Marvin Minsky

マービン・ミンスキーが健康や人間の心について語る

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Translated by Kazuyuki Shimatani
Reviewed by Yasushi Aoki
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心理学で難しいのは何かと言われたら 何と答えるでしょう? 思考と感情ではどっちが難しいか? 多くの人は言うでしょう 「感情は難しそうだ すごく複雑で どんな仕組みなのか見当も付かない でも思考は 非常に分かりやすいもので 論理的推論の一種にすぎないと思う そんなに難しくはないと思うな」

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問題をリストアップしてみました 考えるべき問題の一つ目は 健康問題をどうすべきか? 先日 ある記事が目にとまりました 西洋において 病気の最大の原因はおそらく握手である というのです 握手しない人と 握手する人を比較した 調査結果がありました 握手をしない人をどこで見つければよいのか 全く分かりませんけど 隠れていることでしょうから 握手を避ける人は 病気にかかる可能性が30パーセントも低いそうです 31と1/4パーセントだったかもしれません だから 本当に病気の蔓延を防ぎたいのであれば 握手防止から取り組むことです この話を知った後も 何百回も握手をしなければなりませんでした 握手を避ける唯一の方法はたぶん 見るもおぞましい 病気に罹ることでしょう 説明する必要はなくなります

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教育 ― 教育を改善するにはどうすれば良いのでしょう 最良の方法は 聞いている内容は デタラメだらけだと 分からせることです 取捨するために みんな話をよく聞くようになるでしょう 汚染 エネルギー不足 環境多様性 貧困 どうすれば 安定した社会を作ることができるか? 長寿もそう 考えなければならない問題はたくさんあります

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しかし本当に議論すべき問題は この話題はタブーなのですが 人口はどのくらいであるべきかということです 1億人とか 5億人といったところでしょう そうなれば こういった問題の多くは消えるでしょう 人口が1億人であり 適度に分布していれば ゴミがあっても適当に捨てることができます 見えないどこかへ捨てれば 勝手に腐ってくれるのです 海に捨てたとしても 魚が食べてくれるはずです 人口をどれくらいにすべきかが問題です ここで選択をしなければなりません

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多くの人は身長が150センチ以上あり 空間の無駄です もし1/10にできれば ナノテクか何かを使うんでしょうが… (笑い) 人口が千倍になっても大丈夫 問題は解決しますが 人を小さくする研究というのは聞いたことがありません 人口を減らせれば良いのですが 子供を欲しがる人はたくさんいます たぶん数年以内に実現可能になる解決方法があります 人間には46の染色体があります 幸運な方は両親から 23ずつ受け継いでいますが 一つ余計だったり不足したりもします そこで 祖父母や曾祖父母の世代を飛ばして 高祖父母の世代に遡りましょう そして46人集めて スキャナーか何かを渡し 好きな染色体を一つ選んでもらえば良いのです 性が2つでなければいけない理由はありません それぞれの子供は46人の親を持つことになります そして46人の親のグループに 15人の子供を持たせることにします 十分な数ではないでしょうか? 子供たちは十分な支援と保護を受けて育つことができ 世界の人口も急激に減少するでしょう 誰もが幸せになることができるのです

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タイムシェアリングはもう少し先の話です アーサー C クラークが2度 素晴らしい小説を書いています 「銀河帝国の崩壊」と「都市と星」です どちらも素晴らしい作品で ストーリーはほぼ同じですが コンピュータ誕生の前後という違いがあります アーサーは前の作品を見て それが間違いだと思いました 未来にはコンピュータが存在するはずだと 二つ目の作品では 地球は1000億だか1兆だかの人口があるのですが みんなハードディスクやフロッピーの 未来版の中に格納されています 同時に外に出られるのは数百万人 いったん外に出ると 一千年間生き続けます やりたいことをやり 時が来たらディスクに戻って 何万年とか何億年という時を過ごします  数字は問題ではありません いずれにせよ 同時に地上に存在する人間の数は多くはないのです そして 自分自身や記憶を検討し 休止状態に戻る前に 自分の記憶を編集し 人格などを修正してしまうこともできるのです このままでは十分な多様性が確保できませんから この都市の設計者たちは 時々 新しい人が生まれてくるようにしています やがて生まれたアルビンという人物が これは正しい方法ではないと考え システムを全て破壊してしまうのです

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ご紹介した解決法が 優れているとか 賢明なものだとは思いません 大きな問題は 直面する問題のうちどれを解決すべきか 理解できるほど 我々が賢くないということです そこで我々はHALのような超知性マシンを建設せねばなりません ご存じでしょう 「2001年宇宙の旅」の中で HALは 宇宙が非常に大きく 壮大かつ深淵で 頭の悪い宇宙飛行士には理解できないことを悟ります HALの行動と 宇宙船に乗る人間の取るに足りない行動を比較すれば 著者の言わんとすることが分かると思います どうすれば良いのでしょう? 我々は賢明になることができます チンパンジーと比べれば 結構賢いと言えるでしょう しかし直面する巨大な問題に対応するには十分ではありません 理論数学においても 経済学的な問題においても 世界のバランスを取ることにしてもです 出来ることとして 長生きするということがあります どのくらい困難なことかは分かりませんが 数年後にはなんとかなるのではないでしょうか ここに分かれ道があります 人の寿命はチンパンジーの約2倍ですが 120歳以上長生きする人はほとんどいません その理由はよく分っていません しかし 90歳や100歳まで長生きする人はたくさんいます 握手みたいな危険な行為を避けていれば もし人が200歳まで生きることができれば 問題解決に必要な技術や知識を蓄積することができるかもしれません これも一つの方法ではないでしょうか どの程度難しいことなのか分かりません そう ほとんどの哺乳類はチンパンジーの半分の寿命しかありません 確かに ヒトは哺乳類の多くよりも3.5倍から4倍も 長生きです でも 霊長類に関して言えば 遺伝子はほとんど同じです 人間とチンパンジーの遺伝子の違いは 現在の知識によれば…これはクズみたいなものですが… たった数百個にすぎないらしいのです

