私達は毎日決断をしています 何が正しい行動なのか―経済的なことから 食事 職業 恋愛においてまで 確かに もし本当に正しい行動を いつも教えてくれる人がいたなら それは素晴らしい贈り物だと思います
実際オランダの博識家 ダニエル・ベルヌーイによって 1738年に世界はこの贈り物を授かりました 今日私はこの贈り物とは何かについて またなぜこのせっかくの贈り物が 全く役に 立っていないかについて説明したいと思います
さて これがベルヌーイの贈り物です これは原文の引用です ギリシャ語に見える?そう ギリシャ語です 簡単な英訳―正確ではありませんが ベルヌーイが言いたかった要点を捉えている英訳はこうです 私達の行動の期待値 ―私達が手に入れられると期待できる利点―は 2つの単純なものから成ります 私達があるものを得られる確率と それが私達にもたらす価値です
ベルヌーイが言っていた事はある意味で この2つを計測して 掛け合わせれば 私達はいつでも正確に どのように振る舞うべきかわかるということです
さて この単純な方程式は 方程式を好きでない人にとってさえ 見慣れたものです ここに例があります 例えば コイン投げゲームをして 表が出たら10ドルもらえます でもこのゲームに参加するには4ドル払わなければなりません ほとんどの方は この賭けにのるでしょう なぜならあなたが勝つ確率は2分の1で 買った場合のもうけは10ドルで それらを掛けると5ドルで ゲームに参加するための金額よりも 高くなります ですから答えはイエスです これは統計家が言うところの ものすごくいい賭けです
さて コイン投げに当てはめればこの考えは単純ですが 日常生活ではそう簡単にはいきません 人々はこれらの事を予測することがひどく下手なのです 今日私は このことについてお話をしようと思います
正しい行動を決断しようとする際 人々が犯す間違いが2種類あります ひとつは成功する確率を見積もる際の間違いで もう一つは 成功の価値を見積もる際の間違いです では まず初めの間違いから話しましょう 確率の計算は簡単だと思われるかもしれません サイコロには6面あり コインには2面 トランプには52枚のカードがあります スペードのエースを引いたり コインの表を出す見込みがどれくらいか 私達は知っています でも日常生活に当てはめるとなると 話はそう簡単ではありません これがアメリカ人が他の娯楽を全部合わせたものより ギャンブルにお金を使う―いいえ ギャンブルでお金を失う理由です 人々は正確な確率を利用しないのです
人々が確率を出す方法を知るために まず豚の話から始めようと思います とある日のオックスフォード リードに繋がれた犬と豚 どちらが多く見られると思いますか? もちろん みなさん答えが犬だとご存じですね 答えが犬だとわかるのは 犬や豚がリードにつながれた場面を 素早く思い出すからです 犬を思い出すのは簡単ですが 豚はそんなに簡単ではありません そして もしリードに繋がれた犬がより早く思い浮かぶのなら 犬の方が多くいそうだ ということです この経験則は悪くありません ある場合を除いては
例えば ここに単語パズルがあります 4文字の単語で Rが3番目に来るものと― 最初に来るものとでは どちらが多いでしょう? 素早く記憶を思い起こしチェックして とても簡単にRING,RANG,RUNGなどは言うことができますが PARE,PARKなどは難しく なかなか思い出せません しかし実際は1番目より3番目にRが来る 英単語の方が多いのです Rが3番目に来る単語がなかなか思い浮かばない理由は そういう単語をあまり使わない とか単語自体が少ないからではありません 単語を思い出すのは頭文字から だからです Sの音を出してから単語が出てくるというように 辞書と同じで 3番目の文字から調べるのは難しいのです これは物事が心に浮かぶのが速ければ速いほど その出来事が起こりやすいという考え方を あなたに植え付け 混乱させる例の一つです
これはゲームだけの話ではありません 例えば アメリカ人がさまざまな変わった要因で 死んでしまう確率を尋ねられたら ―こちらはアメリカの国民2億人の 年ごとの死亡数の見積もりです 竜巻や花火 喘息や水死で― どのくらいの人が亡くなると思うか尋ねました これらと実際の数を比べてみましょう
