ヘリバート・ヴァツカ
1,708,054 views • 15:14

この技術は 私たちに非常に重要な 影響を与えました それは私たちの歴史の 発展の仕方を変えました しかしこの技術は 広く浸透し 目立たないため 私たちが人間の進化について 考えるにあたり 長い間 この技術を考慮することを 忘れていたほどです この技術の結果は 分かります ちょっとした テストをしましょう 皆さん 隣の方と向かい 合ってください 面と向かい合ってください どうぞ 2階席の皆さんも 笑顔で 口を開いてください 親しげな笑顔で お願いします (笑) ではみなさん 犬歯はありましたか? (笑) ドラキュラ伯爵の牙が お隣さんの口に 生えていませんでしたか? もちろんなかったでしょう 私たちの歯は 歯科解剖学上 骨から生肉を削ぐためでも 線維質の葉を何時間も 噛むためのものではないからです 私たちの歯は やわらかく 線維の少なく そして噛みやすく 消化しやすい 食事のためです ファーストフードのことのように 聞こえますね

(笑)

私たちは調理した食事に 適した歯を持ちます 私たちの顔には 調理 つまり 食材に加えられた変化が 私たちの現在ある姿に 現れています 従って私たちの分類について 提案があります 私たちは雑食動物ですが coctivor (調理食動物)と 呼ぶべきだと思います (笑) ラテン語の調理するという 言葉から付けました 私たちは調理した食材を 食べる動物なのです いえいえいえ 調理したもので生きている といった方が良いでしょう 料理とは非常に 重要な技術なのです そう 技術なのです どう思われるか 分かりませんが 私は娯楽として 料理をします 上手に料理するには デザインが必要です 料理は重要技術です これによって私たちは 今日に至るものを 獲得してきたのです それは大きな脳です 素晴らしき大脳皮質です 脳は高く付きます 教育費が必要です (笑) それに代謝の面でも 高く付きます 脳は体重の 2% から 3% 程度の 大きさですが 消費エネルギーの 25% を使っています 脳は高価なのです そのエネルギーは何から得るか? もちろん食べ物からです 生の食材を食べても あまりエネルギーにはなりません 私たちの先祖の発想から この素晴らしい技術が 発明されました 目立たない みんな毎日していることです 変異や 自然淘汰や 環境が 私たちを発展させられたのも 調理によって 可能になったのです 調理によって 可能になったのです

調理と食べ物によって 人間の能力が 解放されたことを考慮すると どうして食べ物が 悪く言われなくては ならないのでしょう? 何故いつも身体に 良いか悪いかの 二つで語られるのでしょうか? 良い点については 能力の解放について 振り返りましょう 人間の可能性を 高め続けたことについてです 調理によって私たちは 移住性も獲得しました 人類はアフリカから 二度旅立ちました あらゆる環境下で 生活するようになりました 調理さえ出来れば 移住先で何を見つけようとも それを食べられるように するからです このことは常に頭を 働かせることにも繋がります この非常に簡単な技術は このやり方を 実践した末に発達したのです 食べられそうなものを見つけ 調理すれば それがお手軽な エネルギー源となります

この技術は 脳と腸に影響を与えました 脳は発達し 腸は縮みました 私の体型からは 分からないかもしれませんが (笑) 私と同体重の 霊長類の腸に比べ 私と同体重の 霊長類の腸に比べ 六割に縮みました 食料の調理によって 消化が簡単になったためです ご存じの通り 大きな脳は 大きな強みとなります 環境を左右するように なるためです 自らが生み出した技術を 改良できます 継続的に刷新と 発明ができます それは調理技術に対しても 同様です ではどのような経緯を 辿っていったのでしょう? 脳はどのように 影響したのでしょう? 何を基準として 変化していったでしょう? それは味覚という報酬と エネルギーです 私たちは五つの味覚がありますね その内三つが 私たちを支えています 甘みはエネルギー 旨味 肉の旨さです 筋肉や 病気からの回復に タンパク質が必要です 塩味 電気信号で動く体のために 塩分が必要です 後の二つは身を守ります 苦みと酸味 これらは毒性や腐食を 示してくれます これらはハードウェアに 縛られたものですが 私たちは精巧に 利用しています ほろ苦いチョコレートを 思い浮かべてください あるいはヨーグルトの酸味と イチゴの素晴らしい 組み合わせを 思い浮かべてください

私たちはこういった無数の 組み合わせが作れます なぜなら調理によって 食べ物を工夫できるからです 報酬 これは複雑で さまざまな要素が 絡み合っている 脳機能です 環境の状態や身体の状態 気分などが関係しています 好きではない食べ物でも お腹が空いていると 非常に満足するでしょう 満足というのが 重要な点です 先に触れたとおり エネルギーは必須です

そこで腸はどのように 発展に関わったのでしょう? 腸は無言の声を発します 声というより 気持ちに近いです 私は消化の快適さと 表現します 腸が実際に関わっているのは 消化の不快さの方です 胃痛や膨満感などによって 適切な食事であったか 適切な調理であったか その他の不備は無かったか 知らせてくれます 私の話は二つの脳についてです 驚かれるかもしれませんが 私たちの腸には 完全に機能する脳があるのです この場にいる管理職の方は こう言うでしょう 「そんなの知ってるさ 腹を探るとか いつもやっていることだ」 (笑) 実際 腹の感覚というのは みんな使ってるし有用なものです それは腸が感情を司る 脳の辺縁系と繋がっているためです 腸と辺縁系は 互いにやりとりし 物事を判断します そして腸に 脳があると言うことは 大脳だけが 食べ物に 情報を伝える必要が あるのではなく 食べ物が 脳に情報伝達を する必要があります なぜなら私たちは 脳に語りかける方法を 学ぶ必要があるからです

