Melinda Gates
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今日 皆さんにお話したいのは とても当たり前のことで 論争するべきではないことです しかし 残念なことに 反対意見を聞くことも多くなりました

皆さん 考えてみてください 今年 10億以上のカップルが 性交渉を持っています このカップルや このカップル このカップルも そう もちろん この2人も

(笑)

そこで 私の考えはこうです 男性も女性も 子どもを作るかどうかの選択は 自由であるべきです 自分たちの選択によって これらの避妊手段を 使えるべきなのです この考えに反対する人は ほとんどいないでしょう 10億人以上の人々が 何のためらいもなく バースコントロールを行っています 人生の計画を立てる力 家族を健康に育て― 良い教育を受けさせて 豊かにする力が欲しいのです

この考えは 個人レベルで 広く受け入れられているにも関わらず― 公の場では 必ずと言っていいほど 反論にされます 避妊について話していると 中絶だと思う人もいるでしょう もちろん 違います 正直に言えば― セックスの話題だから 不快に思っている人もいるでしょう 家族計画の本来の目標は― 人口調整だと気に病む人も いるでしょう 「男性にも女性にも― 子どもを作る時期を決める権利がある」 という核になる考え方に― つきものである枝葉の事柄です 結果として バースコントロールは 国際保健の課題から― 消えてしまいました

その犠牲になっているのは サハラ以南のアフリカや― 南アジアです ここドイツでの 避妊手段の使用率は― 約66%です これは想定内ですよね エルサルバドルも同様に66% タイでは64%です では 他の場所と比べてみましょう たとえば インド最大の州 ウッタルプラデシュ 実際 この州そのものが 1つの国だとすると― 世界第5位の大国に なったでしょう 避妊率は29%です アフリカで最多人口の ナイジェリアでは10% チャドは2%です アフリカの1国 セネガルを 例に挙げてみましょう 避妊率は約12%です

では なぜ これほど低いのでしょうか 最も一般的な避妊手段がなかなか 手に入らないことが理由の1つです アフリカの女性たちは 注射できるものがいいと 口々に言います 腕に注射を年に4回― 3ヶ月ごとに受けなければいけません アフリカの女性がそうするのは 子だくさんを望む夫から― 避妊を隠したいからです 2回に1度は問題が起こります 診療所へ行くものの― 避妊薬が欠品しているのです 1年間で150日間 欠品しています 想像してみましょう 注射を受けるために 遠くにある診療所まで歩いて行きます ときには 子どもを置いて 出て行くこともあります なのに 薬がない 次は いつ 入手されるか分かりません 同様のことが 今日の アフリカ諸国で起こっています

私たちがつくった世界が 生死にかかわる危機に遭っているのです 妊娠したくなかったのに 出産の際に命を落とす― 女性の数は年間10万人です その他 60万人の女性は そもそも妊娠したくなかったのに― 子どもを産み その子は生後1ヶ月以内に― 死んでしまいます 皆さんは このような母親や子どもたちを 守りたいと思うでしょう しかし 議論の途中で 私たちは混乱し― 彼らの命を救うことを やめてしまいました

この問題を改善しようと思うなら 何をすべきか 明確にすべきです 中絶の話ではありません 人口調整の話でもありません 私が話しているのは 自分の命を守り 子どもたちの命を守る力を 女性に与え その家族に可能な限り ベストな未来を与えることです

世界的に― 未来をより良くするために 私たちがすべきことはたくさんあります 世界をより良い未来にするなら― たとえば 病気を克服するべきです 以前も話しましたが 下痢や肺炎で 多くの子どもたちが 命を落としています アフリカで狭い土地を耕している― 農家を助けることも必要です そうすれば 子どもたちの栄養になる 作物をたくさん作れますよね そして 必ず世界中の子どもたちが 教育を受けられるようにすべきです しかし 1番簡単で また大きな変化を促せることは― 誰もがバースコントロール法を 入手できるようにすることです 私たちアメリカ人やドイツ人は 必要に応じて 当たり前のように― 避妊手段を使っています 私たちの課題が何か 明確に理解できている限り この意見が割れるはずのないアイデアについて 世界的な動きが いつ起きてもおかしくないのです

私は カトリック教の家庭で育ちました 今でもカトリック教を信仰しています 母方の大叔父は イエスズ会の司祭でした 大叔母は ドミニカ会の修道女でした 生涯 教師であり 学長でした 実際 幼い頃に 大叔母から 字の読み方を教わりました 私は大叔母に懐いていました 大学へ進学するために 家を出るまで― カトリック系の学校に通っていました 私の高校 ウルスラシスター校では 修道女たちが奉仕と社会公正を 大切にしていました 今日 ゲイツ財団において その教えを生かしていると 私は信じています

カトリックの学生における伝統に従い 与えられた教義を疑うようにと 教わりました 私たち少女や仲間が疑問を覚えた 教えの一つがこれです バースコントロールは本当に罪ですか? 避妊について話すのが不快なのは― 次のような考えがつきまとっていることが 理由の1つではないでしょうか セックスを生殖と区別すれば セックスを軽視する傾向を助長してしまう そこで 避妊について 次のような 質問を投げかけることが適切だと思います 性道徳へ どんな影響があるのか?