とても面白いパターンが見えます まず 2つの死因が過剰に見積もられいます 竜巻と花火です また2つの死因がずっと少なく見積もられていて それは水死と喘息によるものです なぜでしょう 新聞の見出しにこう書いてあるのを見たことがありますか? 「少年 喘息で死亡」 あまりに一般的すぎて 興味を引きません 私達にとって 竜巻が街を破壊したり 独立記念日に自分の手を花火で吹き飛ばしてしまうような 間抜けな人達のニュース記事や映像を 思い起こすのはとても簡単なことです 水死や喘息死は あまり報道されません すぐに思い起こせない その結果 私達はその死因を少なく見積もってしまうのです
これはまるで セサミストリートの 「仲間はずれはどれ」のゲームの様ですね 仲間はずれはプールです プールだけが このスライドの中で実際 とても危険なものだからです スライドにある他の3つを合わせるより もっと多くの人が死ぬ確率が高いものです
ご存じの通り 宝くじは人々の確率を予測する能力を 見ることができるとてもいい例です そして 経済学者の間では― 宝くじを買う人には申し訳ないのですが― 宝くじは馬鹿が納める税金と呼ばれます なぜなら宝くじに投資することによって 利益を得る確率は非常に低く お金を直接トイレに流すのとほとんど同じだからです―ところで トイレに流せば わざわざお店に行って買う手間もいりません
いったいなぜ宝くじを買うのでしょう たくさん答えはありますが 1つ確かなのは 多くの当選者を見るからです そうでしょう?このカップルが当選したり エド・マクマハンが大きな小切手を持って玄関先に現れたり― こんなサイズのものをいったいどうやって現金化するのでしょうね 私達はこれをテレビで見て 新聞でも読みます 宝くじに外れた人たちのインタビューなんて 見たことなんてないでしょう? もし1人の当選者にインタビューする度に 外れた人に30秒ずつインタビューするよう― テレビ局に義務付けたら 1億人のインタビューを 休みなく9年半流す必要があります 彼らがただこう言うのを見るためだけに 「私?ハズレ」「私?ハズレ」 さて もしあなたが9年半テレビを見続けて ―寝ないで トイレにも行かずに―はずれ はずれ はずれと見てきて 最後に「当たった」と言う30秒のインタビューが流れたら あなたはおそらく宝くじを買わないでしょう
では これを証明してみましょう ここに宝くじが10枚あります そのうち9枚は9人が買ってしまいました この宝くじは1ドルで もしあなたが当たれば 20ドルもらえます これは良い賭けでしょうか? ベルヌーイはこう言います この宝くじの期待値は2ドルです これは投資しなければもったいない宝くじです そしてほとんどの人が「もちろん買う」と言います
では この宝くじのちょっと違うバージョンです 9枚のクジはリロイという名の 太った男が買いました リロイが9枚持っています 残りは1枚です 買いますか?ほとんどの人は買わないでしょう 宝くじの当たる確率は変わっていないのに 誰が当たるか想像するのは 今やとても簡単です リロイが当たるのは確実に思えます そうでしょう? 「私は他の人と同じくらい当たる見込みがある」とは言えません リロイほどに当たる見込みはありませんから 1人の男がその宝くじ全部を持っているという事実が 確率に何も影響しなくても あなたの宝くじを買うという決意を変えてしまうのです
さて 確率を計測することは難しく思えるかもしれませんが 価値を計測することに比べればたいしたことはありません あるものにどんな価値があるか 私達がどれくらい楽しめるか それがどのくらい喜びをもたらすか考えてみましょう これから価値における誤りについて話しをします このビッグマックはいくらでしょう?25ドル? ほとんどの方が そんなにしないという直感を持ちます そしてそんなに払わないでしょう
しかし実際 ビッグマックが25ドルの価値があるかを決めるのに 必要な質問はひとつだけです 「25ドルで他に何ができるだろう?」 もしあなたがオーストラリアへの長距離便に乗っていて 食事が出ないことに気づいたときに 前列の人がマクドナルドの包みを開け おいしそうな香りがシート越しに漂ってきたら こう思うでしょう 16時間もの間25ドルで他にできることはない お札に火をつけることさえ―煙草のライターを取られてしまったから 突然 25ドルのビッグマックがいい取引に思えます
