Geoffrey West
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都市は文明のるつぼです 都市は拡大し続けていて 都市化が広がり この200年では爆発的な成長です 今世紀後半には この惑星は都市によって 完全に支配されることになるでしょう 都市は温暖化の根源であり 環境に悪影響を及ぼし 健康 公害 疾病 財務 経済 エネルギーなどを含め これらはすべて 都市化に起因する問題で 都市化こそ原因なのです 「持続可能性」がキーワードとなる 我々が現在直面している 数多くの問題もまた 地球規模の急激な都市化がもたらす 問題なのです

いくつかの数値を紹介しましょう 200年前 アメリカの都市化は 数パーセント以下でした 今では82パーセントを超えています 地球全体では 都市化は数年前に50%を過ぎました 中国では これから20年間の間に 300もの都市が新たに作られます 驚くなかれ 当分の間 毎週 2050年までの間 毎週 100万人以上もの人が 都市に移り住んで行きます 影響を受けないものはありません みなさんも-もし生き延びているとしてですが 都市で起きている この並外れた現象により 影響を受けます しかしながら都市は このようなマイナスの要素を持つ一方 解決策でもあります 都市は独創的な人々を引き付ける 吸引機であり 磁石だからです 彼らは アイディア 革新 そして富を 新たに創出します つまり ある種の二面性があるわけです そして 現在早急に必要とされているのが 都市に関する科学的理論です

こちらは 共に研究に取り組む仲間達です この研究には 素晴らしい人々取り組んでおり 彼等が実際のすべての研究を行い 私はそれらを取りまとめようとする 大ほら吹きというわけです

(笑)

ということで問題はこれです 2050年には 地球上の100億人が このような場所に住み こういったモノを所有し こういった生活をしたいと望み その間 経済は右肩上がりを期待してます しかしながら エントロピーの増加は こうした結果を招くことは理解されていません これとか これとか こういうことです 考えてみて下さい これが エジンバラ ロンドン 及びニューヨークの 2050年の姿か? それともこうか? これが問題です そして 残念ながら多くの指数は このような結末の可能性が高いことを示しています 詳しく話しましょう

私の挑発的な命題は 都市についての 真面目な科学的理論が早急に必要だというものです そして科学的理論とは 数値化可能であり 基礎となる一般化された法則に基づき 予測が可能となるフレームワークを 作れる事が必要です 実現可能でしょうか? 普遍的な法則など存在するのか? 私がよく頭の中で投げかける 二つの質問があります まず第一には 都市は生物学の一部なのではないのか? ロンドンは大きなクジラではないか? エジンバラは馬ではないか? マイクロソフトは巨大な蟻塚ではないか? このような例えから何を学ぶことが出来るのでしょうか? 私たちは 会社の「DNA」 都市の「代謝」など こういった言葉を比喩的に使います こうした比喩は戯言に過ぎないのか? それとも検討に値するものでしょうか? もしあるのであれば どうして都市を殺すのがこんなに難しいのでしょうか? 都市に原子力爆弾を落としても 30年後 まだ生き残っています 消滅する都市というのは非常に稀です 会社はというと すべての会社は必ず死に絶えます 真面目な理論があれば 例えばいつGoogle社が破綻するか 予測が可能な筈です

つまり ここにお見せしているものは これの一種なのでしょうか? こっちの方は我々はよく理解しています 一般的な質問への答えは持ち合わせています ある特定のサイズの木は何本あるか だとか 木には特定の太さの枝が何本あるか だとか 葉っぱの数だとか 枝を流れるエネルギーの量だとか 林冠の面積だとか 成長の早さ 死亡率についてなど 一般化された普遍的な法則に基づいた 数学的なフレームワークがあり これらの質問に答えることができます 同じ事を都市に対してできるのでしょうか? 解決への糸口は 生物の驚くべき事実の一つ を認識することにあります 生物はスケーラブル(拡大縮小可能)だということです そして これは驚くほど幅広い範囲で働きます これは全体を見れば比較的小さな範囲ですが 私たち哺乳類を示しています 人間は 哺乳類の一部なので 同じ原理 同じ力学 そして同じ体系が働いています 人間を含めたこれらの動物全てに そして 理論は1億倍まで拡大可能です そしてこれが 拡大縮小可能性(スケーラビリティ)こそが 生物の生命力の源であり 強固である 主たる理由です これについてまた後ほど話します

しかしご存知かと思いますが 身近なレベルでは あなた この部屋にいる全員が拡大可能です 成長とも言います 人間はこんな感じに成長します これはラットですが 同じです 哺乳類の成長は大体のところ同じです グラフを見ると よくご存知かと思いますが 急激に成長して 成長が止まります そしてこの線は さきほどの森林の成長と 同じ原理であり 同じ理論から予測できます こちらはラットのグラフです このグラフは 年齢と体重の関係を示します ある程度成長すると 止まります 生物にとってはとても良いことで 生物の素晴らしい生命力の理由のひとつです しかし経済だとか 会社 都市にとっては 現在のパラダイムでは とてもとても悪いことです これが考えられていることです これが経済全体が私たちに 突きつけているものです 特に左下側の ホッケースティックが象徴的です これらはソフトウェア会社の 設立からの年数に対する売上をグラフ化したものです すべてグングン伸びていて 何百万もの収益を得ています