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遺伝学者は いまだ自分で何をやっているのか分かってないのです 遺伝学については何も読むべきではないと思います 皆さんが生きている間に発表される遺伝学に関しては (笑い) 遺伝子研究は 脳科学同様 移り変わりがとても速いのです 4つか5つの遺伝子を修正すれば 人は200歳まで生きられるかもしれません 30とか40かもしれませんが 数百には ならないでしょう これは大いに議論されることでしょう 倫理学者…つまり私達が何を考えようと 悪い点を見つけ出す人たちのことですが (笑い) どんな変化であれ倫理学者は やる価値を認めません どんな結果をもたらすかわからないと言うのです もちろん 我々は今でも結果に対する責任を負ってはいません クローンに対する抵抗と同じです 偶然出会った二人が子供をつくります どちらにも良くない遺伝子が少しあります 生まれてくるのは 平均的な子供になることでしょう チンパンジーの基準で言えば非常に優秀な子供です

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人の寿命が延びれば 人口増加の問題に直面することになります なぜなら 人の寿命が200歳とか1,000歳になったとき その生涯に一人しか子供を持たせることができないのです そうすると 労働力が無くなります ローリー ギャレットが指摘したように 労働年齢の世代が存在しない社会は 本当に悲惨な状態になります 様々なことが悪化するでしょう 子供を教育する人も 高齢者の面倒をみる人もいないのですから 長寿について話をしていますが もちろん 200歳と言っても我々が今想像するような200歳ではありません 200歳というのは 普通は死んでしまっていますけどね

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脳は400のパーツから構成されていますが それぞれに固有の機能があるようです 詳細はよく分かっていません しかし 様々なものが存在していることは分かっています 全てが常に協調して働く訳ではありません 打ち消す働きが大半であるというフロイトの理論もあります 自分を百のリソースを持つ都市だと考えてみてください 恐怖に直面したとき 長期的な目標は諦めて 直面する恐怖を解決することだけに 集中することになることでしょう それ以外は一切行わなくなり 偏執狂となります その枠からはみ出さないようにすることだけが大切になります 例えば お腹がすくと 食べ物はより魅力的になります 感情というのは能力のサブセットが高度に発達したものなのです 感情は思考に何かが追加されたものではありません 感情的状態というのは 通常利用可能なリソースが 100個とか200個取り除かれた状態なのです

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感情を逆に 思考以下のものと捉えるなら 非常に生産的になります 今後数年で それが知的なマシンにつながることを示せたらと思います 残りの部分はスキップします その知的なマシンをどうやって作るかという話なんですが… (笑い) 中心になるアイデアは 本当に知的なマシンの核になるのは ある種の問題に直面していると認識するということです これはしかじかのタイプの問題だから この問題にはこういうアプローチが有効だと 判断するということです 将来の心理学の主要な課題は 状況や障害のタイプを分類し そして利用可能な手段も分類して その組み合わせを考えるということだと思います パブロフの条件反射のようなものです 心理学は最初の百年を 人は状況への反応をどう学習するのかという つまらない理論によって失いました 私が言っているのは 何千の部品からなる乱雑な巨大システムも設計し 多くの段階を通過した我々は 心理学の中心的問題に直面することになるということです 問うべきは状況が何かではなく 問題の種類は何か 戦略の種類は何か それをどう学び どう繋ぎ合わせるのか 本当に創造的な人間は 利用可能なリソースから 新しい思考法をどう考え出すのか といったことなのです

12:41

今後の20年間で ニューラルネットや遺伝的アルゴリズム それにルールベースのシステムなど 人工知能への従来のアプローチを脱却できればと思います そして視点を少しばかり高くして 問題に合ったやり方ができるよう これらのものを全部使うシステムを作りたいと思います ニューラルネットに向いた問題もあります しかし中には ニューラルネットでは絶望的な問題もあります 遺伝的アルゴリズムも特定の問題には有効です 弱点は分かっていますが お伝えするのは止めておきましょう (笑い)

13:13

ありがとうございました (拍手)

よく聴いて下さい。マービン・ミンスキーが、健康や人口過剰、人間の心について、いたずらっぽく、様々な話題を取り混ぜて、魅力的な即興で語ります。ウイット、英知、ほんの少しのごまかしも。ジョークなのでしょうか。どう思いますか?

About the speaker
Marvin Minsky · AI pioneer

Marvin Minsky is one of the great pioneers of artificial intelligence — and using computing metaphors to understand the human mind. His contributions to mathematics, robotics and computational linguistics are legendary and far-reaching.

Marvin Minsky is one of the great pioneers of artificial intelligence — and using computing metaphors to understand the human mind. His contributions to mathematics, robotics and computational linguistics are legendary and far-reaching.