一方で 低開発国を訪ねていたら 25ドルで豪華な食事が買え ビッグマックが法外に思えます なぜあなた方は 私が状況を話す前から 質問の答えがノーだと決めつけたのでしょうか なぜなら皆さんのほとんどは いつも払っている ビッグマックの値段と比べたからです この投資を他の投資と比べて 「このお金で他に何ができるだろう」 と尋ねる代わりに 過去と比べたのです そして これが人々がいつも起こす間違いです あなたが知っているのは 過去に3ドルを払ったことで25ドルは法外だという事です
これが間違いです 私はこの事から生じる不合理な事例を お見せして その事を証明しようと思います 例えばこれは 高かったものが急にお買い得になったように見える マーケティングでいう 最もおいしいトリックの例です 人々が2つの仕事を提示された時 1つは給料が6万ドル それから5万ドル 4万ドルと 毎年下がる仕事と 給料がだんだん上がる仕事では 後者の方が収入がずっと少ないと知らされていても 1番目よりも2番目の仕事を好みます なぜでしょう? なぜなら彼らは上がっていく給料より 下がっていく給料の方が悪いという感覚があるからです 下がっていく給料の総額が高くてもです もうひとつ良い例があります
2000ドルのハワイ旅行のパックがセールで1600ドルになっています あなたがハワイに行きたいとして このパックを買いますか? ほとんどの人が買うでしょう さて少しだけ違う話です 2000ドルのハワイ旅行のパックが700ドルです 1週間考えてから 旅行会社に行った時 その格安旅行はなくなっていて― そのパックは今1500ドルします 買いますか?ほとんどの人がノーと言います なぜでしょう?それは つい先週まで700ドルだったものに 1500ドル払うわけがないからです
過去と比較をするこの傾向のせいで 人々はよりよい取引を逃してしまいます 言い換えれば 素晴らしい取引だったものが まあまあの取引になる事は かつてのひどい取引が 少しましな取引になるのに全く及ばないという事です
過去との比較が私達の選択を狂わせる もうひとつの例があります 劇場に行く場面を想像してみてください あなたは劇場に向かっています 財布には20ドルで買ったチケットがあります あなたはまた20ドル札も持っています 劇場に着いた時 どこか途中でチケットを失くしたことに気がつきます お金を出してまたチケットを買いますか? ほとんどの人が ノーと答えます さてこのシナリオを 1か所変えてみましょう あなたは劇場に向かっていて 財布には20ドル札を2枚持っています 劇場に着いた時 そのうちの1枚を失くしたことに気付きます 残っている20ドルでチケットを買うでしょうか? ええ もちろんです 芝居を見に劇場に来たのですから 途中で失くした20ドルと何の関係があるでしょうか?
理解していただけない場合には こちらに図があります いいですか? (笑) 途中であなたは落し物をしてしまいます どちらの場合も 1枚の紙です 一方にはアメリカの大統領がのっています もう一方にはのっていません いったいどんな違いがあるのでしょう? 違いは チケットをなくした時は 同じものに2度は払わないぞと 自分に言い聞かせるということです あなたは芝居にかかる値段―今や40ドル―を 元の値段―20ドル―と比べ 悪い取引だというのです 行動経済学者や心理学者によると 人々が価値を割り振るときの問題の原因は ほとんどが過去との比較にあるそうです しかし 私達は過去の代わりに可能性と比較をするときでさえ いくつか間違いを起こします 1つ2つ その例をお見せしようと思います
私達が比較について知っていることの1つは 何かを他のものと比較すると その価値は変わるという事です ですから 1992年にこの人 ジョージ・ブッシュは 政治的にリベラルと言われる人々の目には そんなに素晴らしい人物には映りませんでした 突然私達は彼に復帰してほしいと切望します (笑) 比較が彼に対する評価を変えるのです
