ホーマロ・カントゥ+ベン・ロシェ
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ベン・ロシェ:私はベンです ホーマロ・カントゥ:私はホーマロです ベン:私達はシェフで 2004年に 「Moto」をオ−プンしましたが これが よく日本料理店に 勘違いされました おそらく名前や日本語のように見えた ロゴのせいでしょう とにかく そのため 店にない日本料理の リクエストがずいぶんありました 巻き寿司の注文を1万回ほど 受けた頃 私達はリクエストに 応えようと決心したのです これは印刷した食べ物です 味の変身とでも呼ぶ 初めての 挑戦でした 巻きずしの 材料や全ての風味が この小さな紙切れに 印刷されています ホーマロ:お客さんは じきに このアイデアに飽きてきたので 同じ料理を2度提供しようと考え 私達は印刷した巻き寿司と 同じ方法で 料理の写真を撮り 実際の料理と一緒に出しました この料理は 基本的に シ−フ−ドとシャンペンだけです ご覧のシャンペンは 実際は炭酸化したグレ−プです シ−フ−ドと生クリ−ムを加えたこの料理と この写真は全く同じ味なんです (笑) ベン:食用の写真だけではありません 食材にちょっと変わった事をして 私達のよく知った味に 変身させてみました 例えば キャロットケ−キです これをミキサ−にかけ キャロットケーキジュ−スにし 風船に流し込み 液体窒素で凍らせます 中が空洞のキャロットケ−キアイスが できました お皿の上に木星が 浮かんでいるみたいでしょう 私達は素材を変化させ 未知の食材を 作り出すのです ホーマロ:これも私達が 食べた経験のないもの キューバン・ポーク・ サンドイッチから作った キュ−バ葉巻です 肩肉用のスパイスを 灰のように形造り キュ−バポ−クを カラードの葉で巻きます コイーバ・シガ−のラベルを真似た 食べられるラベルを貼り 2ドルの灰皿に入れ 20ドル請求します (笑) ホーマロ:おいしいですよ ベン:それだけじゃありません 食べられないものに似せて 食べ物を作るだけでなく 食材を私達になじみのある料理に似せて 料理を創る事にしました これはナチョスです 他のナチョスと 私達のナチョスの違いは これはデザ−トだという事です チップスは飴掛けしてあり ビ−フはチョコレ−ト チ−ズはマンゴ−シャ−ベットを 細くしたものを液体窒素で 固めてあります 素材の形を 崩したり造り直したりして このような事ができるのは なかなかクールだと気づきました お客さんに出す時 料理は本物のように見えるんです チ−ズは溶けだしますし― テ−ブルでこれが出されたら 本物のナチョスが出てきたという 錯覚を起こすでしょう 味わって初めて デザ−トだと気付き ドッキリすることでしょう (笑) ホーマロ:キッチンというより 整備工場に近いようなキッチンで これらの料理を 作ってきました 次の段階は このような最先端のラボを 設備することでした 地下室に備え付け 食べ物の研究にまじめに 取り組みました ベン:私達の研究室がスゴイのは キッチンにサイエンス・ラボが あるからだけではありません 新しい装置や方法で 夢想だにしなかった 創造的な試みができるのです 私達の挑戦する 実験や食材や料理は 少しずつ 変わったものになっていきました ホーマロ:ここで 味の変身による 面白い料理の話をして実際に作ってみます 牛が舌を出していますね 何かおいしいものを 食べようとしていますが 牛にとってのごちそうとは? 牛のえさは 基本的に トウモロコシとビーツと大麦です スタッフにはいつも 突拍子もない挑戦を させるのですが― 牛肉を使わずに 牛のえさだけで ハンバーガーを作れるでしょうか? たいてい このような 反応をされます  (笑) ベン:彼はシェフの クリス・ジョ−ンズです 変な仕事をさせらせて 困惑するのは彼だけではありません 私達のアイディアの多くは 咄嗟には理解しがたいでしょう 全ての料理に 多くのリサ−チや 試行錯誤が必要で 特に多くの失敗はつきものです 人に説明するのにも 大変時間がかかります ホーマロ:私とクリスは一日中 頭を突き合わせ 本物のハンバ−ガ−のパティに 近いものを 考え付きました 三つの材料からできています ビーツと大麦とトウモロコシです ハンバ−ガ−のように焼き 見かけも味もそっくりです それだけではなく 牛肉も使いません 食材を別の材料で再現し このように次の次元へ昇華するのが 私達の目指すところなのです (拍手) ベン:たしかに世界初の血のしたたる 野菜バ−ガ−です クールな効果だと思いませんか そして「奇跡のべリ−」 これは天然素材で 特別な特徴があります ミラクリンという糖タンパクを含み 私は食べるたびに 未だに混乱させられます 舌の ある受容器官を だます能力があり 酸っぱさやピリッとした味は なんだかとても甘い味が するように変わります ホーマロ:レモンを食べたら レモネ−ドの味がするでしょう そういう技術の経済的効果を 少し考えてみましょう お菓子やソ−ダの糖類を 完全に天然果実と 入れ替える事が できるかもしれません ベン:これはスイカを 切っているところです このスイカを使ったアイデアで 食物の輸送距離や エネルギーの浪費 マグロの乱獲を減らそうと考えました つまり地元の有機農産物を使い マグロや遠い場所の 珍しい野菜や料理を作るのです        このスイカは ウィスコンシン州産です ホーマロ:「奇跡のベリ−」は酸味を 甘味に変えますが この「妖精の粉」を スイカにかけると 甘味は旨味に変わります その後 真空袋に入れて 少量の海苔や 香辛料を加えて巻くと マグロに見えて来ます 次は本物に 近づけるコツです ベン:素早く液体窒素に浸し きれいな焦げ目を付けると 本物とちょうど同じ 味と歯ごたえになります ホーマロ:このマグロが実は何であるかは 重要ではないと 覚えておいてください 人や環境にやさしい限り 構わないのです このアイディアの行く末は? 味覚をだます技術を もっと発達させたら どのような革命を起こす フード・テクノロジーに なるでしょうか? さて 次の挑戦です 野生植物をたくさん採って 食材にしようと スタッフに言いました 人体に毒でないかぎり シカゴの歩道から採った植物を 混ぜ合わせて 焼いて 皆でMotoで味見をしよう お客さんに高額を請求して 感想を聞いてみようと―(笑) ベン:こんなに大変な仕事を させれば スタッフに 嫌がられるのも分かるでしょう でも最初から料理についての 考え方を変えなければならなかったのです これらの食材は なじみのない植物です 普段食べる事がないため 私達は料理方法を 知りませんでした クリエイティブな調理法や味付け 舌触りを変える方法を 考えなければならず それが一番の問題でした ホーマロ:さあ 今こそ未来へ足を踏み出し 飛躍する時です 想像して下さい 発展途上国と先進国が 野生植物をもっと食べたら 食料の輸送距離はキロから メ−トルに短く変わるでしょう もし「食材」の意味を 根本的に変え 原材料の 百科事典を新たに開けば― 例えば 小麦粉の代わりに これらの材料の1つを使ったら エネルギ−の節約にもなるし 無駄も減るでしょう 私達がお客さんに 供したものの例を1つ こちらはわら1梱と 野生リンゴです この2つの材料から バ−ベキュ−ソ−スを作りました 皆さん本物だと信じましたが タダで手に入れた材料しか使っていないのです ベン:どうもありがとう (拍手)