しかし 多くの女性と同じく― バースコントロールに対する私の決断は セックスを軽視するようなものではありません 私には将来の計画がありました 大学へ行きたかった 大学では猛勉強しました そして 私の大学では女性としては珍しい コンピュータサイエンス学士を取得したことを 誇りに思っていました キャリアを積みたかったので ビジネススクールにも通いました そして マイクロソフト社では 女性最年少で役員に就任しました

遠く離れたマイクロソフト社で 新しい仕事を始めるために― 実家を出たときのことを 今でも覚えています 私に5年間の高等教育を受けさせるために 両親は多くを犠牲にしてきました でも 私が家を出るときに・・・ まさに 玄関を出てポーチへ降りると こう言いました 「良い教育を受させたけれど すぐに結婚して 子どもを産むことになっても 私たちは構わないよ」 と 両親は私が1番幸せだと思うように して欲しかったのです それが何であるかの決断は 自由でした 本当に素晴らしいことです

実際 子どもは欲しいと思っていました でも 子どもを育てる準備ができるまでは・・・ と思っていました そして 私たちには3人の子どもがいます 最初の娘が生まれたときは― どうすれば良い親になれるのか よく分かりませんでした この気持ち 分かる人もいますよね だから 2人目を作るのは 少し待ちました 3年ごとに3人の子どもを 産んだのは― 偶然ではありません では 母親として 子どもたちに1番望むことは何か? 私が経験したように感じて欲しいのです 人生は望めば何でもできる と だから この10年間 財団の活動で世界中を旅し 女性たちがみんな 同じことを― 望んでいることに気づきました

昨年 私はナイロビにある コロゴチョというスラムを訪れました コロゴチョは直訳すると 「協力して困難を乗り越える」という意味です こちらの写真に写っている 女性たちと話しました スラムでの生活が どのようなものか 率直に― 話してくれました 実施している避妊法について とてもオープンに教えてくれました 赤いセーターを着て 写真の真ん中にいる マリアーヌが 2時間の会話を 一言でまとめてくれました 忘れられない言葉です 彼女はこう言いました 「もう1人子どもを産む前に― この子にあらゆる幸(さち)を授けたい」 これだ! と思いました 世界共通なのです 誰もが自分の子どもに あらゆる幸を授けたいのです

しかし 幸を授ける能力は 世界共通ではありません あまりに多くの女性が 夫の暴力に悩まされています 夫婦2人の間であっても 避妊を話題にすることなど― できません 多くの女性は 基本的な 教育を受けていません しかし 知識や権力がある 女性の多くでも― 避妊薬を手に入れることができないのです

250年間 世界中の親たちは より小さな家族を持つことを 選択してきました この傾向は 文化をまたぎ 国をまたぎ 250年間続いています サハラ以南のアフリカと南アジアが― 明らかに例外であることも 変わっていません フランスは 1700年代半ばに 家族の大きさを縮小し始めました それから150年以上にわたり この傾向はヨーロッパ全土に広がりました この歴史を学ぶにつれ 私が驚いたことは― この傾向が社会経済的な経路ではなく 文化的な経路で広がったことです 同じ言語を話す人々が 集団で変化を起こしたのです 家族に対して同じ選択をします 裕福であっても 貧乏であっても 関係ありません 小家族への傾向が 広がったのは― ある考え方に 動かされたからでした 夫婦は 何人子どもを作るかを 意識的に調整できる― という考えです とても影響力のある考えです 親には未来をそのまま 受け入れるのではなく― 未来を変える力があるということです

フランスでは 家族の平均人数が 安定するまで150年間― 10年ごとに減り続けました 避妊具が発達していなかったため これだけ長い時間がかかりました ドイツでは この変化は1880年代に始まり 家族の大きさが安定するまで― わずか50年でした アジアや中南米における変化は 1960年代に始まり― 近代的な避妊法によって 加速しました