さて小売業者はこのことをもちろんだれよりも知っていて この知識を使ってあなたを手助けします― より多くのお金を使わせる為にですが― 小売りのワイン店に行って ワインを買わなければいけない時に 8ドル 27ドル 33ドルのワインがあったとします どうしますか? ほとんどの人が一番高いワインも 一番安いワインも欲しがりません 中間のものを選ぶのです 賢い小売業者なら 誰も買わないような とても高いワインを棚に並べるでしょう 他と比べた結果 突然33ドルのワインがそんなに高く見えなくなるからです
私は既にみなさんがご存じの話をしています 比較が物の価値を変えるということです なぜそれが問題かというと その33ドルのワインを家に持ち帰ると 棚の隣に何があったかが関係なくなってしまうからです 私達が価値を見積もる時 つまり商品をどのくらい気に入るかを値踏みする際の比較は 私達が商品を消費する時に行う比較と同じではないのです この比較の変化が 合理的な選択をしようとする私達の判断を迷わせるのです
例をあげてみましょう 私の研究室から持ってきたものがあるので ちょっとお見せしましょう 実験に参加する被験者たちに 次の簡単な質問をします 1分後にポテトチップスを食べた時 どのくらい楽しめるか?と 彼らは部屋で ポテトチップスを前に座っています 一方の被験者の部屋の隅には ゴディバのチョコの箱が置いてあり もう一方の被験者側にはスパムの缶詰めがあります 実際にこれらの品は 被験者がどれくらい― ポテトチップスを楽しむかという予想を変えてしまいます すなわち スパムを見ている被験者は ポテトチップスがとてもおいしいだろうと思い ゴディバのチョコを見ている人達は それほどおいしそうだと思いません もちろん 実際に彼らがポテトチップスを食べたら? 口いっぱいに広がる油 塩 そしてパリパリの― おいしいスナックを食べるとき 部屋の隅にある物が あなたの味覚に― 何の違いももたらさない事は心理学者に聞かなくてもわかるでしょう にもかかわらず 彼らの予想は 長続きもしないし 彼らの経験を変える事もない比較によって 狂わされるのです
私達の実験室にポテトチップスを食べに来なくても 皆さんはご自分で経験済みでしょう ここで質問です あなたはカーステレオを買いたいと思っています 近所のディーラーはステレオを200ドルで売っています でも町の反対まで車で行けば100ドルで買えます 半額の100ドルを節約するために町の反対側まで行きますか? ほとんどの人が行くと言います 町の反対側に行くだけで半額になるのに その倍の値段を払う事など考えられないのです
では代わりにステレオ付きの車を探しているとします 近所のディーラーでは31,000ドルで売っているとします でも町の反対側まで車で行けば 30,900ドルで買えます 行きますか?この時点で100 ドルは0.003パーセントの節約です ほとんどの人が 車の購入の為の100ドルを節約するために わざわざ町の反対まで行かないと言います
このような考え方は経済学者をやきもきさせるおかしなものです なぜならあなたが節約した100ドルは―ちょっと!― どこから来たものですか? 何に節約したかは関係ないのです そのお金で食料品を買いに行った時 その100ドルが 私はカーステレオで節約されたお金ですとか 車で節約されたお金ですとは言いません お金ですから そして 町の反対まで行くのに100ドルの価値があるなら 何に節約したものだろうと 100ドルの価値があるのです けれど人々はそのようには考えません それが 投資信託のマネージャーにとられる手数料が 0.1パーセントか0.15パーセントかも知らないのに 歯磨き粉の1ドルクーポンは切り取っておくという理由です
さて もうこれが比較が変化してしまう問題だとお分かりですね というのもあなたは100ドルを 購入するものとは比べますが そのお金を使うときは 比較をしないからです どなたもそのような経験がおありでしょう
あなたがアメリカ人なら 例えば おそらくフランスに行ったことがあるでしょう そして どこかであなたと同じ出身地のカップルに― 会ったかもしれません そしてこう考えます 「この人たちはなんて温かくて 私に親切なんでしょう この国の人は私がフランス語を話すと嫌がり― 話さないとさらに嫌な顔をするけれど この人たちは素晴らしい」 そこであなたは彼らとフランスを周遊し 家に帰ってから彼らを夕食に招待します そしてどう思うでしょう? あなたの普段の友達に比べ 彼らは退屈でつまらない でしょう?なぜならこの新しい状況下では 比較の仕方が甚だしく異なっているからです 実際― フランスの市民権を付与されるのと同じくらい彼らが嫌なのです
