ジャミラ・ラキーブ
961,987 views • 8:57

物心ついてからずっと 戦争は私の人生の一部でした ソビエト侵攻のちょうど6ヶ月後に アフガニスタンで生まれました あまりにも幼くて何が 起こっているのか分かりませんでしたが 周囲には深い苦しみと 恐怖の空気が立ち込めていました

その頃の体験が 戦争や紛争の捉え方に 大きな影響を与えました 本当に重要な問題が迫ると ほとんどの人は 屈服などしないものだと 分かったのです このような紛争 すなわち 人権が侵害され 自国が占拠され 迫害され 服従と屈辱を強いられる場合 それに抵抗し 反撃に出る為の 強力な方法が必要となります いかに暴力が破壊的で 悲惨なものであったとしても 民衆がそれを 唯一の選択肢と見なすなら それを選ぶでしょう 私達の大多数は 世界的な暴力の現状を憂慮しています しかし暴力の非人道性を 民衆に訴えても 戦争は止められません 少なくとも暴力と同じくらい 強力で効果的な手段を 提供しなければならないのです

それが私の仕事です 過去13年に渡って 私が続けているのは 世界で最も過酷な状況に置かれた 民衆に向けて 暴力に頼らない闘争を通じて 紛争を遂行する方法を伝える活動です 誰もが この種の行動をガンジーや キング牧師と結びつけますが 何千年もの間 民衆は 非暴力の行動をとって来ました 実際 私達が今 アメリカで 手にしているほとんどの権利 — 女性の権利や 少数派の権利 労働者の権利 性的指向が異なる人々の権利 環境に関心を持つ 市民としての権利は 私達に与えられたものではなく それを求めて戦い 犠牲を払った人々が 勝ち取ったものです しかし私達は その歴史から学んではいません テクニックとしての非暴力の闘いは 広く誤解されているのです

最近エチオピア人の 活動家のグループと出会い よく耳にする ある事を言われました 彼らは既に 非暴力の行動を試行しているが 失敗したと言ったのです かつて彼らは 抗議運動を行いましたが 全員 政府に逮捕され それっきりになりました 「非暴力闘争=街頭デモ」という 考え方こそが 真の問題なのです 抗議行動は民衆が変革を求めていることを 示す優れた方法にはなりえますが それだけでは 変革は起きないからです 少なくとも根本的な変革は ―

[ こんなことには反対!] (笑)

相手は強敵ですから 丁寧に頼んだからといって 民衆の言いなりにはなりません ひどい頼み方をしたって同じです

[ 気に入らねえ!] (笑)

非暴力の闘いが 効果を発揮するのは 敵を実際に攻撃する時ではなく 敵の存続に必要な仕組みを特定し その力の源を奪う時です 非暴力活動家は 兵士に離脱を促すことで 軍を無力化し ストライキやボイコットを通して 経済を停滞させ 新たなメディアを作り出すことで 政府のプロパガンダに 対抗できるのです

その為に使われる 様々な方法があります 私の同僚で助言者である ジーン・シャープは 198の非暴力行為の方法を 考えました 抵抗はその1つです 最近の例をお話ししましょう

数ヶ月前まで グアテマラを支配していたのは 犯罪組織とつながりのある 腐敗した元軍高官達でした 皆 大抵それに気づいていましたが 為す術がないと 感じる人がほとんどでした ところが わずか12人から成る 市民グループが Facebook上で 同胞に向けて呼びかけました こんなメッセージを掲げて 中央公園に集まるようにです 「Renuncia YA」― 即刻辞任せよ すると驚いた事に 3万人の人々が現れたのです 群衆が そこに数ヶ月留まる間に 抗議は国中に広まりました ある時 主催者達は様々な政府庁舎に 何百個もの玉子を送りつけました こんなメッセージを書いて 「腐敗した立候補者の出馬すら 止められないほどの タマ無しなら 私達のを貸すよ」

(笑)

(拍手)

