Laura Bates
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1年半ほど前 同じ週に 立て続けに嫌なことが起きました 仕事帰りのある晩のこと 外は暑く 道は車が渋滞して 動かない状態でした 歩いていると 車が すっと横につけてきました 中の男たちが窓から うるさく声をかけてきて 私の脚がどうとか あんなコトや こんなコトしたいなどと言われました 私は無視して そのまま帰り 気にしませんでした それが普通ですよね その数日後の晩 かなり夜遅くに バスに乗って帰宅中で 母と電話で話していました 初めは脚に偶然 隣の男の手が 触れたような気がしたのですが 初めは脚に偶然 隣の男の手が 触れたような気がしたのですが 私は電話を続けました 気付くと 男は実際 私の脚をわし掴みに触っていて 手が私の股間に向かっていました 私は立ち上がり 男から離れましたが 電話中だったので ごく自然に 言葉が 口をついて出てきました 「たった今 バスの中で痴漢された」 それを聞いた乗客は 全員 窓の外に顔を向けるか うつむくか 携帯に目を落とすかで 当然 誰も助けてくれないだけでなく 「何だよこの女 騒ぎ立てて 自分の問題は自分でどうにかしろ 他人を巻き込もうとするなよ」 という空気があからさまに漂い 即座に恥ずかしくなりました 自分が何か悪いことをしたような気分になり 夜遅く独りでいたから悪いんだとか こんな服 着てこなければよかったなど 恥ずかしさが引き金となり 色々な考えで頭がいっぱいになりました 今回も 私はそのまま 帰宅し 誰にも何も言わずに 平常心に戻りました それが普通ですから 数日後 真っ昼間に 通りを歩いていたときのことです 荷下し中の大型トラックがあって 後方から足場が出てきて 男2人が一緒に作業しているところでした 私が通りかかると 1人が もう1人に向かって言いました 「見てみろよ あのオッパイ」 人ではなく モノ扱いです さらに 私についての話を まるでそこに いない人かのように始めました 目の前を歩く私には丸聞こえでした この一連の出来事に関して 本当に衝撃的だったのは もし同じ週に起こっていなかったら 私自身どれ1つ 思い出しも しなかっただろうということです なぜそうなのか 疑問が湧いてきました なぜ こんなに普通で こんなに慣れっこなのか すると 何百件もの出来事が 記憶に蘇ってきました 過去何週間 何ヶ月 何年という間に経験し 普通のことだからと 一切 誰にも言ったことのなかった出来事です 普通のことだからと 一切 誰にも言ったことのなかった出来事です そこで私は他の女性にも 話を聞くことにしました 知っている女性 年上も年下も 会ったばかりの女性にも 「こんな目に遭ったことありますか?」 と質問を始めました 正直 経験談が出てくるのは 1人か2人だと思っていたし 「数年前にこんなことが」とか 「ある職場でこんなことが」程度かなと ところが 実際は 話した女性 一人残らず しかも 数年前の1件どころではなく 何百件とありました 「ここに来る途中に こんなことがあって 昨日はこんなことが ほぼ毎日こんなことがある」 でも私と同様に 訊かれるまでは 誰にも一度も話したことがなかったのです 慣れっこだったし ごく普通のことだったからです これが非常に大きな問題であると 悟り始めた私は なるべく話題にしようと努め 意識的に話すようにしました すると 繰り返し何度も 同じことを言われました 「騒ぎ立てるのはやめなさい 女性は今や そこそこ 対等な地位を得ているんだから」 つまり 女性が対等である今 女性に対する性差別について 話題にすることも物申すことも 過剰反応だ というわけです ユーモアのセンスが 足りないんじゃないかとか 褒め言葉だと思えばいいじゃないとか 愛想がないとか 真面目すぎるとか 冗談の通じない女 などの言われようでした 私は 確かにそうかもしれない 現代の女性はそこそこ対等だし 自分の過剰反応かもしれない 本当かどうか 検証してみることにしました すると こんなことが分かりました 現代の女性はそこそこ対等とのことですが 英国議会は例外です 全国民に影響のある政策が 議論され制定される場なのに 女性の国会議員は 4人に1人もいません 上院になると女性の割合は 5人に1人です 国会における男女平等ランキングで イギリスは世界57位です 法曹界の女性を見ると 控訴院裁判官は 