海草 ― 残されたものを再生する | マーク・パリー | TEDxPlymouthCityCouncil
マーク・パリー |
TEDxPlymouthCityCouncil
• January 2022
初めての深海潜水が、私のイギリスの海と潜水への見方を変えました。私は海草生態学者、そしてプロジェクトマネージャーとして海洋保全協会(OCT)で仕事をしています。今年、250万ポンドをかけた再生プロジェクトの一環として国立海洋水族館のOCT海草栽培ラボで1回目の種植えを行いました。ラボには現在、テストバッチとしておよそ6万の種が保存されています。すべて手で集めたものです。イギリスにおける海草藻場を最大8ヘクタール再生するため、この新しいラボで年間36万の海草を栽培する予定です。私はもう何年も海草の生態系を研究してきましたが、歴史的に海草は過小評価されてきました。海草は沿岸地域におおいに貢献する、人間と生物にとって非常に重要な生態系です。
イギリスにおける海草藻場再生の長期的な目標は、沿岸帯の海草生態系を効果的かつ効率的に再生する方法を提示することです。相当量の消失があったため、イギリス中の広い範囲で再生の可能性があります。藻場を再生することによって、沿岸地域が今では受けられなくなった恩恵を取り戻すことができるのです。非常に生産性の高い生態系からは、地域は経済的利益を得ることができます。また、この生態系が存在することで沿岸の水質に関する規制ができ、数千年に渡る炭素の貯蓄に貢献するだけでなく生態系自身の保全にもつながります。私たちが思い描いているのは、失ったものを復元し、次の世代も美しい海の生態系の恩恵を受けられるよう豊かな海洋環境を受け継ぐ未来です。