モリーナ大統領は それに応えて 絶対辞任しないと宣言しました それで活動家たちは ただ抗議を続けて 辞任を要求するだけでは 駄目だと知ったのです 有無を言わせず辞任に 追い込む必要がありました そこで彼らはゼネストを組織し 国中の人々が 労働を拒否しました グアテマラ市だけで 400ヶ所以上の会社や学校が 門を閉ざしました その一方 国中の農民が 幹線道路を封鎖しました 5日間で大統領は 他の何十人もの政府官僚と共に 即座に辞任しました

(拍手)

私は 世界中ほぼすべての国で 非暴力行動を行っている民衆の 創造性と勇気に 大いに勇気づけられました 例えば 最近ウガンダの 活動家のグループが 通りに輸送箱一杯の豚を放ちました 警察が扱いに困っている様子が わかるでしょう

(笑)

その豚は与党の色に塗られていました 1匹は帽子まで被っていました 皆が知っている例の帽子でした

[ ヨウェリ・ムセベニ ウガンダ大統領 ] (笑)

世界中の活動家は マスコミに アピールするのがうまくなっていますが それが大きな戦略の 一部でないなら 個々の活動に ほとんど効果はありません 戦争に勝つための計画が無いなら 将軍だって部隊を戦闘には送りません それなのに非暴力運動は ほぼ世界中で無計画に行われています 非暴力闘争は 少なくとも 軍隊による戦闘と 同じくらい複雑です その参加者は十分に訓練され 明確な目的を持ち 又その指導者は その目的を達成する 戦略を持たなければなりません

戦争のテクニックは 何千年にも渡って 莫大な財源と 仕組みの理解と改良に全力を注ぐ 人類最高の頭脳を使って 進歩を続けています 一方で非暴力闘争の 体系的な研究はほとんど行われず 指導者の数も 増えてはいるものの わずか数十名に留まります それは危険な事です 紛争を扱う昔ながらの アプローチは 私達が現在直面している 新たな脅威に適さないことが 分かっているからです

アメリカ政府は 最近ISISとの闘いに 行き詰まっている事を認めました ただ ほとんど知られていませんが 民衆は非暴力活動を通じて ISISに立ち向かっています 2014年6月 ISISがモースルを占拠した時 自らの過激主義のイデオロギーに基づく 新たな公立学校の カリキュラムを導入すると公表しました しかし開校初日 生徒は1人も現れませんでした 親が登校させることを 頑なに拒んだのです 親達はメディアに訴えました 子供を洗脳されるくらいなら 家庭で教育した方がいいと

これはわずか1つの町での たった1つの抵抗の例に 過ぎません でも もしこれが 他の何十件もの ISISに対する非暴力抵抗運動と 協調していたら どうなるでしょう? もし親達のボイコットが もっと大きな戦略 すなわち ISISが活動するのに必要なリソースを 特定し遮断する戦略の一部だとしたら? 食物の生産に必要な 熟練した労働力や 石油を採掘し精製するのに必要な エンジニア メディア・インフラや 情報通信ネットワーク 輸送システムや 地元企業からISISを切り離す 戦略だとしたら? 非暴力でISISを打ち負かす事を 想像するのは 難しいかも知れません しかし紛争についての考え方や それに直面する際の選択に 異議を唱える時が来ているのです

これこそが広める価値のある アイディアなのです 非暴力行動がどんな場面で役立つのか また それを より強化する方法について学びましょう ちょうど私達が 他のシステムや技術を絶えず効率化し 人類の要求に見合うものに してきたのと同じように 戦争の代わりとして 益々使われるようになる所まで 私達は非暴力の行動を 進歩させられるかも知れません 弓矢が使われなくなっていったように 紛争の手段としての暴力は 放棄されるかもしれません 私達は弓矢をより効果的な武器と 取り替えて来たのですから 人類の革新を以ってすれば 非暴力を 戦争の最新テクノロジーより 強力なものに出来るのです 人類にとって最大の希望は 暴力を非難する事ではなく 暴力を「過去の遺物」に する事にあるのです

ありがとうございました

(拍手)