腸に脳があるなら その使い方を学ぶ 必要があります さて 150 年前 解剖学者は精密に 記述しました こちらは消化管の壁の構造です ここでは三つの構造を 取り上げます 胃 小腸 結腸です こちらの構造には ピンクがかった 二つの層が見えます これは実は筋肉です 筋肉の層の間には 沢山の神経組織が 見つかりました それは筋肉と 粘膜下組織を 貫通しています ここには免疫システムの 全ての要素が詰まっています 腸は皆さんの身体を守る 最大の免疫システムなのです 食べたものは 粘膜を通り抜けます この層が実際に 皆さんが飲み込んで 消化した食べ物に触れる 管腔です 腸については 引き延ばすと 40 メートルにもなります テニスコートの長さです もし広げたら 畳まれている部分を 全部伸ばせば 400 平方メートルになります

そしてこの脳の役割は 腸を筋肉で動かし 表面を守り そしてもちろん 食べ物を消化することです この脳の仕様ですが これは自律しており 5 億個の神経細胞と 1 億個のニューロンを有します 猫の脳と 同じくらいの大きさです つまりここに小さな猫が 寝ているわけです 自ら考え 上手に消化します 腸には 20 種類の ニューロンが存在します この規模の多様性は 豚の脳に見られます 豚の脳には1千億の ニューロンがあります 自律的な 組織化された 微小回路であり プログラムが実行できます 食べ物を感知し 何をしたらよいかを正確に知っています 食べ物を化学的に そして機械的に感知している点も 重要です 食べ物を移動させ 消化に必要な さまざまな物質を 混ぜる必要があるためです この筋肉の制御は 非常に重要です 神経反射も含まれます 食べ物がいやだったら 特に子供は ゲッとします その反射を引き起こすのが この脳です 最後に 調理した食べ物を 実際に消化する 酵素の分泌も制御します

二つの脳はどのように 協働するのでしょうか? ロボット学のモデルを 用意しました 包摂アーキテクチャと 呼ばれるものであり これは私たちが階層型の制御システムを 持っていることを示しています 下層に属する腸という脳は 消化や防衛といった 独自の目的を持っており 上層の脳は 行動の統合や形成といった 目的を持っています 青い矢印のところですが どちらも 腸の一部分の 内腔にあり 同一の食べ物に対応します 脳は信号を統合します 腸にある脳の行動から 発信される信号をです 包摂が意味するところは 頭脳が腸の脳に 干渉できるということです 脳は信号を 置き換えたり 抑制できます 2種類の信号を考えてみます 例えば空腹信号です 空腹なら 胃はグレリンという ホルモンを産生します 非常に大きな信号で 脳にこう命令します 「食べに行け」 停止信号もあり 八種類もの信号があります 私の場合 この信号は無視されますけどね (笑)

では もし頭脳が統合の段階で 信号を無視したら どうなるでしょう? 空腹信号を無視すると 拒食症と呼ばれる 疾患に罹るでしょう 健常な空腹信号の 発信があるにも関わらず 脳はそれを無視し 腸に他のことをさせます もっとよく見られるのは 過食でしょう 信号を受け取っても それを変え 食べ続けます 八種類の信号が こう止めてもです 「止めて エネルギーは もう十分に送ったよ」 興味深いのは 下層である 腸で 消化できるものが 未消化のままあると 信号はどんどん 強くなります これは肥満外科より 明らかになりました 信号はどんどん 強くなっていきます

ここで調理と デザインの話に戻ります 私たちは頭脳に語りかける 方法を学びました ご存じの通り 味と報酬です 頭脳も無視が出来ないほど 強力な信号を 腸の脳が発信するための 言語は何でしょう 私たち皆が望む ある状態を生み出します 空腹と飽食の バランスです 私たちの研究成果から 短い提言があります これは脂肪の消化です 左は オリーブ油の小滴です これは酵素から 攻撃されます これは試験管内の実験です 腸で研究を行うのは 非常に難しいのです 誰もが 油が分解され 成分が遊離すると 吸収されて なくなると予想するでしょう しかし実際はとても 複雑な化学構造が現れます ご覧頂けるでしょうか リング状になっているものが 中央の画像に見えます 水です このシステム全体が 大きな表面を生成し より多くの酵素が 残った油を 分解することができます そうして右の写真は 泡立った 細胞のような構造が現れます これから身体は 脂肪を吸収します その 分子構造の 言語を用いて その 分子構造の 言語を用いて 持続時間を延ばし 消化物が腸を通り過ぎる間 ずっと発生すれば より強力な信号を 発信できます

私たちの研究は 大学などの研究でも 同様だと思いますが この点に取り組んでいます すなわち 些細なことに 聞こえるかもしれませんが 調理をどう 変えていけるかについてです どう調理すれば この言語を 発生させられるでしょう? 私たちの問題は 雑食動物のジレンマではありません 私たちは調理食動物としての 機会があります 過去二百万年で 味や報酬を獲得したためです それは調理するのに 洗練された機能で 私たちに快感と 満足を与えてくれます これまでの組み合わせに 今後の課題である 分子構造の言語を加えれば エネルギー摂取を 調整できるようになり バランスをとれます そしてそれは 私たちの原始的な行動である 調理から生まれます 従って調理を本当に 重要な要素にするには 哲学者たちさえも 調理が私たちを 作ったのだと 考えを改めなければ ならないでしょう

ですので私はこう言います 「我調理するゆえに我あり (coquo ergo sum)」 どうもありがとうございました

(拍手)