さて ステレオを買う時にも 全く同じ問題にぶつかります あなたはステレオ店に行き 2つのスピーカーのセットを見つけます ひとつは大きくて野暮ったく もうひとつは小さく しゃれています 両方を試し そして違いが分かります 大きい方の音がちょっといいと あなたはそれを買い 家に持ち帰り 家の装飾をすっかり台無しにしてしまいます 問題は もちろん あなたが店でした比較は 二度とすることのない比較だということです 何年後かにステレオをつけて「あの小さいのよりずっといい音だ」 ―という見込みはありますか? その音を思い出すこともできないのに
比較の仕方が変わるという問題は これらの選択の 時間の間隔が大きいほど より難しくなります 人々は時間差のある出来事に対して 選択をすることが苦手です そして心理学者と行動経済学者が発見したのは たいていの人は2つの単純な法則を使うということです これからとても易しい問題と 2番目に易しい問題 それから難しい問題を出します
始めの易しい問題です あなたは今 50ドルか60ドルかをもらえます どちらがいいですか? これはとても簡単なIQテストです いいですか? 私達全員 お金が多い方を選びます 少ないより多いほうがいいですからね
2番目の問題です あなたは今日60ドルか 1ヶ月後に60ドルもらえます どちらがいいですか? これも簡単です なぜなら私達は皆 後より今の方がいいと知っているからです 意思決定をするのが難しいのは この2つのルールが衝突する時です 例えば 今50ドルか 1ヶ月後に60ドルかという時 これは待つことで多い利益を得られるが 忍耐が必要な 日常の多くの状況での典型的な例です 何が分かりますか?このような状況で人はどうするでしょう? 概して人々はひどく気短です つまり 余分の10ドルをもらう楽しみを― 先延ばしして 1カ月待つためには 100パーセントから数千パーセントの利息が必要とされるのです これは恐らくそんなに驚くことではないと思いますが これらのお金の引き渡しの時期が変わるだけで この短気さがいとも簡単に消えてしまうのには驚かされます 1年後 つまり12ヶ月後に50ドルもしくは 13ヶ月後に60ドルもらえると想像して下さい さて どうなるでしょう? 人々は喜んで待つでしょう 12か月待つなら 13か月待ってもいいと
何がこの絶え間ない矛盾を引き起こすのでしょう? 比較です 厄介な比較 これを見て下さい
時間をかけて答えてもらうと 先ほどお話ししたような結果― このようなグラフになります つまり 今か 1ヶ月後―30日―の時間差では 50ドルの主観的価値は60ドルの主観的価値よりも 高くなりますが 全ての決定を 1年後に先延ばしすると 反対の結果となります いったいなぜこのような結果になるのでしょうか?
彼らが教えてくれます ここに2人の青年がいます 片方がもう一方より大きい 消防士とバイオリン弾きです 彼らは地平線に消えるまで後ろに下がっていきます ここで2つの事に気をつけて下さい どこで見ても消防士はバイオリン弾きより大きく見えます どこの位置でも でも 彼らの差はだんだん小さくなるように見えます 始めは1インチ それから½インチ ¼ インチと そしてついに地球の端に消えてしまいます
これが先ほどお見せしたものの結果です これは主観的な高さ― いろいろな位置から彼らを見た高さです そして2つの事実に注目して下さい 1つ目は 遠くに行くほど彼らは小さく見えること 2つ目は 消防士はいつもバイオリン弾きより大きいということ でも 彼らをいくつか消した時何が起こるか見て下さい そうです とても近い位置では バイオリン弾きの方が消防士より高くみえます でも遠く離れると 彼らの実際の高さの関係が保たれます プラトンが言ったように 距離と大きさの関係は 時間と価値の関係と同じです これがあなた方にお尋ねした 今の50ドルか1ヶ月後の60ドルかという 難しい問題の結果です これらは主観的な価値で ここからわかるのは 先ほどの2つのルールが守られているという事です