35名中たったの4名 高等法院裁判官は 108名中たったの18名 次に芸術の世界も見てみました 2010年の報告書によると 芸術機関として 最高レベルの権威である― ナショナルギャラリーに収蔵されている 絵画2,300点のうち 女性の作品は10点のみでした さらに ロイヤル・オペラ・ハウスでは 過去13年間一度も 女性の振付家に メインステージ用の作品を 依頼していないそうです そしてイギリス中 端から端まで数えて573点ある— 著名な人物をかたどった彫像の中で 女性はたったの15%です 国内の技術者のうち 女性は10人に1人もいません フランスやスペインで 女性が占める割合の半分以下です ロンドン王立協会は 科学機関の中でも 最高権威の1つですが 歴代会長に女性は1人もおらず 現会員の中で女性は たったの5%です 化学専攻の学部学生のうち 50%が女性ですが 女性教授はたったの6%です 新聞の一面記事を書いている記者のうち 女性は5人に1人しかおらず さらに一面記事に登場する人物や専門家は 84%が男性です 2011年公開の人気映画250本の中で 女性監督によるものは わずか5% イギリス国内の建築士の中で 女性は5人に1人 しかも その中で63%が 現役中に職場でのセクハラを 経験したと申告しています 現役中に職場でのセクハラを 経験したと申告しています 次に犯罪統計に目を向けると 現代の女性はそこそこ対等とのことですが そのくせ イギリス国内では 毎週2人以上の女性が 現在または過去のパートナーに 殺害されます 警察には毎分1件 家庭内暴力についての電話が来ます 6分から7分に1回のペースで 女性が強姦され 強姦事件は毎年8万5千件を超え 性的暴行は40万件を超えます イギリスの女性は 4人に1人の確率で 家庭内暴力の被害に遭い 5人に1人の確率で 性犯罪の被害に遭います 世界規模では 女性の3人に1人が 一生のうちに強姦または暴力に遭います 世界規模では 女性の3人に1人が 一生のうちに強姦または暴力に遭います 以上の調査結果から 現代女性は対等であるとか 波風を立てるべきではないという主張は 根拠がないという結論に至りました むしろ 今こそ 波風を立てる時だと思いました そこで ウェブサイトを作りました 人々が性差別の存在さえ否定していたのでは 問題解決は不可能だと思ったのと 私がやりたかったのは 自分が見聞きしたような話の数々を 目の前に地図のように広げて 一覧で観れるようにして 性差別の蔓延や現状の深刻さに 気付けるようにすることです 「エブリデイ・セクシズム・プロジェクト」 というごく簡素なウェブサイトを立ち上げ 女性に そして男性にも 日々経験するジェンダー不均衡について 投稿するよう呼びかけました ごく些細で 普通のことだと 思われている物事から 深刻な内容まで様々です 資金も告知宣伝する術も 一切なかったので 20人から30人くらいなら 投稿してくれるだろう そこから連帯感が生まれて 意識向上につながればいいと 考えました ところがこれに 期待していた以上に火がついたのです [7万5千人の女性が 性差別を訴える] 1年半で世界中5万人の女性から 経験談が投稿されました 女性も男性も あちこち たくさんの国から あらゆる年齢 人種 民族 性指向 ジェンダー・アイデンティティの人々 宗教に熱心な人から無宗教の人 障害者から非障害者まで 働いている人も そうでない人も 含まれました 例えば 障害を持つ 車椅子の7歳の女の子から 障害者用スクーターに乗る 74歳の女性までが ほぼ全く同じ経験をしていました 「だから女の運転手はダメなんだ」と 大声で中傷されたそうです イギリス国教会の ある女性牧師は 結婚式や葬式に立ち会うのは 男性牧師がいいと言われたそうです 「あなたが嫌なのではないけど」と ある男性は自分の子供たちの面倒を見たら 褒めそやされたそうです 都会で働く ある女性は クリスマスのボーナスが欲しければ 膝の上に座ってと上司に言われたそうです ビデオ屋で働く ある女性は 倉庫から新しい在庫を取ってくるために 脚立を登ると 毎回 店長がお尻を叩いてきて 降りてくると 今度は 彼女の上半身に目を落とし 「だから君を雇ったのさ」 と言うそうです あるウェイトレスの女性は 妊娠したとき 堕ろすか辞めるかの 二者択一を迫られたそうです 15歳の女の子は 自分は頭が良くて面白い人間で どんな仕事にでも就けると思うけれど 医者になっても弁護士になっても 