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Translated by Misaki Sato
Reviewed by Yukako Uchida

0:12 私の仕事は都市計画とデザインで 芸術支援の経験もあり 建築と美術史を専門に学びました しかし 本日はデザインではなく アメリカについて お話ししたいと思います どうしたら 経済的により強靭で 健康的で 環境的に持続可能な国に なり得るかについて お話しします ここはグローバルなフォーラムだとは 承知していますが あえてアメリカについて お話したいと思います それは 歴史的に 多くの場所でー もちろん 全てではありませんが アメリカの考えが広く受け入れられ 良くも悪くも 真似されているからです さて ここで取り上げたい問題は 無秩序な郊外開発についてです こうやってお話している間にも あちらこちらで 似たような郊外化が進んでいます 車社会を前提とした 再開発や建設により かつて 自由の象徴であった自動車が 排気ガスを吐き出し 非効率的で生命を脅かすような 道具に成り下がっていますが 実のところ 車は 米国民の多数にとって ただー 日常生活に欠かせない 道具になってしまいました 別の手段を考える時です 世界の半数は 都市に暮らしているのですが アメリカでは多くの都市生活者が 未だなお 車に依存しています 未だなお 車に依存しています 私が目指しているのは 歩きやすい都市を提案することです ですが 経済学者 伝染病学者やー 環境保護主義者が論じていることから 私が学んだこと以上の 影響力をもつ デザインの提案はできませんので これから 3つの点について 簡単に触れることにします 私が育った70年代は 大方の世帯は収入の10分の1を 交通費に充てていました その後 道路を2倍に拡張した結果 現在は収入の5分の1が 交通費で占められています 「ワーキングファミリー」と呼ばれる 年収が20,000から50,000ドルの アメリカの人々にとっては 今や交通費の方が わずかとはいえ 居住費より多いほどです 手の届く価格の住宅を求めたため 人々が次第に都心部や職場から 離れたところに住む 「都市の郊外化」が起こり そのため 通勤に2時間、3時間 4時間もかかっているのです 例えば カリフォルニア州の セントラル・バレーのように 住宅バブルがはじけた際には 無事だったものの ガソリンの値上りに見舞われ 大打撃を受けた地区もあります 実際 現在は 空家が目立つようになっています 全てを注ぎ込んでいる 住宅ローンの残額より 不動産の価値が下がった上に 毎日の運転にかかる費用が 2倍になれば当然です つまり 車の社会を維持する為に 払う代償も大きいわけです 払う代償も大きいわけです では 市が違う方針を選んだら どんなことが起こるでしょうか? おそらく 一番良い例は オレゴン州ポートランドでしょう ポートランドは1970年代に 他の都市にはない 思い切った決断を下しました この時代は他のほとんどの都市が 一斉に都市を車社会へと 拡大していった時期に当たります 多くの都市が道路を広げ 交通量を増やすため 路上駐車や街路樹をなくす間に 交通量を増やすため 路上駐車や街路樹をなくす間に ポートランドは 道路スリム化計画を展開しました 他の都市が大小の道路の建設に 投資している時に ポートランドは 自転車道や歩道を整備したのです 自転車のために6000万ドルを費やしました 巨額の費用と思われるかもしれませんが 30年間以上にわたってですから つまり 年間200万ドルですね これなら再建しようとした 立体交差十字路の半値です 他の変化とも相まって ポートランド市民の生活様式が変わりました 1日当たりの自動車走行距離および 1人あたりの運転時間が 1996年を境に下降し始めたのです 1996年を境に下降し始めたのです 現在は全米より20%少ないのです 現在は全米より20%少ないのです 典型的なポートランド市民の運転量は 以前より1日当たり6.4キロメートル少なく 運転時間も11分減少しています 経済学者のジョー・コートライトの計算では この6.4キロメートルと 11分の短縮の価値は この地域全体の収入の 3.5%に匹敵します この地域全体の収入の 3.5%に匹敵します つまり 運転にお金を使うのではなく ちなみに運転に伴う消費の85%は 地元経済に寄与しないのですが ドライブにお金をかけないなら 何にかけているのでしょうか? ポートランドでは 一人あたりのルーフラック数が最大 個人経営の書店数が最大 ストリップクラブの数が最高です 多少の誇張はあるとはいえ ポートランドの人々は何処よりも あらゆるレクリエーションに お金を使っているという事です あらゆるレクリエーションに お金を使っているという事です 実際 オレゴン州ではお酒にお金を 他の州よりも費やしています その良し悪しはともかく あまり運転しないそうなので安心です (笑) 実際は 大半を住宅に使っています 住宅への投資は 地元へ還元されます 住宅への投資は 地元へ還元されます ポートランドについて言えば