ダニエル・エンバー
636,859 views • 3:47

一体どのくらいの人が デスクの前で退屈していますか? それは毎日 何時間 一週間の何日間 一年間のうちの何週間 一生のうちの何年間にあたるでしょうか?

[小さなこと 壮大なアイデア]

[ダニエル・エンバー プログレスバーについて語る]

プログレスバーとは コンピュータの表示の一つで デバイスの中で 何かが起きていることを示すものです 長年使われているベーシックなものは 横棒の形をしています これは コンピュータが 出てくる前の時代に遡ります 台帳に横棒を書いて 左から右に塗りつぶして 工場での作業の進捗状況を 表していたことに由来します まさに こんにち スクリーンに表示されるものと同じです

1970年代になると いわゆる「ソフトウェア危機」 と呼ばれる出来事があり コンピュータのデザインは 人々が予想していなかったほど 突然に そして急速に 複雑になりました それまで いろんなデザインの 進捗率が使われてきました たとえばカウントダウン時計や アスタリスクの列が― スクリーンの左から右へ 並んでいくものがありました しかし こういったものについて 誰も体系的に調査したことがなく 実際に― コンピュータの前に座っている ユーザーへの影響を 明らかにしようとしませんでした

大学院生のブラッド・マイヤーズが 1985年 この研究をしようと決意します 彼が発見したことは 表示された進捗率が正確か否かは 重要ではないということでした 重要なのは 進捗率が そこに示されているという事実でした 画面に示された進捗率を見るだけで 人々は安心したのです これは最も驚くべきことでした 彼はこの効果について考えました 人々をよりリラックスさせるとか 進捗率が示す残り時間で 計算機から離れ 他のことができるようになるとか 人々は進捗率を見て 「あぁ 半分終わったのか これまで5分かかって まだ5分あるから このFAXを送ろう」とか 当時の人々がやっていたようなことを しようとしたかもしれません しかし どちらも正しくありません プログレスバーを見ると 吸引光線のように注意をひきつけて離さず 待つという行為が 目の前で何かが展開していくという エキサイティングなストーリーに変わります すなわちこの間 あなたはコンピュータの動作を いらいらしながら待つのではなく こう考えるのです 「進んでいる! あぁ 素晴らしいことが起きている!」

[進捗中・・・]

しかしプログレスバーを 待つ苦痛を和らげるものとして捉え始めると 心理学に触れることにもなります

例えばプログレスバーが 一定のスピードで動いている場合 それがコンピュータの 実際の動作状況を表しているとしても スピードが低下しているように感じます そしてうんざりします そこで 状況を改善するために 実際の進捗よりも 速く動いているかのように見せようとし 最初の段階で一気に速く動かすとします すると「本当に面白いことが起こっている!」 と感じるでしょう そのあとは進捗に合わせて プログレスバーを実際の速度に 戻していきます これは 私たちが時間の経過に 注意を払っているという想定で つまり草が成長するのを見たいとか 鍋の水が沸騰していくのを 見たいという心理を想定したうえで 待つ時間を より退屈でなく 苦痛でなく そしていらいらさせないように するものです

つまりプログレスバーは 少なくとも 見る人に始まりと終わりのイメージを与え ゴールに近づいている 感覚を持たせます 私は これはある意味で 死への恐れも和らげると思います というのは言い過ぎでしょうか?