エリザベス・コックス
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大切な試験があると 何週間もかけて勉強します 試験当日 問題用紙が配られるまで 緊張の時間を過ごします 問題を解き進めていくと 「アタラキシア」の定義が問われます 見覚えのある言葉ですが 頭の中は真っ白です いったい何が起きているのでしょうか?

その答えはストレスと記憶との間の 複雑な関係にあります その答えはストレスと記憶との間の 複雑な関係にあります ストレスには色々な種類と度合いがあり 記憶にも異なる種類があります しかし ここでは 短期的なストレスがどのように 記憶に影響するのかに注目してみましょう

まず この種の記憶がどのように機能するのか 知っておくといいでしょう あなたが読んだり聞いたり勉強した事柄は 主に3段階のプロセスを経て記憶されます まずは情報の獲得 これは新しい情報に遭遇するその瞬間です それぞれの感覚の体験が 脳のそれぞれの領域を活性化します

長期的な記憶となるには これらの感覚の体験を 海馬が整理する必要があります このとき扁桃体の助けを借りて 強い感情と関連付けられた経験が 強化されます その後 海馬は記憶を分類するのですが おそらく最初の感覚の体験の際に刺激された シナプス結合を強化しながら行います

記憶が分類されると それはそのまま覚えておいたり 後で取り出せたりします 記憶は脳のあちらこちらに記録され 前頭前野が取り出す信号を発信するようです

では ストレスはそれらの段階において どのように影響するのでしょうか? 最初の2段階では 実は 適度のストレスが 体験を記憶にするのを助けます 私たちの脳はストレスの刺激に対して コルチコステロイドという ホルモンを分泌して反応し 偏桃体の脅威検出プロセスと 脅威に対する反応プロセスを作動させます 偏桃体は海馬に合図を送り ストレスの原因となった体験を 記憶として整理します また ストレスによって誘発された コルチコステロイドの洪水が 海馬を刺激し こちらも記憶の整理を促します

ストレスによっては 役立つものもありますが 極度の慢性的なストレスの場合は 逆効果となります これを ネズミにストレスホルモンを注入して 科学者たちが検証しました コルチコステロイドの投与量を 次第に増やしていくと ネズミの記憶力は最初は上昇しましたが 投与量が増えると下降したのです ヒトにおいても 同様に 適度なストレスであれば好ましい結果が出ます しかし それは記憶作業とストレスが 連携しているときにだけ現れる現象です 時間的プレッシャーが リストを暗記する助けにはなっても 友達があなたを脅かすのは 助けにはならないでしょう 何週間も 何か月も あるいは何年も 慢性のストレスによる コルチコステロイドが分泌され続ければ それが海馬にダメージを与え 新たに記憶形成する能力が 損なわれてしまいます

ストレスによってはものごとの記憶を 手伝ってくれるのは嬉しいですが 残念ながら逆も真なりなのです 記憶は思考、注意、推論などを統括する 前頭前野が行います コルチコステロイドが偏桃体を刺激すると 偏桃体は前頭前野の活動を阻止するか あるいは減少させてしまいます その理由は 危険な状態において 戦うか逃げるかすくむか反応が より落ち着いた論理的な思考活動に とって代わるからです しかし 残念なことに それが試験中に頭を真っ白にしてしまう こともあります 思い出そうとする行動そのものが ストレスの原因となり もっとコルチコステロイドを 分泌してしまう悪循環となり 記憶することをもっと困難にします

では どうしたらストレスを自分の味方にし 大事な場面で取り乱さず 落ち着いていられるのでしょうか? まず 試験のように ストレスの多い状況が予めわかっていれば そうしたストレスの多い場面に似た状況で 準備してみましょう 目新しいことがストレスともなります 制限時間内に練習問題を全問解いたり ソファではなく勉強机に座ることで 同様の状況下での本番で あなたのストレス反応は 和らげられるでしょう

運動も また有効な方法です 心拍数と呼吸数の上昇は 脳内の化学変化に連携していて 不安感を軽減し 安心感を助長する助けになります 定期的な運動は睡眠パターンを 改善すると広く考えられており 試験前日の睡眠を助けることでしょう

そして 試験当日には 戦うか逃げるかすくむか反応を和らげるよう 深呼吸をしましょう 深呼吸が試験への不安を 顕著に軽減することが 小学3年生から看護学生を対象にした実験で 明らかにされています

ですから 次回 大切な場面で 頭が真っ白になっていたら アタラキシアの意味を思い出すまで 深呼吸をしてみましょう アタラキシアとは 「落ち着いた 不安感のない状態」のことです