人々はいつも少ないより多い方が― 50より60の方が― そして後より今の方がよりいいと つまりこちら側のバーは隣のバーより高いと思っています いくつか条件を取り払ったらどうなるでしょう? 突然私達は 頭が混乱するようなひどい矛盾に陥ります 私たちは1カ月待つより今50ドルもらうほうがいいと思う傾向がありますが これはそれらの行為がずっと先ではない時の話です これが示すおもしろい事は―つまり 時が経つと人は気が変わるという事です あなたは 12か月目が近づいた時こう言うでしょう 何を考えていたんだ 60ドルの為にもう1カ月待つなんて 今50ドルもらうよと
さて 最後にこの質問で締めくくりたいと思います 私達がそんなにばかだったら どうやって月まで行けたのでしょう? 人間は 確率と価値の計算が下手だということの証明の材料は 2時間ちょっと分は軽くあるのです
この質問の答えは他のTEDの話で既にお聞きですね これからも聞くことだと思います つまり私達の脳が 今生きている世界と全く違う世界にー 適合するように進化してきたためです 私達の脳は人々が 小規模な集団で暮らし 自分達とひどく異なる人々に めったに会う事もなく 今より短命で 選択肢は少なく 優先は食べることと 子孫を残す事という世界で進化してきました
ベルヌーイの贈り物 ベルヌーイの方程式は 私達に 自然が設計したわけではない世界で どの様に考えるべきか教えてくれます だからこそ 私達はその贈物を使うのが苦手で― 早く使いこなせるようになることが重要なのです 自分の運命を自分で握れる種は この星には私達しかいません 私達は捕食される心配もなく 自分たちの環境を支配することができ 普通なら 種を絶滅させるようなでき事は 私達にとってもはや脅威ではありません 唯一のもの―私達を破壊させ滅びさせる唯一のものは 自分達自身の選択だけです もし 1万年後人間が存在していないとすれば 理由は 1738年にこのオランダ人の若者がくれた贈り物を うまく使いこなせなかったからです 未来の痛みの可能性を過小評価して 現在の快楽の価値を過大評価したためという事になるでしょう
クリス・アンダーソン:素晴らしいスピーチでした ダン・ギルバートさんに質問する時間があります 1人目と2人目の方です
ビル・ライル: このように考える癖が 実際にテロに脅威を感じる理由のひとつなのでしょうか もしそうなら そうした考え方を抑える方法はありますか?
ダン・ギルバート:実は最近― 安全保障予算を より国境警備の強化に費やすべきだと考える アメリカ国土安全保障省の顧問をしていました 私は「テロ(恐怖状況)」はある出来事に対しての 人々の心理的な反応の名前であり テロを恐れるなら 私達皆が心配する残虐行為を 防止することよりも―いえ それに加え 恐怖の原因と 人々の恐怖を抑える方法を 調べた方がいいと指摘しました 確かにテロ行為は少なくともアメリカのメディアでは注目されますが 失礼ですが―数字だけを見ればとても小さい事故です 既にご存じの通り 例えば アメリカでは 飛行機に乗るのが怖いため 高速道路を利用して 交通事故で死亡した人の数は 9月11日のテロ事件の 犠牲者の数より多いのです そうでしょう? 来年疫病で1万5千人のアメリカ人が死ぬと言えば それがインフルエンザだと分からない限り みなさん動揺されるでしょう テロは比較的 小規模の事件であり 現在のメディアの扱い方が ふさわしいかどうか 私達は考えるべきです メディアの過剰な反応は 人々がこれらの事件に 巻き込まれる確率を過大評価させ 私達を脅えさせようとする人々に力を与えるのです
クリス:その話についてもう少し聞きたいです ダンさんが仰るのは 私達のテロへの反応はいわば心理的な欠陥ということですか? もうちょっと説明してください
ダン:私達の反応は大げさです 例えばもし 明日オーストラリアが突然消えるとしたら 恐怖はたぶんふさわしい反応です 大勢の本当に優しい人が亡くなるからです 一方もしバスが爆発して30人が犠牲になるとしても より多くの人が同じ国でシートベルトを― しめない為に亡くなっているのです 恐怖はふさわしい反応でしょうか?
クリス:この心理的欠陥の原因は何ですか?その出来事の劇的さ? 人目を引くから? 「よそ者」「私達と違う人」によっての意図的な攻撃だからでしょうか? 何ですか?