現実は同じことだと書きました なぜなら 周囲の人々やメディアが 女性は結局のところ 性的魅力があるかどうか 胸が大きくて腰がくびれた 体型に育つかどうか 男にモテるかどうかが 大事であると言うからです 13歳の女の子は 学校で男子に ポルノ動画のセックスシーンを 携帯で見せられて 今ではセックスが怖くて 毎晩泣いているそうです それまで気付かなかったけど セックスというものは 女性が痛い思いをして 泣き叫ぶことだと知ったからです パキスタンのある女性は 虐待の事実を 家族の名誉を守るために隠していると書き ブラジルでは 通りすがりに 気安く言葉をかけてきた男3人を 無視したら車でさらわれそうになった という女性までいました あるメキシコの女性は 大学の教授にこう言われたそうです "Calladita te ves más bonita" 「黙っていれば可愛いんだよ」 これは私が政治を題材に スピーチをしたときのコメントです [ローラは とにかくオッパイ出せよ 品定めしてやるから] [別に女だから差別してるわけじゃないが いいモノ持ってそうだし…] そして レイプを予告するツイートが 毎日のようにありました 1日1件どころじゃなく 200件にのぼることもありました 公に主張をしているがためにです 皮肉にも こうして この企画の邪魔をしようと 暴言を吐いてくる人々そのものが これがいかに重要で必要な企画であるか という証なのです [死ね クソ女] 一部の人には私の存在が あまりにも脅威だったようです 単に男女平等について 語りたいという理由で 女性の声に力を与えるため プラットフォームを作っただけで 凶器の種類と手順を具体的に示し 私の内臓を どう引っ張り出してやろうとか ただレイプするだけではなく 具体的にどんな風に いつ どこで どこの口に突っ込むなど 言ってくる人がいたのですから そんな中 また別の現象が起こり始めました 投稿された経験談が 1万件を超えたところで それまでとは かなり空気の違う話が 投稿され始めました 成功談を聞くようになったのです 様々な女性の成功談です 例えば ランニングが趣味の ある女性は よく道でセクハラに遭っていたけれど そういうものだと思っていたそうです サイトの経験談を読んだ彼女は 他の女性がセクハラに 立ち向かっていることや これが普通なのはおかしい 間違っているという意見の人も いることを知りました その後 ランニングに出たとき 車に乗っている男に呼び止められ 道を聞かれました 道を教えようと近づくと 車の窓から男が手を出し 彼女の胸を力一杯 わし掴みにしてきて すごく痛かったそうです 今までの経験が蘇り この状況で通常生まれるような感情が どっと流れ込んできました— 恐怖 狼狽 恥辱 走って逃げたくなる衝動— しかし同時に 以前には 感じたことのなかった— 他の女性たちが 後ろで支えてくれているような心強さが ほんの一瞬でしたが 強さを与えてくれ 一呼吸おいて 男の車のナンバーを書き留めました 男は現在 暴行罪で起訴されています また 寄せられた中でも2千件 公共交通機関で女性が受けた わいせつ行為や 暴力についての 経験談だけを集めて イギリス鉄道警察に持ち込み 性犯罪の監視手段の見直しを 促すことができました 経験談を分析し 被害を届ける勇気が出ないのはなぜかという 女性たちの生の声を届け 続いて 鉄道警察と協力し 全国のあらゆる人々に呼びかけて 警察も深刻に受け止めているので 被害を届けても大丈夫だと伝えました この「Project Guardian」のおかげで 地下鉄内での性的嫌がらせや 暴力行為の被害を届け出数が 約20%増加しました そして女子大学生との対話も始めました テーマは とてもシンプルなこと 性暴力の定義についてです 英国法の下では 他人に身体の どこを触られたとしても その行為が性的であり 本人の同意がなく 本人が同意していると考える 確かな理由がない場合 それは性暴力の一種です 女子学生たちが言うには 「それが性暴力なわけない 普通のことだし」 「それが性暴力なわけない 友達と出かけるといつも起こることだし」 「それが性暴力なわけない 友達と出かけるといつも起こることだし」 「それが性暴力なわけない そう呼ぶことはできないから 誰も真面目に取り合ってくれないし 警察にも行けなかったし」 このような意識に 改善が見られ始めました 以前は抗議する権利があるなど 思ってもいなかった人々が 