ラファエロ・ダンドリーア
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運動抜群の機械というのは どういうものでしょう? これから機械の 運動能力の実演と それに必要な研究を クアッドコプターを使って ご覧に入れます 所謂クアッドは 結構昔からあったのですが 最近流行りだした理由は 構造的にとても シンプルだからです 4つのプロペラの スピードを— 制御することによって ロール、ピッチ、ヨーの動作と プロペラの方向への 加速が出来ます またこれには電池 コンピュータ 様々なセンサと 無線がついています クアッドはとても敏捷ですが その代わり不安定で ちゃんと飛ばすためには フィードバック制御が必要になります 今のを どうやって やったのかですが 天井のカメラと ノートPCが この室内の測位システムの 役割をしていて 反射マーカーを付けた物の 位置を測定しています 推測と制御の アルゴリズムを実行する 別のPCにそのデータが送られ そこから— クアッドに指令が送られます クアッド自体も推測と制御の アルゴリズムを実行しています 私達の研究の大きな部分を アルゴリズムが占めています それが この機械に 命を吹き込む魔法なのです では機械の運動選手のための アルゴリズムは どう設計したら いいのでしょう? 私達は広く「モデルベース設計」と 呼ばれる手法を使っています まず機械の動き方を 数学的モデルを使い 物理的に把握します それから制御理論という 一種の数学を使って そのモデルを分析し 制御のための アルゴリズムを組み上げます 例えば どうすれば ホバリングさせられるのか? まず力学的性質を 一連の微分方程式で 記述します それから制御理論を使って 方程式を操り クアッドコプターを安定させる アルゴリズムを作ります このアプローチがいかに強力か お目にかけましょう クアッドコプターに ホバリングするだけでなく バランスを取って この棒を立てさせることにしましょう 少し練習すれば 人間には苦もなく できることです 両足を地面に付けて 器用な手を使って やるということであれば— でも片足で立って 手を使わずに 足でやるとなると ちょっと難しくなります 棒の先端に 反射マーカーがあって 部屋の中での位置が分かるように してあることに注意してください (拍手) 棒のバランスを取るために クアッドが細かく— 調整しているのが 分かるかと思います このアルゴリズムを どう設計したかですが クアッドに棒の数学的モデルを 追加したんです クアッドと棒を組み合わせた モデルができれば 制御理論を使って その制御をする アルゴリズムが作れます ご覧のように 安定していて ちょっと押してやっても バランスの取れた状態に 戻ります このモデルを拡張して 行って欲しい場所も 含めることができます この反射マーカーのついた 指示棒を使って 私から一定の距離で クアッドに行って欲しい 場所を指示します このような曲芸飛行の 鍵になるのが 数学的モデルと制御理論に 基づいて設計された アルゴリズムです クアッドに戻ってきて 棒を落とすように 指示しましょう 次に 物理的モデルや— 物理的世界の 仕組みの理解が いかに重要かを お見せします 水入りのコップを 載せたとき 高度が下がったのに お気づきでしょう 棒のバランスを 取った時とは違い このコップは数学的モデルに 組み入れていません このシステムは 水の入ったコップが あることさえ知りません 前と同じように ポインタを使って 好きな場所に クアッドを行かせられます (拍手) 不思議にお思いかも しれませんが なぜコップの水が こぼれないのでしょう? 2つの要因があって 1つは重力がすべての物に 同じように働く ということ もう1つは プロペラが みんなコップと同じ 真上を向いている ということです この2つの結果として コップに対して横にかかる 力はわずかで 主に空力的な 効果ですが 今のスピードでは 無視できます コップをモデルに含めなくても いいのはそのためです クアッドが どのように飛ぼうと 水はこぼれません (拍手) ここでの教訓は ある種の動作は 他の動作よりも 簡単で どのような動作が 簡単かは その物理現象を理解することで 分かるということです 今の場合 水の入ったコップを運ぶのは 簡単であり 棒のバランスを取るのは 難しいというわけです 怪我をしていながらも すごいことを— やってのける 運動選手の話をよく聞きます 機械の場合 本体に大きなー 損傷があっても 機能できるものでしょうか? 一般的には これを飛ばすためには 少なくとも4つのプロペラが 必要とされています ロール、ピッチ、ヨー、加速と 4つの自由度が あるからです ヘクサコプターやオクトコプターには 6つか8つのプロペラがあり 冗長性があります クアッドに人気があるのは 4つという最小限の モーターとプロペラしか ないからです それが欠けたら どうなるのでしょう? 