この歴史をたどりながら ときには立ち止まって― なぜ 反対されるようになったのか を思い出すことが大切です 家族計画として 不適当な補助金や 強制的な避妊が― 行われていたからです たとえば 1960年代 インドでは 数値目標を掲げ― 子宮内避妊用具の装着を了承した女性に対し 補助金を支払いました そんな状況下でも インドの女性たちは 実に賢明でした 子宮内避妊用具を装着すると 6ルピーが支払われます そこで どうしたか? 数時間または数日間待ち たった1ルピーで子宮内避妊用具を 除去してくれる病院へ行きました アメリカでは数十年もの間 アフリカ系アメリカ人女性は 同意もなく不妊化されてきました あまりにも普通になっていた手術だったため― ミシシッピー虫垂切除と名づけられていました アメリカ史の悲劇の一幕です つい1990年代まで ペルーでは― アンデス地区出身の女性たちは 麻酔薬を打たれ 知らされることなく 不妊化されていました

もっとも驚くべきは― これらの強制的な方法が 必要ですらなかったということです 実施された地区の親たちは とっくに小家族を望んでいたのです どの地区でも― 親たちは小家族をずっと望んでいました アフリカ人女性たちには― 生来 私たちと異なる願いがある という根拠はありません 選択肢があれば 少なく産むことにするでしょう 問題は― 私たちは 今後 あらゆる女性の 希望を支える努力をしていくのか? それとも 何世紀にも渡る苦悩を 与え続けていくのか? あたかも まだフランス革命時代で― 最善策は膣外射精であるかのように

親に権利を与えるのに 言い訳は要りません しかし これは大切なことです 自分の子どもにあらゆる幸を授けたい― という願いは永遠に世界共通の願いです これこそが社会を前進させるのです 同じナイロビのスラムで 1人の働く女性に出会いました 彼女はバックパックを作っていました 幼い子どもたちと 地元のジーンズ工場へ行き デニムの端切れを集め バックパックを作って売ります 当時 彼女には子どもが3人いました 家族について質問しました 3人目以降 子どもを作らないと― ご主人と決めたそうです その理由は シンプルでした 「もう1人子どもがいたら 仕事ができななくなる」 現在の収入があれば 3人の子どもに十分な教育を― 受けさせることができる と 家族の未来について とても楽観的でした 何億ものカップルが― 同じように机上の計算をしています そして この考え方が正解だと 証明されています いつ子どもを作るかを調整することで より多くのチャンスを 子どもたちに与えられるのです

バングラデシュに― マトラブという地区があります 1963年以降 18万人以上の住民の データを集め 調査されています 国際保健社会において― もっとも長期に渡って 調査されている場所です 多くの素晴らしい保健統計があります どんな統計があるのか? 半数の村人たちが 避妊することを選びました 教育を受け 避妊薬や避妊具を入手しました 20年後 この村が 近隣の住民たちより質の良い 暮らしをしていることがわかりました 家族が健康であり― 女性が出産で命を落とす 可能性が少なくなりました 子どもが生後1ヶ月で命を落とす 可能性が少なくなりました 子どもたちは より十分な栄養を取り― 経済的にも余裕がありました 成人女性の賃金が割高でした 家畜や土地 貯金などの 財産もできました そして 子どもたちは より多くの 教育を受けました これら3種類の効果を 何百万もの家族に掛け合わせると― 大規模な経済成長になります 1980年代のアジア経済の奇跡が よく語られますが― それは本当は奇跡ではありません その地域における経済成長の 主要因の一つは 文化として小家族を目指したことなのです

大改革は個人家族レベルから― 親が 子どもにとって何が最善かを 決めることから始まります そのような変化や決断をすると それが地域や国の傾向として 広がります サハラ以南のアフリカの家族が 自身のために― 決断する機会を与えられると 社会発展の好循環が アフリカ大陸全土に― 回り始めると思うのです 貧しい家庭が よりよい未来を 築くのを手助けできます 誰もが避妊について学び― 様々な避妊手段を選ぶ機会が 全ての人に与えられるように求めていきましょう

目標は実に明確です 誰でも望むバースコントロール法を 入手できるようにすること 実現させるためには 豊かな政府も貧しい政府も― 避妊手段を提供することを 最優先しなければなりません この場所でも 世界的にも 私たちにできることがあります 今 避妊手段を入手できない 何百万もの家族がいること そして 避妊手段を入手すれば― 生活がどう変わるのかということを語るのです

マリアーヌをはじめ このグループの女性たちが 自分たちで または公の場で― この問題についてオープンに 話すことができるなら 私たちにもできるでしょう さあ 今から始めましょう マリアーヌと同様 私たちも 自分の子どもに幸を授けたいのですから それのどこに異論があるというのでしょうか? ありがとうございました

(拍手)

(クリス・アンダーソン): ありがとうございました いくつか質問をしてもいいでしょうか

(拍手が止む) あなたの勇気や あらゆることに感謝します メリンダ 近年 賢い人々が― こんなことを言っているのを 耳にするんです 「人口問題はもう心配ない 家族の大きさは 自然と 世界中で小さくなりつつあるのだから ピークは90億か100億 そこまでだ」 と それは間違いですか?