被害を届けた話なども 入ってくるようになりました また 性差別に立ち向かったという 経験談を聞くようにもなりました これは興味深く 重要なことでもありました プラカードを振りかざして 抗議デモをしたという話ではなく もちろん それも重要ですが 世界中の女性や男性から寄せられた— 一人一人が その人独自の対抗策を見い出し それが功を奏して 人生が変わったという話だからです 職場でセクハラに遭っていた女性の話では セクハラ関連の就業規則を印刷して 従業員全員の机に置いたら その後は一切なくなったそうです 営業電話にウンザリしていた 女性の話もありました シングルマザーの彼女が 嫌だったのは 毎回「ご主人は」と 訊かれることでした 今では 6歳の息子に 電話を代わって (笑) 出た息子は「やっぱ俺ってセクシー」 と歌うそうです (笑) ある男性は 建築現場を通りかかったとき 作業員たちが 通りの向こうの女性に対して 「オッパイ見せろ!」と叫んだので 自分のTシャツを まくってみせたそうです また ある女性は 道で誰かに「いいオッパイだな!」と 大声で言われるたびに 胸に目を落とし 未知の物を見たかのように 悲鳴を上げるそうです (笑)

(拍手) また 別の男性は 性的嫌がらせについて 考えたこともなかったけれど 経験談を読んだあとに 女性がどんな思いをしているか 理解が深まったそうです その後 道ばたで2人の女性に 絡んでいる男を見かけたとき 男に追いついて肩を叩き こう言ったのでした 「すみませんが どうして あんなこと したんですか?」 男は答えられなかったそうです それまでに一度も 理由を問われたことがなく 男本人にとっても普通だったからです それが普通であるという世界で そういう振る舞いを見て育ったからです これが 本当に大事な部分です 残念かつ歯がゆいことに 今では1つの政策変更や法制定を 槍玉に挙げて これが悪いのだと言うことは できません 特に イギリスでは今 非常に優れた法律があります 代表的な例は 職場でのセクハラに関する法制で 非常によくできています 私のサイトに投稿される数が 一番多いカテゴリーは 女性が職場で セクハラを受けたという話や 暴行されたという話や 差別されたという話です 文化として 社会として 女性やに対する意識や 女性への暴力に対する意識の 改革が必要なのです 真の問題は 周りの人間です セクハラ発言を「軽口」と笑い流し 胸を触られた女性がいても 冗談で済ませるせいで 被害者は 届けるのを 尻込みしてしまうからです でも これはある意味 期待大です 私たち誰もが解決に貢献できる という意味ですから エブリデイ・セクシズム・プロジェクトは 少なくとも 性差別は それぞれ 単独の出来事ではなく 全て関連しているという証にはなりました 女性に対する差別的な 考えや態度があるから 「些細なこと」扱いになる 性差別や嫌がらせが起こり それを 軽く流せ 騒ぎ立てるな などと言う人が多いのであり 女性に対する差別的な 考えや態度があるから もっと深刻な 暴行や強姦が 発生するのです これはつまり 社会が持つ 女性に対する 意識の改革に どこでもいいから1つ メディアの世界であろうが 仕事の世界であろうが 対人関係でも経済であっても 貢献することで 他の領域でも 女性に対する意識や扱いを 変える流れに加われるということです つまり 私たち誰もが 変革の一端を担うことができるのです 狙いは 必ずしも加害者を 吊るし上げることではなく また 決して被害者に 特定の振る舞い方や 反応の仕方を 指図することでもありません セクハラを受けた女性に 誰にも言えないような思いをさせた 職場の同僚たちや あの日 バスの中で目をそらした人たちを 変えていくのが目的なのです みんなで変革に加わりましょう 姪に化学実験セットを 甥におもちゃの台所をプレゼントする— かっこいい叔父・叔母になりましょう 女性を蔑む呼び方はやめようと はっきりと男友達を諌められる 若者になりましょう 痴漢行為に遭った人に対して 真剣に対応してもらえるんだ— 被害を届ける権利があるんだと 気付かせてあげられる人になりましょう タブロイド紙の編集者なら 女性の胸の写真が ついていない記事を依頼しましょう バス停で女性が嫌がらせを受けていたら 助けに入れる人になりましょう バスの中で痴漢がいたら やめるようにと言える人になりましょう みんなで声を上げれば上げるほど より響くのですから (拍手)