2つのプロペラしか 機能していない場合の 数学的モデルを 分析したところ 異例な方法で 飛ばせられる ことが分かりました 新しい構成に基づいた アルゴリズムによって ヨーの制御はあきらめつつ ロール ピッチ 加速は 制御し続けることができます 数学的モデルは それが正確にどんなとき なぜ可能なのかを 教えてくれます この知識によって 機体の損傷に対して 柔軟に対応できる 新しい構造や 優れたアルゴリズムを 設計することができます 冗長性を持たせるかわりに 人間の運動選手のように 対応するのです 飛び込み選手が 宙返りしながら 水に飛び込んだり 跳馬選手が迫る地面を前に 空中で身を捻るのを見る時 思わず息を止めますよね 飛び込み選手は きれいに着水できるか? 跳馬選手は 着地を決められるか? このクアッドに 3回転宙返りして 元の位置に戻らせたい としましょう 非常に素早い動作が 要求されるため やっている最中に位置を教えて 動きを修正させることはできません 十分な時間がないのです かわりにクアッドは目隠しでやって 動作をどう終えたかを観察し その情報によって 動きを修正し 次回にもっとうまく できるようにします 飛び込みや 跳馬の選手と 同じように 練習を繰り返し 動きを身に付ける ことによってのみ このような動きは 実現できるのです (拍手) 動くボールを打ち返すというのは 様々なスポーツで要求されるスキルです 運動選手が苦もなく やっているように見えることを どうすれば機械に させられるでしょう? (拍手) このクアッドは ラケットが貼付けてありますが スイートスポットは リンゴの大きさほどしかありません 次に説明する計算を 20ミリ秒ごと つまり1秒間に 50回しています 最初にボールの飛ぶ先を 求めます それから投げられた場所に 打ち返すには ボールをどう打つ必要があるか 計算します それから現在位置から ボールを打つ位置まで 移動する軌道を 計画します そして その計画を 20ミリ秒間だけ実行します 20ミリ秒後にまた このプロセス全体を繰り返し ボールを打つ瞬間まで それを続けます (拍手) 機械はダイナミックな行動を 単独で行うだけでなく 集団で行うこともできます この3台のクアッドは 協働で網を持っています (拍手) ボールを私に 投げ返すために とてもダイナミックで 集団的な 行動を取っています 引っ張りきった時 クアッドが直立しているでしょう? (拍手) 実際この時にかかる力は バンジージャンプした人が 綱の先で受ける力の 5倍ほどにもなります このためのアルゴリズムは 単独でボールを打ち返す場合と よく似たものです 数学的モデルを使って 絶えず— 協調的行動を再計画するというのを 毎秒50回繰り返しています ここまでは 機械の能力を 見て頂きました この機械の運動能力と 人間を組み合わせると どうなるでしょう? 私の前にあるのは 主にゲームで使われる 市販の— ジェスチャーセンサーです 私の体の動きを リアルタイムで 把握できます 先ほど使った ポインタと同様に これも入力システムとして 使うことができます これにより機械の動作を 仕草によって自然に 操ることができます (拍手) インタラクションは仮想的なものだけでなく 物理的なものでもあり得ます たとえば このクアッドは 一定の場所に いようとします 他の場所に 移そうとしても 抵抗して 元の場所に戻ります でもこの振る舞いを 変えることもできます クアッドに かけられる力を推定する 数学的モデルを使います 力が分かれば 物理法則を変えることもできます あくまでクアッドに 関する限りですが このクアッドは 粘性の液体中にいるかのように 振る舞います 機械に対し 仄めかすように 指示できるように なりました この新しい能力を使って このカメラ付きのクアッドを デモの撮影に適した位置に 移動させることにしましょう クアッドと 体を使ってやり取りし 物理法則を変える ことができました これを使って少し 遊んでみましょう 次にご覧頂くのは クアッドが最初は 冥王星にいるかのようですが 時間が進むにつれ 重力が強くなっていき 地球の重力に戻る というものです そこまでは 続かないでしょうが ひとつ やってみましょう (笑) (笑) (拍手) フーッ! 「こいつら遊びすぎだろ」と 思われるかも しれませんね それに機械の 運動選手なんか作って どうするのかと 疑問をお持ちかも 動物の世界では 遊びは スキルや能力を磨く役割がある という説があります 集団を結び付ける 社会的役割がある という説もあります 私達は同様に スポーツや 競技のアナロジーを使って 機械のための 新しいアルゴリズムを作り 限界を押し広げよう としているんです 機械のスピードが 私達の生活に もたらす影響は何でしょう? 過去のあらゆる 発明や創作と同様 それは人々の生活の 改善にも使えるだろうし 誤った使い方も できるでしょう 私達が直面しているのは 技術的ではなく 社会的な選択です 正しい選択をして 未来の機械から最善のものを 引き出すようにしましょう ちょうどスポーツ競技が 私達の最善の部分を 引き出すように 緑色の幕の裏にいる 魔術師達を紹介させてください 「飛行機械の競技場」研究チームの 現在のメンバーです (拍手) フェデリコ・アウグリアーロ ダリオ・ブレシアニーニ マーカス・ハーン セルゲイ・ルーパーシン マーク・ミュラー ロビン・リッツ 偉大なものを作るべく 生まれてきた人たちです どうもありがとう (拍手)