この現象はどうやって理解したら良いのでしょうか? まず生物学について話しましょう この表が 実際どのように ものが拡大縮小するかを示しています このグラフは本当に驚嘆に値するものです このグラフで描かれているのは 代謝率です 一日生きるのに必要なエネルギー量です これが体重・質量に対して示されています 私たち様々な生物のデータが表示されています 面白いですが 軸は10倍ずつ増加するように描かれています こうしないと すべてのデータがグラフに収まらないからです そして このようにちょっと面白い方法で データをグラフ上に表すと すべてが同じ直線上にあることが分かります 世界でもっとも複雑で 多様な システムであるのに関わらず 信じられないほど簡素な法則が ここに示されています 特に驚愕すべき点は それぞれの生物 サブシステム 細胞の種類 遺伝子は 独特のニッチな環境で進化を経ており ユニークな歴史を持っています しかし それぞれのダーウィン進化 そして 自然淘汰に関わらず 直線上に並ぶように不思議に制約されています

何か他の因子が働いています その事について話す前に ここの下にも書いてありますが この線 直線の傾きに注目してください 直線の傾きは おおよそ4分の3です 1以下の傾きのこのような線を 準線形と言います これは何を意味するのでしょうか もし傾きが1で 完全に線形だったとしたら 体重が2倍になると エネルギーも2倍必要になることになります しかし準線形なので これはどういうことかというと 生物の体重が2倍になっても 必要なエネルギー量は75%しか増加しません つまりすべての生物において素晴らしいのは とても驚くべきスケールメリットがあるということです つまり 大きければ大きいほど この明確に定義されたルールに従って 単位毎のエネルギー消費量が少なくなるのです さて 考えうるあらゆる生理学的な特徴 生命の歴史上の出来事 これらを同様に グラフで示すと 同じ結果が得られます これは驚くべきほどの規則性です なので ある哺乳類の大きさから 生理学 生活史 などについて その動物について 全てのことを90%の誤差で推測できます

この理由はネットワークに起因します すべての生命はネットワークによって支配されています 細胞内ネットワークから 細胞間ネットワーク そしてエコシステムレベルまで これらのネットワークについて皆さんよくご存知でしょう これは象の中にある小さなネットワークです 私が言いたいことは次のようにまとめることが出来ます これらのネットワークに着目し ネットワークの観点を 普遍的な原則を当てはめ 数学的 普遍的な原則を当てはめると これら全ての縮小拡大 および制約が導かれます 森林についての説明然り 細胞システム然り 細胞内のシステムについてもです 冒頭で深くは追求しませんでしたが 生命のペースというのは 体系的に 大きくなるにつれてゆっくりになります 心拍は遅くなり 寿命が長くなります 酵素や栄養が細胞膜に浸透する 速度もよりゆっくりになります

問題は 同じ法則が 都市や会社にも適応するかということです ロンドンはバーミンガムを拡大したものか バーミンガムはブライトンを拡大したものなのか? ニューヨークはサンフランシスコを拡大した物なのか? サンフランシスコはサンタフェの拡大なのか? 分かりません またこれについて話します しかし都市もネットワークには変わりありません そして 都市におけるネットワークで一番重要な要素は みなさんです 都市とは 単純に言えば 人々の相互関係 私たちの相互作用 そして個人の集まりやグループを具象化したものです これは それを象徴した絵です そしてこれが都市の拡大縮小です この図では とてもシンプルな例として ちょっとつまらないですが 都市の大きさを変数とした ガソリンスタンドの数のグラフです 生物学と同じようにプロットされていますが まったく同じ現象が見られます

拡大縮小性があります つまり 都市の大きさから その都市にあるガソリンスタンドの数が 求められるということです この線の傾きは1より小さいです スケールメリットが見られます 1人あたりの給油所の数は 都市が大きいほど小さい これ自体は驚くことではありませんが 驚くべきなのは 同じ法則が世界中どこでも同じだということです ここではヨーロッパの国だけを示していますが 日本や中国 コロンビアなどで同じ分析をしても 結果は同じで 同じようなスケールメリットが 同程度に見られます 同様に 他のインフラを見ても 例えば道路の総距離や電線の量など すべてが 同様のスケールメリットを示します これは 個々の都市計画などに関係なく 進化した統合システムです さらにびっくりするのは 生物学への類似がまったくない 8千年〜1万年前にコミュニティを形成しはじめてから進化した 社会経済の数値に 注目したときです 一番上のグラフは都市の規模に対する収入を 同じようにグラフで表した物です 下のグラフでは 同様に 聴衆のみなさん 超独創的な人の人口を表しています ここで見られるのは 拡大縮小の現象です しかし もっとも重要なのは 傾きが 生物の代謝では4分の3であったものに 相当するものが なんと1より大きい 1.15〜1.2くらいです このグラフは 都市が大きければ大きいほど 人口1人あたりの富が多いということを示します生物学の場合とは逆に 収入がより高く 超独創的な人の人口あたりの数が増え 人口1人あたりの特許数 犯罪件数も同じです