お話ししたデータだけではなく 若く高学歴な人々が ポートランドに越してきました 最新の2件の市勢調査では 新世代の大卒人口が50%上昇しました 新世代の大卒人口が50%上昇しました 国内平均の5倍に当たります 国内平均の5倍に当たります 歩行者や自転車に やさしい環境を作ることで 住民に利益をもたらすだけでなく 若い人が住みたいと 思うような町になったのです 若い人が住みたいと 思うような町になったのです つまり地域経済の発展に 最適な政策は 今までのように 企業を誘致を試み バイオ産業や 医療産業や 航空宇宙産業を 誘致するだけではなく 皆が住みたいと思うような町づくりです 企業家精神を牽引する 若い世代の64%は まず どこに住みたいかを決め まず どこに住みたいかを決め そこへ引っ越してから仕事を探します 住み良い町に集まってきます 健康問題は恐ろしい局面を迎えています ご存知の方もあると思いますが 70年代にまでさかのぼりますと 当時は10人に1人が肥満でしたが 現在は3人に1人が肥満です 残りの半分は太りすぎです 若い男性の25% 若い女性の40%は体重のせいで 米軍に入隊する事ができません 米国疾病管理センターによると 2000年以降生まれの子どもの 実に3分の1が 糖尿病になると予測されています 子供たちが親よりも短命だと 予測されるのは アメリカ史上初の事です 今まで耳にしてきた アメリカのヘルスケア危機は 都市デザインの危機でもあると 私は信じています 都市デザインにも治療が必要です 長い間 食事については 議論されてきたので 食事が体重に影響するのは 周知の事実で 体重は健康に関わります しかし 運動不足について -- 環境に起因する運動不足 歩く意味のなくなった場所に 住むため起こる 運動不足で体重が増加する仕組みは まだ注目され始めたばかりです ようやく 調査が行なわれました 「食べすぎ 対 怠け者」という イギリスの研究では 体重と食事の関係と 体重と運動不足の関係を調べると 後者の方がはるかに 関連性が強いことがわかりました 権威あるメイヨー・クリニックの ジェームズ・レビーン医師の実験では 被験者にハイテク下着を着用してもらい 通常の食事をつづけた後 急激に摂取カロリーを増やすと 体重が増加する人と そうでない人がいます 代謝や遺伝子が原因だと 考えられていましたが 結果は皆が驚いたことに 被験者の違いは 運動量だけでした 体重が増加した人は 日々平均して2時間ばかり 座っている時間が長かっただけです これらの研究によって 体重と運動不足の関係がわかりましたが 現在は住む場所と体重を 関係づける研究もあります 歩きやすい町か そうでない町なのか お住まいはどちらでしょうか? サンディエゴではウォークスコアを使用します このウォークスコアはアメリカだけでなく そのうち世界中で 歩きやすさの目安となるでしょう ウォークスコアで歩きやすい環境と そうでない環境を見分けます すると 歩きやすい環境にいる人が 太る可能性は35%ですが そうでない環境だと その可能性は60%に上るとわかります 研究の積み重ねにより どこに住んでいるかということが とりわけアメリカを見ればわかるように 健康の最大の脅威は 住環境による運動不足から 派生しています 先週 新しい言葉を知りました 「obesageneric(肥満を引き起こす)」地域 という呼び方です 正しいかどうかわかりませんが うまい言い方だと思います これだけではありません ぜんそくについても触れましょう 米国ではぜんそくが蔓延しています おそらく驚かれるでしょうが 1日14人がぜんそくで亡くなっています 90年代の3倍の数字です 主な原因は自動車の排気ガスで 今やアメリカの公害は 工場からではなく 車の排気管から起こるのです それぞれの都市の運転量である VMTを調べれば かなり正確に ぜんそく問題を予測できます もちろん 運転といえば 最大の死亡原因は 健康な成人を含む全人口の 最大の死亡原因は自動車事故です 自動車事故のことを 運転にまつわる 当然な リスクだと思っています しかし アメリカでは 10万人あたり12人が 毎年 交通事故で亡くなっています ここは安全です 英国は10万人あたり7人ですから 日本では10万人あたり4人 10万人あたり3人の都市は どこだと思いますか? ニューヨーク市です サンフランシスコやポートランドも同様です では 運転の量が少なくて済む 都市の方が安全なのでしょうか? タルサでは10万人あたり14人 オーランドは10万人あたり20人 都会か田舎かという事ではありません 都市デザインが鍵なのです 車か人優先かで決まります 車優先の都市では お互いにぶつかる可能性が高くなります これが健康面の問題の概要です 環境面で興味深いのは 環境運動家の意見の急激な変化で 約10年前に起こりました アメリカの環境保護運動は ジェファーソンの時代から 反都市化の動きでした ジェファーソンの時代から 反都市化の動きでした 「都市は健康に有害だ 自由にも人々のモラルにも 都市に住み続ければ ヨーロッパのように 堕落してしまう