ダン:そうですね クリスさんが言った原因を含めて色々ありますよね まずは 私達を殺そうとしているのが人間だからです 木が偶然私達の上に落ちてくるようなことではありません 2番目に この敵はまた私達を攻撃して ダメージを与えるかもしれません 理由があって死ぬ人がいる一方 理由なく殺される人々がいます もちろん 死ぬいい理由なんてありませんが あると思う時もあります このように いろいろな原因が合わさって 途方もない事件だと私達に思わせます でも購読者が読みたいことを掲載することで 新聞が売れるということを忘れてはいけません こうした出来事をできるだけ劇的な話に したがるメディアも大きな原因の一つです
クリス:それでは 私達はどうやってメディアに事件を控えめに扱わせたらいいのでしょう
イスラエルを見てみましょう イスラエルを考えましょう ショッピングセンターが爆発し 人々が悲しむ中―爆発の瞬間は私はそのイスラエルの そのショッピングセンターから45メートルのところにいたのですが その1時間半後―ホテルに戻ると 予定されていた結婚式はまだ続いていました イスラエル人の母親はこう言いました 「結婚式を中止して 彼らに屈するようなことはありません」 つまりこれが―他にも例はありますが― ある程度のテロの中で日常生活をし それによって動揺しない事を学んだ社会 私達のようにテロ事件が少ない国とは違う社会なのです
でも実際 理性的な恐怖 9月11日の様な決定的な攻撃を予期して 恐れる事もあるのではないでしょうか?
ダン:もちろんです でも もし後にも先にもこれが史上最悪の攻撃で これからは30人が死ぬバステロ事件がもっと頻繁に起こるとしたら― 私達はこれほど恐れることはないでしょう 「テロは大丈夫だよ 心配することはない」と言っているのではありません お願いですから こんな引用は載せないで下さい それは私の言いたい事ではありません 私が言っているのは 確かに理性的に あるできごとと脅威に対しての私達の不安は これらの脅威と今後訪れる脅威の大きさに おおよそ釣り合うべきだという事です テロの場合 私は釣り合っていないと思うのです 今日私達はたくさんの方の講演を聞きましたが― 何人もの人が力強く話した事は? 「貧困」です 貧困が私達に及ぼす影響は信じられないほどです でも日常生活の中 多くの人は貧困の問題を気にかけません 新聞の見出しにも載らないし ニュースにもなりません 人目も引きません 銃が発射されることもありません つまり もしこの2つの問題の内 1つだけ解決できるとしたら クリスさん どちらを解決しますか?テロ それとも貧困? (笑) (拍手) 難しいですね
クリス:疑う余地もなく 貧困はテロよりずっと大きな問題です 核兵器を持っているテロリストが 実際来そうだ と証明されないのであれば 私が最近読んだのは 核兵器の攻撃を実行するのはテロリストにとって非常に難しいという事です でももしそれが間違いだとしたら 私達は馬鹿を見ます でも貧困はまた少しー
ダン:核兵器の攻撃があるとしても 貧困による死者数の方がまだ多いのです
クリス:私達はそういうドラマチックな攻撃に 興奮するように進化しました それは過去 それもずっと昔は 病気や貧困を引き起こすしくみなどが分からず そのため それらについて思い煩うエネルギーを 使うことが私たち人類にとって 意味がなかったためですか? 人々は死に それは仕方のない事とされました でも攻撃をされた場合 それに対しては何かすることができ このような反応を進化させてきた そういうことですか?
