 「南アフリカ産のリンゴがあるぞ」 「モロッコのナツメヤシがあるなんてスゴイな」などと言い 「そもそもモロッコがどこか知ってるか?」と言うので 「僕5歳で自分がどこにいるかも分かんない このスーパーはA&P?」と言うと 「お父さんも知らないけど調べてみよう」と言うのでした そしてナツメヤシを買って家に帰り 実際に本棚から地図帳を出して この謎の国を見つけるまでページをめくるのでした 見つけると父は 「誰かがここで木に登って収穫したものが トラックに積まれて 港までわざわざ運ばれ そのあと はるばる大西洋を船で運ばれて それから別のトラックに積まれ うちの家のすぐ近くの小さなスーパーまで 遠路やってきたなんて信じられるか? それを25セントで売るためにだぞ」と言い 僕が「信じられないよ」と言うと 「お父さんも信じられんな 驚きだな ありがたいことで一杯だ」と言うのでした

よく考えてみると 父は全く正しいのです 幸せに思えることはいくらでもあります 私たちが知る限り 人間は 宇宙で生命体を育める唯一の星の このような沢山の事を 感じることが出来る 唯一の生き物です 建築物や農業があるのは人間だけです 宝飾品や民主主義があるのも私たちだけです 私たちには飛行機や高速道路や インテリアデザインや星占いがあり ファッション雑誌やホームパーティをする場所があります 怪物の出てくるホラー映画を観たり コンサートに行ってギターの即興演奏を聴くこともできます 本もあってビュッフェや電波や 花嫁さんやローラーコースターもある 清潔なシーツの間で寝られて 映画に行っていい席を取ることもできる パン屋さんの匂いを嗅いだり 雨に濡れた髪のままでいたり 気泡シートをプチプチ潰したり禁じられた昼寝をすることもできる

そういう色々なことがあるのに 私たちには100年しか楽しむ時間がない これが悲しい点です あなたの行きつけのスーパーのレジ係 あなたの工場の主任 高速道路であなたの後ろにぴったりつけてくる奴 夕食時に電話してくるセールスマン 今までお世話になった先生 夜明けを一緒に迎えた相手 各国の政治家全員 映画に出演した俳優のすべて 家族一人残らず あなたが愛する人全員 あなたを含めたこの会場の皆さん 100年後には皆死んでいるのです 人生は素晴らしすぎて このような人生を甘美なものとする 一つ一つのささやかな瞬間を体験して 楽しむ時間がほんの少ししかありません その瞬間は今現在で どんどん失われています その瞬間はいつも常にあっという間に過ぎ去るのです

今現在よりも若くなることは決してありません だから人生を大いに前向きな 姿勢で生きて ダメージを受けても気持ちを切り替え 前に進む選択をしてください 自分の周りの世界に意識を向け 3歳児の心を大切にしながら 人生を素晴らしくする小さな喜びを見つけてください そして自分に忠実でいることに 恐れないで心のままに 自分が満たされる経験をしてください そうすれば皆さんは豊かで 充実感のある人生を送れると思います 本当に「Awsome」な人生を送れるはずです

ありがとう