(メリンダ・ゲイツ): アフリカ全体の統計を見れば― 間違いです 私たちは異なる観点で 見る必要があると思います ボトムアップの観点から見なければなりません 避妊が大きな課題になった理由は― ここにあると思います トップダウンで考えて 先々の人口を調整したいと述べてきました もちろん 地球保護を考えていますし 正しい選択が必要です しかし その選択は家族レベルで 決めるべきなのです 入手方法を与え 自ら選択する環境を整えることで 大改革が世界中で起きたのです サハラ以南のアフリカや南アジア アフガニスタンを除いてですが

(クリス): アメリカや世界中の― 保守派の人々は こんな風に言うかもしれません 「人命を救うことや女性に権利を与える ことはもちろんだが― セックスは神聖だ あなたの提案は婚姻と関係なく 行われる性交渉を― 増やすだけなのではないか それはおかしい」 と どう反論しますか?

(メリンダ): もちろん セックスは神聖です それは ドイツでもアメリカでも― フランスでも 世界中のどこにおいてもです 性交渉の経験を持つ アメリカ人女性の98%が― バースコントロールはセックスを 汚すものではないと言っています 自分の人生の選択をする ということです そして その選択とは 家族の尊さ 母の命の尊さ― 子の命の尊さを称えているのです 母子の命を守っているのですから それこそが神聖だと思います

(クリス): ゲイツ財団ではこの問題を どう進めていくのですか? 今日の観客やネットの視聴者に― どうして欲しいですか? (メリンダ): 会話に参加して欲しいですね こちらに載っているサイトに 参加してください 自分自身の人生を変えた 避妊の経験を教えてください 知り合いの方の体験でも構いません あなたの声を上げてください 「その通りだ」という 世論の高まりが必要なのです 「居住地に関係なく 女性の誰もが 入手できるようにするべきだ」 と これからの活動としては― 7月11日にロンドンで大規模イベントを 行うことになっています 多くの国々が参加し アフリカ諸国も参加します この問題を国際保健課題として 取り上げようと訴えるのです 財団が資金を援助し ボトムアップの計画を政府と立案し 女性が 教育を受けられるようにするのです そうすれば 必要なときに 避妊手段を選ぶことができます 地元の医療従事者や― 田舎の診療所を通じてなど 多くの選択肢が可能になるのです

(クリス): あなたの恩師である 修道女の方々が― いつか このTEDトークを ご覧になると思います 最悪だと思うでしょうか それとも 応援してくれるでしょうか?

(メリンダ): 見られることは承知の上です 私が出演することはご存じですし 動画を送ろうと思っていましたから 私の恩師の修道女たちは 非常に進歩的なんですよ 社会正義と奉仕の教えを私が― 実現していることを 誇りに思ってくれるとうれしいです この問題について 私が熱心になったのは― 後進国で実際に見てきたからです 私にとって この話題は とても大切なものになりました このような女性に出会いますが 声を上げることはありません でも それではいけません 声を上げるべきなのです 入手方法を得るべきなのです だから― 彼女たちから教わったことや 財団での10年間の経験を― 生かしていると 感じてもらえるとうれしいです

(クリス): 今日は あなたが 大切な声をまとめてくれたことに― 皆さん 感謝しています あなたには収穫がありましたか?

(笑)

(メリンダ): もちろんです 多くのことを学び 質問もたくさん頂きました この活動の大部分は旅です エネルギーをめぐる旅や 社会形成をめぐる旅についての 議論を聞き― 次に聞くのは― 「なぜ この舞台には女性がいないのか?」 これらの発展問題に取り組む 私たちは 他人に耳を傾けることで学びます 実行して学び 挑戦して 失敗して学びます そこで 質問するのです それは時折 答えへと導いてくれます 隣にいる人が あなたを助けてくれます 今日は パネラーの方々への質問が たくさん見つかり― 素晴らしい1日になりました

(クリス): 私たちを旅に誘ってくださり ありがとうございました

(メリンダ): うれしいです クリス ありがとう