ダン:全ての現象に進化論上の説明を付ける事に 最も懐疑的なのが 進化心理学者自身です 私達の進化の過去において 特別な事は 何もなかったと私は思います ただ― 進化論上の説明を探せば ほとんどの生物は新規性恐怖症―つまり新しく 異質なものをちょっと怖がる という事が言えるかもしれません それには理由があります 前からずっとあるものはあなたを食べたりしないから そうでしょう? 見たことのある動物は見たことのない動物より 捕食動物である確率は低い ですからスクールバスが爆発したとき このような光景を見たことがないため 目新しく奇抜なものに 目を向けやすいという一般的な傾向が働くのです クリスさんが仰った特定な仕組みと言うのではなく もっと根本的な基礎的な仕組みだと私は思います
ジェイ・ウォーカー:経済学者は宝くじを買う人の 愚かさを話すのが大好きです でもダンさんも その人々を責めるというまさしく同じ誤り つまり価値の誤りを 犯していると思います 私は何年も 宝くじを買う人 1000人位のインタビューをしてきているのでわかります ダンさんがお考えのように宝くじを買う価値は それに当たることではありませんでした おわかりでしょうか? 宝くじの購入者は1年に平均して 150枚ほどの宝くじを買いますが はずれることは事は十分承知しています それでも1年に150枚買うのです なぜでしょう それはその人がばかだからではありません 当たるかもしれないという期待が脳内のセロトニンを分泌させ 外れたと分かるまで 実際いい気持ちにさせるのです 言い換えれば 1ドルの投資で トイレにお金を流す事―これはいい気持ちになりません―より ずっといい気持ちを感じることができるからです 経済学者は― (拍手) 経済学者は自分の視点から 世の中を見る傾向があり 見えるのは大ばかの群衆だけです その結果 多くの人は経済学者をばかな人達だと思っています ですから そもそも私達が月に行くことができたのは 経済学者の言う事を聞かなかったからです (拍手)
ダン:それはいいポイントですね ただ抽選前の期待の喜びと 抽選後の失望が 正確に同量かはまだ立証されていません なぜならいいですか 宝くじを買わなかった人は 抽選の間喜ぶ事はありませんが 次の日に気分が悪くなることもありません 当たらないと十分承知しているという点は同意しかねます 当たる確率は低いけれど可能性が残っているから トイレに流すのでなく宝くじを買うのだと私は思います でも 確かにジェイさんにも一理あります 宝くじを買うことには当たる以外にも有益性があるという点です ええ 経済学者の言う事を聞かない方がいい理由はたくさんあります 私からすればこの話は別ですが 他にはたくさんありますからね
オーブリ・ダ・グレーです ケンブリッジから来ました 私はどんな死因より多くの人を死に至らせるもの つまり老化について 研究しています そして老化対策について関心があります 明日の講演にもありますね 私はダンさんが言っている事にとても共鳴します なぜなら私にとって 人々に老化対策について 興味を持たせる事が難しいのは 人は老化で死ぬというより ガンや心臓病などで 死んでしまうと考えるためだと― 思うのです 何かアドバイスはありますか? (笑)
ダン:あぁ あなたが皆さんを説得できるように 人々に先見の明を持たせる事は ご存じのように途方もなく大変な事です でもひとつ心理学者が発見した有効と思える方法は 人々に未来をもっと生き生きと想像させる事です 私達が遠い将来と近い将来について 決断をする際の問題のひとつは 遠い将来よりも 近い将来の方がずっと生き生きと想像できるという事です 人々に頭の中で遠い未来と近い未来の描写を同じように― 詳細に想像させればさせるほど その2つの未来についての それぞれの決定は同じになります あなたが65歳になった時もう10万ドル余計に欲しいかという質問は 65歳のあなたはどんな人か 想像してくださいという質問とは別の問題です その時まだ生きているか どういう風貌をしているか 髪がどのくらい残っているか 誰と暮らしているか その想像上のシナリオが全部揃った時 私達は突然 お金を蓄えて退職後に備える事が 重要に思えてきます でもこれらの人々を説得する方法は あまり効果はありません 私はオーブリ―さん 一般的にあなたは「私は今日ここにいるのだから 現在の方が先の事よりも大事だ」と唱える 人間のとても基礎的な傾向と戦っているのだと思います
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ダン・ギルバートがあなたにも挑戦できるいくつかの驚くべきテストと実験を示しながら、幸福の追求とそのデータを発表します。TEDでおなじみの顔が火花を散らす、最後のQ&Aのコーナーをお見逃しなく。
Harvard psychologist Dan Gilbert says our beliefs about what will make us happy are often wrong -- a premise he supports with intriguing research, and explains in his accessible and unexpectedly funny book, Stumbling on Happiness. Full bio »
Translated into Japanese by Masami Mutsukado and Kacie Landrum
Reviewed by Haruka Nishimura
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20:54 Posted: Nov 2007
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21:16 Posted: Sep 2006
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15:56 Posted: Jul 2008
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