そのうち共食いも始まるだろう」 ジェファーソンは ユーモアのセンスがあったようですね アメリカの環境保護運動は 牧歌的な運動でした 環境の事を考えて田舎へ行こう 自然に帰り 郊外へ しかし 結果はご存じのとおりです これは米国のカーボンマップです CO2排出量分布を示すものですが これは長い間 この説を 裏付けてきました マップは1.6平方キロメートル当たりで作成され 米国のカーボンマップを見ると 夜間の衛星写真のようです 都市部は暑く 郊外は涼しい色になっています 地方は暗く 穏やかに見えます しかし 経済学者が CO2の測定方法を疑問視し この国の人々が 環境に影響が少ない場所に住むことを 選択できるよう 1世帯当たりのCO2を測定してみると マップは逆転しました 街中が涼しく 郊外が暑くなり そして 「都市の郊外化」地域が 最高値を示したのです そして 「都市の郊外化」地域が 最高値を示したのです 良かれと思っていたことが ひっくり返りました 環境学者で経済学者でもある エド・グレーザー曰く 人類は破壊的な存在だと 自然を愛するなら 一番良いのは けっして近寄らないことだ 都市部に移動し 人口密度を高めること マンハッタンのように密度の高い都市は 一番環境に良いのです マンハッタンでの平均的な ガソリンの使用量は 20年代から変わっていません ダラスの電気使用量の半分です もちろん もっとうまくやることもできます カナダの都市はアメリカの半量しか ガソリンを消費しないのです ヨーロッパにある都市も同様です アメリカにも もっと良い方法があるはずです 皆 環境に良い事を目指しています ここで最後に示したいのは その方法に問題があるということです 私はガジェットに注目している1人です 私はガジェットに注目している1人です ハイテク機器を 住まいに設置することで 今あるものに加えることで どこまで環境に良くできるか? という固く信じられている方法です 実は私も例外ではありません ワシントンDCの敷地に 妻と共に新しい家を建てた際に 環境にやさしいという店へ行き 店の棚を空にしてきました 太陽発電システムを取り入れ 太陽発電ヒーターに 大小レバー付きトイレ 竹で床を敷き詰めました ドイツ製のハイテクストーブで薪をもやし 炭素排出量を減らしています こうすると森で自然に分解させるより 環境に良いはずです しかし この新技術は 全てパンフレットの受け売りです (笑) 技術の粋を集めたとしても 都心部の地下鉄から3ブロック内にある 歩きやすい町に住むことと比べれば できることはわずかです 家中の電球を省エネ電球に取り替えるのは もちろん良いことです でも 全ての電球を替えたとしても 1年間で減らすことのできる 消費エネルギーは 歩きやすい町へ引っ越した場合の 1週間分と同じです でも このようなことは注目されません 政治家やマーケティング業界は エコライフを「ライフスタイルの選択」と 勧めることを避けています アメリカでは絶対に ライフスタイルを変えろとは言えません しかし ライフスタイルが生活の質だとすれば もし さらに生活を楽しむことができ 今より良い生活を享受できる としたらどうでしょうか? 生活の質ランキングで代表的な マーサー・サーベイという調査があります ご存じの方もいると思います 10項目について総合的に評価し 世界数百か国をランク付けします 生活の質の指針として 健康、経済、教育、住居など 生活の質の指針として 健康、経済、教育、住居など あと6項目ありますが 短いトークなので飛ばします(笑) あと6項目ありますが 短いトークなので飛ばします(笑) 興味深いことに アメリカで1位だったのはホノルルで 世界28位でした これにおなじみの シアトルやボストンといった 歩きやすい町が続きます サンベルトにある車社会 ダラス、フェニックス、アトランタは リストにありませんでした 評価が高かったのはどこでしょう? バンクーバーのようなカナダの都市 燃料の使用量が半分の都市です デュッセルドルフやウィーンのような ドイツ語圏が常勝です デュッセルドルフやウィーンのような ドイツ語圏が常勝です こちらも燃料の使用量は半分です この不思議な一致は 地球にやさしいという事は より良い生活をもたらすのでしょうか? 私も同じことを提案したいと思います よりエコな生活をすれば 歩きやすい環境に住めば 生活の質を高められるのです もちろん富や健康といったものを含む 持続可能性に直接 影響があるかはわかりません 持続可能性に直接 影響があるかはわかりません しかし アメリカは あまりに環境を傷つけています なにしろ時間を無駄にし お金や命を道路に 投げ捨てているのですから 2つの問題は同じ解決法を 共有しているようです つまり自分の町を 歩きやすくするという事です 容易ではありませんが 実現は可能です 実際にそれを 行ってきた都市が世界やアメリカに いくつもあるのですから ウィンストン・チャーチルの言葉に 幾ばくかのなぐさめを 見い出したいと思います 「アメリカ人は絶対に 正しいことをする 選択肢にうんざりすればだが」 (笑) ありがとうございました (拍手)