他の特徴もすべて確認しました AIDSの件数 インフルエンザ などなど ここにすべてグラフ化されています なにをグラフ化したかというと ここでは収入 およびGDP 都市のGDP 犯罪件数 および特許を一つのグラフで表示しています すべて同じ直線を形成することが分かります そしてこれが結論です 都市の規模を10万から20万へと倍にしても 100万から200万に倍にしても 結果は同じです いずれも機械的に 15%の増加が見られます 収入 富 AIDS件数 警察の数 その他思いつくこと全てに関して です 15%の増加です そしてインフラに関して 15%の効率化が期待できます これが 毎週100万人もの人々が都市に集まる 明白な理由です 彼等は クリエイティブな人々 富 収入だとか 素晴らしいものが 魅力的で集まっているのであり 汚いもの 悪いものには目を背けてしまいます

何故でしょうか? 数学的なことをすべて語る時間はありませんが 根底にはソーシャルネットワークがあります 何故なら これは普遍的な現象だからです この15%の法則は 地球上のどこにいても 当てはまります 日本 チリ ポルトガル スコットランドどこでも関係ありません データは必ず同じ傾向を示します これらの都市が独自の進化を遂げたという事実に関わらず 普遍的な何かが起きています 繰り返しますが この普遍性とは 私達自身です 私達自身が都市なのです 私達の相互関係と交流 そして 相互関係の集合です 繰り返しましたが お分かりでしょうか もしこれらのネットワークおよび数学的構造が 生物では準線形に拡大 つまりスケールメリット 体を大きくなるにつれて生活のペースが 緩やかになっていました ソーシャルネットワークが超線形 つまり 人口1人あたりの値の増加が事実であれば 理論的には 大きくなるにつれて生活のペースが増加します 都市が大きければ大きいほど生活のペースは早まります 左側には生物における心拍を 右側には ヨーロッパの諸都市における歩行速度が 増加していることを 表しています

最後に 成長について言及します 繰り返しになりますが 生物学では スケールメリットがあり S字形の成長が見られました 素早く成長して それから成長が止まります これは生物を強固にしている要素です しかし 経済や都市にとっては悪いことです 実際のところ この理論の素晴らしいところは もし富の形成および革新が 超線形的にスケールする場合 同じ理論より 美しい指数増加の曲線が予測されます 実際に実データと比較すると 都市や経済の発展と 良くフィットすることが分かります しかし これには恐ろしい落とし穴があります 落とし穴とは システムは崩壊する運命にあるということです 幾つもの理由で 崩壊する運命なのです 理由はマルサス的なもので つまり資源の枯渇です どうやってこれを回避するのか?以前にも成功しています

なにが起きるかというと 人口が増加して 崩壊が近づくと 大きな革新が起き またスタートに戻ります そしてまた次の崩壊の危機に近づくと再スタートするのです ここに 革新の継続的サイクルがあり これは 持続可能な成長と崩壊の回避には 必要なものなのです しかし 落とし穴は 革新が次々と 加速しなければならないということです イメージとしては 加速しているトレッドミルの上を走っているという他 トレッドミル自体もどんどんと早く交換しなければならないということです 我々は継続的に加速し続けなければなりません 問題はこれです 我々は 社会経済の存在として 心臓発作を回避することができるのでしょうか?

終わる前に 最後の2, 3分で 会社の事について問いたいと思います 会社も拡大縮小性があります 一番右上の点は 実はウォルマートのものです 同じグラフです これは 収益と資産を 社員数で表した企業の大きさを変数としてプロットしています 売上高でも他の指数を使っても結果は同じです ご覧の通りです 初期の方の変動― 企業が革新を起こしている時期の後は 美しく拡張しています 23,000もの米国の会社のデータを 収集しました お見せしているのは その全データのほんの一部です

これらの企業の驚くべきところは 生物と同じように 準線形に拡大しているということです つまり 企業は 超線形の 革新やアイディア ではなく スケールメリットによって 支配されているということです この解釈では 経営官僚制や事務・管理が その要因と言えます ですので ある企業の 例えば小さい会社の大きさから ウォルマートの大きさを推測することができるわけです もし準線形に拡大しているとしたら 理論的には S字形の成長が見られる筈です ウォルマートの成長を見ると S字にはあまり見えません 期待通り ホッケースティックのように成長しています ズルにお気づきですか? 1994年までのデータしか表示していません 2008年までのばしてみましょう 赤の線が理論上のものです もしこの分析を1994年にしたとしたら 現在のウォルマートがどういう状況か推測できたでしょう そしてこれは全ての規模の会社を通して 繰り返されます ご覧の通りです23,000の企業の成長です 全て 最初はホッケースティックのように成長しますが そこから曲がってしまい あなたや私のようにすべて死んでしまいます

ありがとうございました

(拍手)